「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を同じ器にするか、それとも違う器にするか、それが運命の分かれ道
2024年1月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
鳴り物入りで始まったNISA制度。
実は「ひっかけ問題」的なところがあります。
NISAの成長投資枠は
『二重構造』になっています。
??
成長投資枠で、
『成長投資枠でしか買えないモノ』を買う人と、
成長投資枠で、
『つみたて投資枠でも買えるモノ』を買う人に、分かれるわけです。
ココ、伝わっていますか?
仮に、
成長投資枠で、
成長投資枠でしか買えないモノを買っていくと、
NISA全体の中で、
成長投資枠独自のテリトリー(領土)が少しずつ広がっていきます。
たとえば、
高配当株ETFや、
米国の個別株を『成長投資枠』で500万円分購入すれば、
1300万円に減るわけです。
仮に、
成長投資枠で、
『成長投資枠でしか買えないモノ』を買って、
高配当株ETFや、REITの銘柄4つや、
日本の個別株、米国の個別株を
「成長投資枠」で1000万円分購入すれば、
「つみたて投資枠」の限度額は800万円になります。
※ただし、成長投資枠そのものの限度額は1200万円しかありません。
(これは逆説すると、)
必ず最低600万円分は
つみたて投資枠を利用しないといけない。ということです。← ココ、重要。
ところで、
成長投資枠で
『成長投資枠でしか買えないモノ』を購入するのが、
「良くない」という意味では決してありません。
成長投資枠で、
『成長投資枠でしか買えないモノ』を買っていくことは、
「つみたて投資枠」という『ふたつの異なった器』の比率を決定していくということなのです。
イメージとしては、
つみたて投資枠・・面白みのない投資
でしょうか。
たとえば、
成長投資枠 400万円
つみたて投資枠 1400万円
成長投資枠 600万円
つみたて投資枠 1200万円
成長投資枠 900万円
つみたて投資枠 900万円
成長投資枠 1200万円
つみたて投資枠 600万円
のように、
あなた自身が、
「面白みのある投資」と「面白みのない投資」の『骨太比率』を、しっかり意識し、決定して、それを維持していく主体性が求められるでしょう。
えぇっ・・・カンさん。
成長投資枠 400万円
つみたて投資枠 1400万円 という割り振りなんて、可能なの??
はい、可能です。(回答はのちほど。)
もっと視点を広げるならば、
「特定口座」プラス「NISA口座」という
大きな風呂敷の中で、
ここで、
突然ですが、
冒頭の成長投資枠の『二重構造』に戻りたいです。
先ほど、
※ただし成長投資枠の限度額は1200万円しかありません。
と述べました。
NISAの生涯投資枠1800万円をすべて埋めようとすれば、
必ず最低600万円分は
つみたて投資枠を利用しないといけません。
とも述べました。
もしも、ですが、
あなたが
『つみたて投資枠でも買えるモノ』を買っていくと、
たとえば以下、一つの具体例です。
つみたて投資枠・・オルカン
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が 同じ器 になるわけです。
>※ただし成長投資枠の限度額は1200万円しかありません。
これは同じです。
>NISAの生涯投資枠1800万円をすべて埋めようとすれば、
必ず最低600万円分は
つみたて投資枠を利用しないといけません。
これも同じです。
仮に以下のように、
『骨太比率』が変わったとしても、投資の中身はぜんぜん変わることがありません。
成長投資枠 400万円
つみたて投資枠 1400万円
成長投資枠 600万円
つみたて投資枠 1200万円
成長投資枠 900万円
つみたて投資枠 900万円
成長投資枠 1200万円
つみたて投資枠 600万円
成長投資枠・・ オルカン
つみたて投資枠・・オルカン の前提です。
「ボクは最速でNISAの投資枠を埋めるんだ!」という人は、最短「5年」という入金期間となり、
結果として、
つみたて投資枠 600万円 (月10万円積立)
というような「入金スケジュール」と「両枠の比率」になるわけです。
あるいは、少しゆっくり目で、
成長投資枠 月5万円積立
つみたて投資枠 月10万円積立 とし、
マイペースで
10年かけてNISAの投資枠を埋めると、
結果として、
つみたて投資枠 1200万円
というような両枠の利用のしかたになります。
成長投資枠・・ オルカン
つみたて投資枠・・オルカン の前提です。
あるいは、もっと慎重に
少しずつコツコツと『投資枠』を埋めたい人は、
15年という月日をかけて
NISAの投資枠(1800万円)を埋めることも可能です。
1800万円の投資枠を有しているのです。
※ 繰り返しですが『成長投資枠』の限度額は1200万円しかありません。
これも一見分かりにくい、
NISAの『二重構造』の一端でしょう。
わたしは投資の1本化(シンプル化)という意味合いで、
成長投資枠で、
『つみたて投資枠でも買えるモノ』を購入することを、お勧めします。
ただし、
決して高配当株ETFやアクティブファンドや、
日本の個別株、米国の個別株式を否定するものではありません。
『全リスク資産』(NISA+特定口座)を俯瞰する立場から、
高配当株ETFやアクティブファンドや、
日本の個別株、米国の個別株式の「置き場所」を決定すべきなのです。
総リスク資産(元本ベース)が2000万、3000万円を超える人は、
・・個別株、アクティブファンド、ETF、REIT等
という区分けをされたほうがよいとわたしは思います。
カテゴリ:NISA活用法