インデックス投資全般

インデックス運用のファンドマネージャーが「モーニングサテライト」に呼ばれることはありませんが、けっこう密度の濃い仕事をしています

2024年1月24日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたがお持ちの『インデックスファンド』は、
果たしてどんなふうに運用されているのでしょうか?

 

精密機器がシグナルを出して、
サクサク動いているわけではありません。

ちゃんと「人」が運用を行っています。

 

 

 

 

 

インデックス運用 = 特定の指数と同じ値動きを目指すと云っても、一筋縄ではいきません。

 

持続可能な仕組みを構築し、
日々調整をし、
なるだけ効率的(かつ低コスト)を心掛けつつ、

ときに感性に基づいた振る舞いも要求されるのが、インデックス運用の仕事です。

 

が、そのプロフェッショナルな行いに
スポットライトが当たることはあまりありません。

(テレ東のモーニングサテライトに呼ばれることもありません。)

 

 

 

 

 

今日は私たちが少しだけスポットライトを当ててみましょう。

 

インデックス運用の本質は、
『指数』を真似ることにあります。

 

各指数が提示するところの、
「構成銘柄」「各々の銘柄の比率」を再現することを目指します。

 

 

これは日本株式、海外株式、一ヵ国の株式、どんな指数であっても基本同じです。

 

 

しかし、

「指数」が組み入れる銘柄を
『すべて』『その比率通りに』買っておけばよい。

という単純なものでもありません。

 

⇒ ちなみに、
指数が構成する「銘柄」「各々の銘柄の比率」を忠実に再現するインデックス運用法を『完全法』と呼びます。

 

 

 

 

 

この『完全法』を実践すれば、
当然「指数」との乖離は小さくなりますが、コストが高くなってしまうこともあります。

 

(例えばMSCIコクサイ指数は22の国・地域に跨り、銘柄数は1200を超えるため『完全法』が最適な運用法とは言い切れないのです。)

 

 

 

運用の現場では、
時間もお金もエネルギーにも『制約』があります。

 

指数に対して、
どうすれば精緻な模倣(もほう)ができるのか、運用チームは「智恵」を絞るわけです。

 

例えば、
各銘柄の「特性」を十分に理解して
『最適化法』で指数との連動を目指す手もあります。

 

 

〇 どの銘柄を多めに組み入れ、
〇 どの銘柄を除外すれば、
『指数』との乖離がもっとも小さくなるのか?

 

ファンドマネージャーは長年の経験からそのコツを会得する場合もあります。あるいは半ばアート的な試行錯誤によって、そのノウハウを獲得することもあります。

 

※実際、インデックス運用の現場では
『最適化法』が幅広く採用されています。

 

 

 

 

 

また、指数との連動を目指すうえで、
一部『先物』が利用されたりもします。

 

「カンさん。
先物を組み入れたインデックス運用なんて、なんか危なくないですか?」

 

いいえ、そんなことはありません。

 

「配当込み指数」との連動を目指すファンドを想像してみましょう。

 

運用の現場では、
まだファンドに入金されていない「配当金」等が毎月のように発生します。

 

 

お金は入っていないけれど、
資産として計上しなければならず、

 

運用チーム、
ファンドマネージャーは『先物』を利用しないと、
指数そのものの上昇に
ファンド価格の上昇が追いつかなくなることがあります。

 

 

 

 

 

 

先ほど、インデックス運用では、
時間もお金もエネルギーにも『制約』があると述べました。

 

「先物」なら証拠金を積むことで、
相応の金額規模の運用が可能になります。

 

 

また、海外株式の運用では
「先物」を活用することで、
有価証券取引税のようなコストを節約できるメリットも発生します。

 

 

 

 

今、せっかくこの記事を読んでおられるわけですから、ちょっとファンドマネージャーの気持ちになってみませんか?

 

 

毎日毎日「新規のお金」が入ってきて、
そのたびにあなたは銘柄を買っていかなければなりません。

 

・・「指数」との連動を崩さないように・・。

 

 

わりとまとまった金額の『解約』があった場合は?

 

ファンドマネージャーは
「指数」との連動を崩さないよう、
銘柄を売却して現金を用意する必要があります。

 

 

あるいは「指数」構成銘柄に入れ替えがあったりすると、どうなるのか。

たとえばA社を売って、
C社を買い付けるというような作業が待ち受けます。

 

 

インデックス運用でも銘柄の『売買』は毎日発生するわけです。

 

 

 

 

 

株式を売り買いする際に、
個人と同じように、
ファンドマネージャーも『証券会社』に注文を出します。

 

でも売買の際には
「売買委託手数料」がかかりますね。

運用会社が出す注文は時に何億円、何十億円にもなり得ますから、手数料もかなりの金額になり得ます。

 

 

ここからが涙ぐましい努力なのですが、

「Aインデックスファンド」単独で
売買の注文を出すのではなく、

 

Bイ・ファンドや
Cイ・ファンドや
Fイ・ファンドなど、

複数のファンド『まとめて』、
売買注文を出したりする事もあるそうです。

 

 

 

 

 

さらにそれら売買注文を、
複数の証券会社に提示して『コンペ』を実施し、

もっとも安い価格を提示した証券会社に発注することもするそう。

 

 

あるいはこんな例も・・。

 

インデックスファンドが保有する銘柄(株式)を
貸株(レンディング)して、

手数料収入を得ることで、
インデックス運用の総コストを抑える努力がなされたりします。

 

 

さらに言えば、
インデックス運用の場合、
インデックス(指数)の使用料「ライセンスフィー」も別途かかってきます。

 

これは指数算出会社(MSCI社やFTSE社などのこと)に支払う手数料ですが、「Aインデックスファンド」単独で「いくら」ではなく、

数多のファンドをまとめて運用会社単位で、指数算出会社にコストを支払ったりもするそうです。

 

 

 

 

 

私たちは、
インデックス運用 =「特定の指数」と同じ値動きを目指す。を、

当然のこととして見なしがちですが、

 

そこには毎日毎日の
運用会社の、
運用チームの、
ファンドマネージャーの小さな努力が詰まっているのです。

 

カテゴリ:インデックス投資全般

おすすめの記事