つみたて投資, ポートフォリオ運用

毎月のつみたて金額の中で『リ・バランス』しようとしていませんか?

2023年12月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

以下は特定口座、
イデコ、企業型DC、NISAを問わず言えることですが、

 

毎月のつみたて金額の中で
『リ・バランス』をしようとする人がけっこう多いです。

 

ココの意味
伝わっていますか?

 

 

 

 

 

仮に、あなたが毎月5万円で「つみたて投資」を行っているとしましょう。

 

 

毎月の『掛け金』の割合は?

 

日本株式 40%
先進国株式60% とします。

 

 

つまり?

つまりあなたは自身の『ポートフォリオ』を、

 

日本株式  40%
先進国株式 60%

 

と認識しているわけです。

 

 

それから時は流れ、あっという間に5年が経ちました。

 

頑張って「つみたて投資」を続けたあなたの資産は、なんと1000万円にまで増えています!

 

 

そして、資産の内訳を見ると、

日本株式に比べ
先進国株式の伸びが顕著であったためか、

1000万円の『内訳』は、

 

日本株式  29%
先進国株式 71%

 

に変化しています。

 

 

 

 

 

「ん?」とあなたは思いました。

 

 

「そうだ。
リ・バランスというものをしないと。
自分の投資の基本方針(守るべきポリシー)は、日本株式40%、先進国株式60%なのだから、そこに戻すために、来月から日本株式のつみたて割合をうんと高くしよう。
いや、しばらくは、日本株式のみを積み立てしようか。」

 

 

さて、あなたはどう思われますか?

 

 

お気持ちはすごく分かるのですよ。

上記、毎月のつみたての『配分割合』を変えることで、
1000万円の資産の内訳を元に戻そうという試みですね。

 

 

でも、です。

 

すでに資産の額が大きくなっているため、
毎月の『つみたての内訳』を変えても、
すぐにはもとの『資産の割合』には戻りません。

 

 

 

 

 

 

現状、1000万円の内訳は、

 

日本株式  290万円 29%
先進国株式 710万円 71%

になっていますから・・。

 

 

本来の「目標ポートフォリオ」は?

 

1000万円)

日本株式  400万円 40%
先進国株式 600万円 60% です。

 

・・日本株式は 110万円も足りません。

 

 

これから毎月5万円のつみたてを
10ヵ月続けてすべて日本株式に充てたとしても、
日本株式は「50万円」の上乗せに過ぎません。

(ほんらいの資産割合(40%)には届きません・・)

 

加えて、その10か月の間に、
日本株式も先進国株式も、その価格が変動しますから、

 

資産ベースで
日本株式 40%
先進国株式 60% に戻すのは(思っているよりも)困難で時間がかかる作業なのです。

 

 

 

 

 

結論から先に言えば、

ある程度のご資産額になれば、
(おおむね「500万円程度」)

『リ・バランス』に関しては、

⇒ 毎月のつみたての
 「配分割合」を変える必要はなく、

 

⇒ 積み上がった資産ベースで『一気に、一度に』ズレた割合を元に戻すリ・バランスをするべきと考えます。

 

 

「えっ、一気に、ですか?」

ハイ、そうです。

 

 

先ほどの例で云えば、先進国株式を資産ベースで「11%分」売って、戻ってきたお金で、日本株式を「11%分」買い増しするわけです。

 

「一度に?」

ハイ、そうです。

 

 

 

 

何となく不安に感じるかもしれませんが、
なにも大きなリスクを取って冒険をしに行くわけではありません。

 

ほんらいの姿、
あるべき『基本方針(資産配分)』に戻すだけです。

 

年に一度、月を決めて(できれば日にちも決めて)
「リ・バランス」を
誕生日や結婚記念日と同じように、1年1度の『イベント』と規定してあげましょう。

 

ちなみに、当クリニックのお客様の中には
年に一度の「リ・バランス」を心待ちにする人がおられます。

 

なぜなら、
大っぴらに
投資信託を「売って」「買って」を出来る日だからです。

 

追記)『安全資産』と『リスク資産』の「リ・バランス」も考え方はまったく同じですよ。

 

カテゴリ:つみたて投資, ポートフォリオ運用

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