米国では生命保険契約が売買されています(ライフセトルメントについて)
2024年1月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
アメリカでは、
生命保険契約の『売買』が
実際に行われています。
これを「ライフセトルメント」と呼びます。
たとえば、
わたしが1億円の保険金額の
『生命保険』に入っているとしましょう。
わたしが生きているうちに、
第三者(投資家)に売却できる仕組みを云います。
(※ ちなみに日本では、このようなことは出来ません)
以下、仮の例ですが・・。
互いの合意が得られれば、生命保険という名の商品の「売買」が成立します(もちろん、間に金融サービス会社が介在しますが。)
アメリカでは
『生命保険契約』という商品に対して、
数多の売り手、買い手が存在するため、
保険契約を売買する『マーケット』が厚みを持って成立しているのです。
『解約返戻金』をもらうっていうチョイスもあるじゃない。」
はい、それはそうです。
しかし、保険会社に解約を申し出て、
「解約返戻金」を受け取るより、
市場(マーケット)で保険契約そのものを売却したほうが、より高く売れるという現実があります(あくまで米国での話ですが・・)
厚みがあるマーケットが存在するとはそういうこと。
たとえば、自分が保有する『終身保険』を(自分が元気なうちに)解約する・・、
これはすなわち、
商品の提供元である会社(生命保険会社)に、自身が保有する商品を下取りしてもらうことであり、マーケット価格に比べると安く買い叩かれるということでもあります。
当ブログでは再三、有価証券と保険商品の比較を行っていますが、保険商品には、不特定多数の人々が集い、売り買いができる『マーケット』が存在しません。
他方、株式や債券や投資信託の『価格』を決めるのは市場(マーケット)です。
数多の投資家が売り買いする結果として発生する時価(Price)に、当然ながら商品の提供元は関与できません。
ところで、仮にわたし(55歳)が
1億円の生命保険に入っていて、
わたしの保険契約そのものを
あなたは果たして6000万円で買いますか?
ちょっと微妙?
(おそらく、ですが)わたしはまだまだ長く生きる可能性が高いです。
では、
わたしが今年75歳ならどうでしょう?
7000万円なら買いますか?
少しほの暗い話になりますが、
「買い取る側」としては、
保険契約の売り手(わたし)の『精査』を行って、
たとえば、
〇 病歴や職歴や、過去10年分の健康診断の詳細情報
などのデータから、
『ワタシがあと何年くらい生きそうか・・』を数値化し、インフレ率も考慮し、
売買成立後の
買い手側の「保険料の負担(それがあるなら)」も加味して、
適正な【買い取り額】を算出するわけです。
わたしは今年スタートしたNISAを契機に、貯蓄する、投資するというお金のニーズの『大きな流れ』が、保険から有価証券に移行すると考えます。(これは物事の必然であると考えます。)
少し冷たく聞こえるかもしれませんが、
わたしは日本でも『ライフセトルメント』を導入することに賛成です。
〇 参照サイト
野村総合研究所 『生命保険流通市場とライフセトルメント投資』
1000万円の終身保険に加入しているAさんが長生きして93歳で死亡。妻90歳時に1000万円が入ってくるが(それは)果たして意味のあるお金なのか🤔
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) July 12, 2023
それより、金額は少なくなっても70歳とか75歳で終身保険を解約して2人が元気なうちに(Aさんも生きてる❗️)楽しく使ったほうがよほど意味があると思う☺️
カテゴリ:お金の摩訶不思議