金融機関にモノ申す

バンガードの証券口座ではビットコインETFもレバレッジ型ETFも買えません

2024年2月10日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

アメリカの大手運用会社バンガードは、
低コストで商品を提供することに「こだわり」を持っています。

たとえば、
VTIとして有名な『全米株式ETF』の年間経費率は(なんと)0.03%です。

 

もちろん、
ファンドの販売手数料も「ゼロ円」です。

 

 

 

 

 

創業(1975年)当初、
旧態依然とした証券業界で
バンガード社が販売手数料「なし」を貫くためには、

自分でファンドを
直接販売するしかありませんでした。

 

これが世にいう『直販』の始まり。

 

 

ファンド運用会社による、
ファンドの直接販売です。

 

(日本で直販を行っている独立系の投信会社のルーツはバンガードにあるのです)

 

 

 

 

 

またバンガード社は、
運用会社であると同時に
『証券口座』を備える証券会社でもあります。

 

例えば、
あなたがアメリカに居住する人であれば、

バンガードで『証券口座』を開き、
投資信託だけでなく、
さまざまなETFや個別株やMMFも購入することが出来ます。

 

 

が、しかし・・。

 

バンガードの証券口座で
「何でも」買えるわけではありません。

 

 

CoinPostの記事によりますと、
バンガードの証券口座ではビットコインETFは提供されていません。

 

米資産運用大手Vanguard、ビットコインETF提供しない方針

 

実は先月(24年1月)、
11本もの現物ビットコインETFが米国で運用を開始しました。

でも、
バンガードはそれらを扱いません。

 

金融商品を扱うプラットホームとして
確固たる規範を持っているためです。

 

 

 

 

 

複数の米メディアが
Vanguardのカスタマーサービス担当者に確認したところ、

 

ビットコインETFに関しては
「投機性が高く、規制されておらず」、

 

 

同社の長期投資哲学に合わないため、
プラットフォームでは利用できないと述べたという。

 

 

同プラットフォームでは
レバレッジETFのような
他のリスクの高い種類の投資もできない。

 

なるほど・・。

 

 

バンガードが掲げる『哲学』にそぐわない金融商品は扱わない。

矜持すら感じます・・。

 

わたしは以前読んだ書籍
ジャッジメントコール 決断をめぐる12の物語』を思い出しました。

 

同書の中で、
バンガードの債券アナリストがメイベル・ユー氏が紹介されていたのです。

 

ユー氏は
サブプライムローン債券のリスク実態に警鐘を鳴らし、
バンガードの上層部に
「我が社ではこのような商品を扱う(組み入れる)べきではない。」と進言したのだそう。

 

 

 

 

同書では、
バンガード社の「文化」と「価値観」を
次のように紹介しています。

 

〇 短期間で儲かる投資計画は
決してうまくいかないのだから、
投資家とバンガード自身は
長期的な戦略を追求するべきである。

 

 

 

 

 

 

〇 つねに一般投資家に心を注ぐ。
顧客の資産運用の希望と夢が我々に託されていることは特権であるとともに、たいへんな責任であるとバンガードの社員は教育されている。

 

 

〇 バンガードの「乗組員」一人ひとりが、
組織とその顧客に貢献ができるという考え方が浸透している。

 

 

顧客第一主義(クライアント・ファースト)とよく言われますね。

が、言葉ではなく、

長期的に顧客に貢献することのみを『行動規範』として、
実際、それに基づいて行動できるかと問われれば、

 

 

 

 

あなたはどう答えますか?

 

 

わたしは日本においても、
金融の「プラットフォーム」が、
もっと『個性』を主張すべきだと思います。

 

例えば、良質の投資信託のみを商品として扱う
ブティック型の証券会社が登場してもよいのではないでしょうか?

 

 

 

 

 


日本の金融サービス向上に貢献したという意味合いで
わたしはSBI証券、楽天証券を高く評価する者ですが、

両社が良質の投資信託を取り揃える一方で、

 

FXも、
4.3倍型のブルファンドも売っているというのは、

いかにも「総花型のスーパーマーケット」の域を脱しません。

 

プラットホームで何を提供し、
何を提供しないかの判断は、
その金融機関のアイデンティティそのものになるのではないでしょうか。

 


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