長期投資は株式の『価値』に着目し、短期投資は株式の「価格」に惑わされる
2024年2月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
NightWalkerさんの下記記事内で
興味深い一節を見つけました。
株式投資のやり方は大きくふたつあります。
(1)「価格(Price)」に着眼した手法
(2)「価値(Value)」に着眼した手法
なるほど。
冷めた目線で見ると、
「株式市場」はちょっと変わった所かもしれません。
例えば、
「本日のマイクロソフトの株価は440ドルでした。」とか、値段は毎日付くわけです。
(市場全体でいえば、)
今日のダウ平均(終値)は 38246ドルでした、とか。
このように
都度「価格」は決定するのですが、
ではその『価格』が
株式という資産の「価値」(現在の価値)を
正しく表しているかといえば、大いに疑問でしょう。
ココ、少し深掘りしてみたいのですが、
株式市場の「価格」は大抵の場合、
〇 その『価値』より安めに提示されるかの、どちらかになると思います。
つまり多くのケースで、
株式の「価格」と、
その『価値』の間にズレが生じるわけです。
ではなぜ、
『価格』と『価値』のズレが生じるのでしょう?
それは、
―あなたやわたしも含めて、―
冷静な判断がなかなか出来ないためです。
言い換えると、
マーケットに集う人々の
欲望と恐怖の増幅の『度合い』によって、
価値と、価格の「差」は
大きくなったり小さくなったりを不規則に繰り返すのです。
それが株式市場の本質。
以下、典型的なケースを挙げてみましょう。
バブル時・・ 「価格」>『価値』
です。
暴落時・・ 「価格」<『価値』
です。
「なんか人間ってバカだね・・」
と言われれば、
「短期的には そうですよね。」と答えるしかありません。
なにせ、
『価値』と「価格」が大きくズレるわけですから。
翻って、私たちの反応です。
株式市場では毎日『価格』が付くため、私たちはどうしても『価格』そのものに影響を受けがちになります。
いちいち反応してしまうわけです。
しかし、
どのみち 価格 > 価値 になったり、
価格 < 価値 になったりを繰り返すのが『市場』なのですから、
『株価』も、
市場の『株価指数』も、
気休め程度に「ふ~ん、そうなのね。」くらいに見ておいたほうが利口というもの。
たとえば、
あなたが保有するファンドの価格が順調に上がり過ぎて、少し居心地が悪いなと思う時は、
あぁ、
価格 > 価値 なのね。
と思って自分を落ち着かせましょう。
(実際、価格 > 価値 が顕著になる事はしばしば起こります。今もそうかも・・。)
逆に、
保有するファンドの価格が
だらだらと下がり続け、あーぁ居心地が悪いなと思う時は、
あぁ、価格 < 価値 が顕著になってるのね。と思って自分を落ち着かせるのです。
マーケットにおいては、
『価値』と「価格」2種類の指標があり、
短期的に見れば、
そのズレは時に顕著になるため、
株式の価格も
株式市場の価格も「かりそめ」なんだ・・と思っておきましょう。
NightWalkerさんの記事では、
(1)「価格(Price)」に着眼した手法
(2)「価値(Value)」に着眼した手法
という、二つの投資のやり方が記されていますが、
株式の価格に着眼した株式投資を行うと、
市場参加者の「恐怖と欲望」による増幅度合いを考慮しながら、トレード(取引)することになり、そこで利益を上げ続けることが、いかに難しいかが分かります。
では、
「価値(Value)」に着眼した手法 とは?
現在の株式の価格、
あるいは
株式市場の『価格』を無視するわけです。スルーします。
そして、
短期的にはまったく表に現れない『価値』という指標に重きを置きます。
換言すれば、
株式の「価格」も
株式市場の「価格」も、
『価値』に収斂していくよ。という考え方を持つ投資手法なのです。
あなたは、
株式の「価格」は
長期の視点で見た場合、
『価値』に収斂していくと思えますか?
もしYESであるなら、あなたは生粋の「長期投資家」であるといえるでしょう。