リスクの階段、リターンの階段
2024年1月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
本日はこちらのツイートから。
わたしはオルカンよりもS&P500派なのですが、最近FANG+がめちゃくちゃ気になる💭
— える@資産形成勉強中🔰 (@ELL_investment) January 21, 2024
分散は効いてないけど、この会社たちがまとめてグダグダになるようならS&P500もどっちにしろダメなんじゃないか…( *’꒳’* )?ならむしろ間を取ってNASDAQ?
多分議論され尽くした内容🤣笑
結論どれが良かったですか? pic.twitter.com/qKnY02t6J0
フム。
お気持ちはよーく分かります。
上記「グラフ」を見ると、
S&P500の値動きそのものがとても緩やかに見えます。
「ちょっと物足りないなぁ・・」と感じてしまい、
ナスダック100や
NYSE FANG+インデックスとの連動を目指す「ファンド」に目移りしてしまうのも、まあ理解できなくはありません。
「そっちに乗り換えよう!」と
決めちゃった人もいるのでは?
一例ですが、
ナスダック100との連動を目指すファンドはまさに今が「旬」で、新規設定分を含めてナント9本もあるのだそう。
12/26にたわらノーロードNASDAQ100、1/30に楽天・NASDAQ-100設定(楽天証券のみ販売)で全9本に。純資産総額は日興のNASDAQ100がトップ、意外。すべて新NISA成長投資枠可で、iFreeNEXT(2018年8月設定)だけつみたて投資枠も可。4位ニッセイの伸び凄い、昨年3月31日設定から1年経たずに600億とは。 pic.twitter.com/l0BbVItUwt
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) January 21, 2024
ちなみに『FANG+インデックス』のファンドなど、
保有銘柄が10社しかありません。
先に「結論」をいいですか?
リターンの階段を上るということは、
リスクの階段を上るということです。
大きなリターン(数字)に魅せられて、
階段を一段上るとき、
その『けあげ』の高さ = リスクの大きさ も自然大きくなります。
たとえば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」をNISAで積み立てている人から見ると、
S&P500との連動を目指すファンドは、
もう立派にダイナミックな「階段の上り方」をしているファンドです。
青がスリム米国株式(S&P500)
赤がスリム バランス(8資産均等型)です。
画像元:ヤフーファイナンス
2020年のコロナショック時、
S&P500はおよそマイナス34%になりました。
そして実はSlim バランス(8資産)も
マイナス23%程度になっています。
投資の現場とは、
清濁ともに飲み込む、巨大な吹き溜まりです。
ナスダック100や
NYSE FANG+インデックスと比べると、
S&P500のファンドはリスクが小さいと言えますし、
S&P500に比べると、
Slim バランス(8資産)はリスクが小さいですし、
アマゾン株一点買いに比べれば、
FANG+インデックスもリスクは小さいと言えてしまうわけです。
みんな『正解』です。
そしてみんな『不正解』なのです。
なぜなら、
「あなた自身」が置き去りにされているから。
わたしは縁あって
運用のアドバイスの仕事を23年やっていますが、
「ひとりの投資家」として投資という海原に向かうとき、何がもっとも難しいかといえば、
自分に合った投資のやり方を吟味し、
それを選択することなのです。
FANG+インデックスのファンドを買っている人は、
オルカンのファンドを買っている人を、
どこか『冷めた目』で見ていませんか?
(目の前に大きなリターンの源泉があるのに、なんでリスク取らないの?、みたいな。)
Slim バランス(8資産)を買っている人は、
オルカンを買っている人を見て、
自分だけ『取り残されている』のでは?と感じていませんか?
はたまたオルカンを買っている人は、
ナスダック100のファンドを買っている人を見て、
ワタシって『置いてけぼり』を食ってる?
と感じていませんか?
みんな『不正解』です。
どうかゆっくり慎重に、
自分が上り続けられる
『リスクの階段、リターンの階段』を見つけてください。
ほかの人と成績を比べたり、
ほかのファンドのリターン(数字)を羨ましがったりする必要はぜんぜんありません。
カテゴリ:投資家の感情リスク