インデックス投資全般, 指数のお話

MSCI ACWI指数の銘柄変更が2月29日に実施されます(『オルカン』の組み入れ企業も変わります)

2024年2月29日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

『オルカン』こと、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、

運用会社が任意に組み入れる会社を選んだり、
除外したりすることはありません。

 

また、国ごとの組み入れ割合を、
運用会社の判断で変更したりすることもありません。

 

 

 

 

 

『オルカン』はインデックスファンドですから、

連動を目指す、
株価指数(設計図)に基づいて運用の調整を行うのみです。

 

 

インデックスファンドの場合、
指数が『主』であって、
ファンドそのものは「従」なのです。

 

ですので、
Passive 運用(受け身の運用)という言い方をするわけです。

 

 

さて、
オルカンの『設計図』である
MSCI ACWI指数の銘柄入れ替え
本日2月29日の取引終了後に実施されます。

 

ACWIとは? オール・カントリー・ワールド・インデックスの略。

 

ということは?

『オルカン』が組み入れる株式そのものも、追って変更されることになります。

 

 

ブルームバーグの記事から拾ってみましょう。

 

 

 

「24銘柄」を追加して、
「101銘柄」を除外するというのは
わりと大きな入れ替えです。

 

(MSCI社のリリース(英語)はこちら

 

 

 

 

指数の算出会社であるMSCI社では
2月、5月、8月、11月と
四半期ごとに『指数の中身』をチェックし、

銘柄の「入れ替え」を行うる機会を設けています。

 

 

指数算出会社の仕事とは?

 

誰から見ても合理的、かつ使いやすい
最大公約数化された市場平均』の提供にあります。

 

 

魚や野菜ではありませんが、
実は
株価指数にも『鮮度』は求められるのです。

 

 

 

 

 

なぜなら、
マーケットは生き物であり、

そこに上場する数多の株式も、
「栄えては衰える」を不規則に繰り返すためです。

 

 

仮にあなたがたった一人で、

日本を含む47か国の株式市場をウォッチし、

 

それぞれの市場に上場する(おそらく)万、十万を超える会社を一つひとつモニタリングしながら、

 

・浮動株が大きく減った とか、
・売買高が急減した とか、
・監査でゴーイングコンサーンが確認された とか、
・合併・買収が起こった とか、

 

 

 

そんな事々を逐一チェックして、

また業種別(セクター)の比率にも留意して、

 

世界ベースでどの銘柄を除外し、
どの銘柄を新たに「指数」に組み入れるかなんて、とてもじゃないですが実践など出来ないでしょう。

 

 

 

 

 

上記を、

定期的に
行ってくれるのが『指数算出会社』なのです。

 

 

繰り返しですが、

インデックスファンドでは
指数が「主」
ファンドそのものは「従」です。

 

 

指数が生き物なら、
またインデックスファンドも生き物であり、

『オルカン』にしても、

 

2024年2月時点の組入れの中身と
2044年2月時点の組入れの中身は、

大きく違っていて当たり前なのです。

 

 

ちなみに、国ごとの組入れ比率で見ても、
MSCI ACWI指数は、

2024年2月 米国 約63% 日本 約5.5%
2009年6月 米国 約42% 日本 約10%

というふうに大きく違っています。

 

 

 

 

 

ひとつだけ確かなこと。

 

『オルカン』は
これまでも変化し続けてきましたし、
これからも変化し続けます。

 

インデックスファンドって、そういうツールなのです。

 

 

もし、ご興味があれば、
冒頭のブルームバーグ記事をご詳読ください。

 

日本、オーストラリアから、

香港、マレーシア、台湾、韓国、
タイ、インド、
中国(今回、新規組入れ5社、除外は66社と大きく変動)

 

シンガポール、スペイン、フランス、
ドイツ、トルコ、ポーランド、サウジアラビアに至るまで、

今回の『定期見直し』における、
MSCI ACWI指数の
すべての除外企業、新規組入れ企業を確認することができます。

 

カテゴリ:インデックス投資全般, 指数のお話

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