健全なアクティブ投資があってはじめてインデックス投資が成り立ちます
2023年12月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
そもそも、
インデックス投資とアクティブ投資は「対立事項」ではありません。
健全なアクティブ投資があってはじめて、
健全なインデックス投資は成り立ちます。
誤解を恐れずに言うと、
『一現象』と云ってもよいのです。
ところで、
今日もだいぶ冷え込んでいますので、晩ご飯は『豚汁』にしませんか?
豚汁を作る際、たいていの人は、豚汁の具材や調理方法に注目します。
ところが、あなたはひたすら
煮込んでいる具材全体を見渡し、
灰汁(あく)を見つめています。
株価指数とは
その日一日の、
株式市場全体の『温度感』を、冷酷に算出する機械と云えます。
そこに上場するたくさんの企業たちです。
命を賭けて従業員と株主の利益を守り、
生き残るために優れた材、サービスの提供に励んでいる・・
そして、その企業価値を推し量って
健全な欲の塊である様々な投資家(個人・法人・アクティブファンド)が、毎日毎日、その会社の『価値』を値踏みし、
悩み抜いて売り買いし、
その結果、ひとつの会社の値段(株価)が決まるわけです。
ひとつの会社の「株価」算出は、
市場参加者による、その日時点での『総意』であり、
毎日毎日ひしめきあう、数多の具材たち。
彼ら・彼女らこそが市場の「主人公」ではないでしょうか?
ベクトルは、いつも「左」から「右」です。
マーケットの躍動感、そして
ダイナミズムを形成するのは、
これから上場する株式たちと、
それを鷹の眼で射ようとする(=少しでも利益を上げようとする)アクティブ投資家たちの行動そのものなのです。
わたしは旗を挙げ、声を大にして「アクティブ投資がんばれ!」と叫びたいのです。
先日「こちら」の記事で、
米国ではアクティブETFのシェアが徐々に増していると記しました。
またほんらい、生成AIは『資産運用業』と相性がよいはずで、特に超過リターンを生み出す銘柄の発掘、取捨選択において、
AIのチカラを上手く活用し、結果、高コスト体質だった「アクティブ投資」を刷新する可能性があると考えます。
上記はこれまでの固定観念に過ぎません。
私たちインデックス投資家は、
今日も市場に立ち向かい、
果敢に個々の企業の価値を値踏みし、
思い悩みながら、数多の売買を実行してくれる、
数多の個人・法人・アクティブファンドなどのアクティブ投資家に、「ありがとうございます。」と礼を言うべきではないでしょうか。
万が一、市場の中で
インデックス投資家が圧倒的多数派になれば、
マーケットの健全な価値生成機能は、損なわれてしまうことになるでしょう。
カテゴリ:インデックス投資全般