8資産均等型ファンドはリタイア時の『上がり』の道具になり得る?
2023年11月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」をはじめとした、8資産均等型ファンドは、
みな同じくらい、信じていない。
という『特徴』を持っています。
俗にバランス型ファンドは『初心者向け』のツールと解されますが、それはちょっと舌足らずではないでしょうか。
バランス型ファンド、
特に『8資産均等型』は
これからリタイアを迎える人の、
わたしが長年お付き合いがある友田さん(仮名)を
「具体例」として挙げてみましょう。
友田さんは
個別株、投資信託、外国債券、ワンルームマンションなど、
20年前は実にさまざまな形態の資産をお持ちでした。
不定期に面談を重ねる中で、
ETFを中心としたポートフォリオに組み替えられ、その後リタイアメントを機に、8資産均等型の投資信託と、
預貯金+個人向け国債変動10年という、
超シンプルなご資産体制に移行されました。
リタイア後、『資産を取り崩す生活』が始まったわけですが、
リスク資産は8資産均等の投資信託のみとなり、
「取り崩しがほんとうに楽。」
とおっしゃっています。
ところで、上記ポートフォリオ、
友田さんは毎年1月に、
トータル資産(預貯金等+投資信託)の 3.5% を、
その年の「生活費充当」のために取り崩しています。
正確にいえば、
毎年1月に、
ずれた『資産配分』がおおよそ
に戻るよう、
トータル資産からの
資産の取り崩しを行っているのです。
加えて7月には、取り崩しを伴わない、純粋なリ・バランスのみを実施しています。
毎年1月に年1回「取り崩し」というスケジュールです。
老後の生活に入る人にとって大切なのは
より高いリターンを実現することではなく、
適切なリスクの管理法を実践することです。
金融市場の変わり様は「不規則」であり、
どの国・地域の
どの資産が(来年)有利になるかは分からない。
この、ゼロベースでの『無知の知』を自覚し、
自分の感情、自身の予測の触発によって
特定の「投資対象」を買い増したり、解約したりすることがないよう、
どうでしょう?
上記資産配分を見れば、
どの投資対象にも味方していない。
と実感しませんか。
一見単純そうに見えて、
高度な良識を要する戦略だとわたしは思います。
最後に、数多の投資スタイルを試されてきて、
最終「バランスファンド」に辿り着くことを
当クリニックでは『ブーメラン現象』と呼んでいます。
カテゴリ:バランスファンド, リタイアメント・資産の取り崩し