投資信託コレクター症になっていませんか?
2023年12月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
突然ですが、
あなたは iPhoneユーザーでしょうか。
世界中で
iPhoneのアクティブユーザーは10億人以上いるそうです。
支持される理由も分かります。
このプロダクト1つあれば、
カメラ、録画、録音、電卓
時計、音楽再生、電子決済
電子書籍、通話(電話)家計簿
スケジュール手帳、地図、動画作成(受信)、(米国では)銀行預金も出来て、生活のあらゆるシーンに対応することが可能です。
翻って、
あなたは投資信託を12本以上持っていたりしませんか?
金融商品は
電子機器にくらべて
その効用が分かりにくいため、
ついつい「あれ」も「これ」も、
買い足してしまう傾向にあります。
最近では、
企業型の確定拠出年金や
iDeCoや、
NISAという口座もあり、
通常の課税口座以外で
複数の『投資窓口』を管理するのが当たり前になっています。
あっという間に「12本」になったりするわけです。
また、YouTubeをはじめとした
SNSによるコンテンツ発信の影響も大きいでしょう。
SNSでは
限られたスペース、限られた時間の中で
分かりやすく、
どちらかというと、
『単一の結論』に誘導する傾向があり、
たとえば、
A、B、Cという異なる投資スタイルにも、
それぞれ感じ入る長所があり、
それぞれに『納得できる点』を発見してしまい、結果、保有するファンド数が『過剰』になってしまう傾向があります。
投資家一般の心理として、
たくさんファンドを持っていたほうが『安心』。
という感覚は根強くあるのではないでしょうか。
事を「インデックスファンド」に絞っても、
米国株式、先進国株式、全世界株式、インド株式インデックスファンドというふうにファンドを複数持ちたい人はいます。
ホントは(投資対象が)重なるのですが。。
また、
米国株式(3本)、先進国株式(2本)、
全世界株式(2本)、インド株式(2本)というふうに、
同じ『投資対象』なのに2本、3本と複数保有する人もいます。
上述のiPhoneではないですが、
金融商品も時間とともに進化、洗練してきています。
考えてみますと、
昔は「全世界株式のインデックスファンド」なんてなかったので、
同じく、
昔は全世界の債券ファンドなど存在しなかったため、
各債券ファンドをせっせと組み合わせていたのです。
たとえば、です。
あなたが「楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)」を持ったり、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を保有したりすることは、
商品が1本じゃ心細いよ、
ということでは決してなく、
(iPhoneと同じように)
これひとつあればOK.
と捉えていただいてよいのです。
工業製品的にいえば、
『ひとつの製品』に詰め込んでいるわけですから。
また、
ことインデックスファンドに関しては、
保有ファンド数が12本にも15本にもなってしまうのは、あなたのせいばかりではありません。
この十数年、
インデックスファンドの『低コスト化』の波が幾度も発生してきたために、その都度よりコストが低いインデックスファンドに買い換えてきた結果、
保有ファンド本数が15本、17本になってしまった人をわたしはたくさん知っています。
もしも、です。
現状、
あなたがある種の「過剰感」を抱えていて、
『スッキリ自分の投資信託を整理したいなぁ・・』と心の中で思っていれば、新NISAがその『チャンス』となるでしょう。
この大きな枠の非課税制度を活用して、
多くの投資信託を、
こういうチャンスは滅多にあるものではありません。
上記は新NISAの意外な活用法のひとつと云えるでしょう。
カテゴリ:投資信託あれこれ