NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

ノブ子さんはiDeCo重視、ヨシ子さんはNISA重視

2023年11月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたもわたしも、
「投資」に回せるお金には限りがあるため、

 

iDeCo(イデコ)を優先すべき?
それともNISAを優先すべきかな?

 

と悩んでしまいます。

 

 

それは双子の姉妹、

「ノブ子さん」と「ヨシ子さん」も同様です。

 

 

 

 

ところで、
iDeCoとNISAの『共通項』は?

双方、
投資信託をコツコツ積み立てます。

(そして)どちらも長期運用です。

 

しかし、
ふたつの制度は
そのキャラ(特性)が大きく異なります。

 

 

先日、お客様から
以下のような【ご質問】をいただきました。

 

「iDeCoに月2.3万円より
iDeCoをたとえば月1万円に減額して、
非課税の枠が拡大したNISAに優先してお金を入れたほうがよくないですか?」

 

 

ハイ、

基本的に(それは)YES でしょう。

 

それほど
NISAの生涯投資枠『1800万円』は魅力的であります。

 

 

 

 

しかし、

『まずはiDeCoへの満額投資を。』

を優先させたほうがよい人もいます。

 

たとえば双子の姉妹
「ノブ子さん」です。

 

 

 

左側がノブ子さん。

 

ノブ子さんはヨシ子さんに比べると、
ファンド価格の変動に『敏感』です。

正直、今でも
毎年毎年のリターンが不規則な投資に、慣れていません。

 

 

ノブ子さんが投資を続けられているのは、

iDeCoにおいて
毎年「所得控除」という『ご褒美』があるため。

 

 

 

 

 

マーケットが荒れても、
ファンド価格が急落しても、

節税効果が(iDeCoで)毎年あるため
「頑張って積立投資を続けよう!」と思っていられるのです。

 

 

ノブ子さんにとってNISAは
「ついでに」やっている感覚です。

 

 

 

ノブ子さんの目線でNISAを見ると、

 

「長い投資の途上で何の「ご褒美」もないんだ。
なんだか茨(いばら)の道だな。」

 

と思ってしまいます。

 

演歌の花道ではないですが、

「苦節○○年、
ひとつの歌を、耐えて耐えてここまで歌い紡いでまいりました・・」

 

 

 

 

みたいな印象を持ってしまうのです。

 

 

NISAで大きな利益が積み上がるまでには
とてつもなく『長い時間』がかかり、

100の行程で云えば、

95くらいまでは、
課税口座による投資と「1ミリ」も変わりがありません。

 

 

またノブ子さんにとっては、

 

『60歳になるまでお金が出せない』というiDeCoのデメリットも、長所に映ります。

 

なぜならノブ子さんは、

『60歳になるまでお金が出せない』
という「制約」があったほうが、

 

規律をもって
ラクに長期投資がしやすくなるためです。

 

 

 

 

 

あれ?

 

ちょっと右前方をご覧ください。

 

ヨシ子さんが駆け込んできました。

 

 

 

       右側がヨシ子さん。

 

「ヨシ子さん」の口撃が始まるみたいですよ。

 

 

「わたしは投資のリスクは100も承知。
大きなアップも、
大きなダウンも不規則に起こるし、

NISAのメリットを最大化するために、

もう思考停止して、
長い期間、気まぐれな株式市場と付き合っていく覚悟は出来てるわ。」

 

 

「わたしがNISAで好きなのは

iDeCoと違って、
いつでもお金を引き出せる「自由」があるところ。

わたしは自由の中で
自分らしさを発揮できるタイプなの。」

 

 

 

 

 

「もちろん、
自由と責任は表裏一体よ。

自己責任のもと、
1800万円(生涯投資枠)を
いったいどれだけ増やせるのかって、

なんだか投資家のロマンチシズムを感じない?」

 

 

まあ、iDeCoは所得控除もあるし、
「ついでに」やってる感じ。

 

 

 

 

 

さて、

あなたは「ノブ子さん」タイプですか、

それとも「ヨシ子さん」タイプですか?

 

 

 

     iDeCo      NISA
キャラ(特性)     制約・規則型     自由・奔放型
掛金枠       少       多
選べる商品数       少       多
お金を引き出せるまで    (期間)長い  (期間)短くも長くもできる
投資の途中    メリットあり(所得控除)     メリットなし
出口到達時    メリットあるかも?     メリットあり(非課税)

 

 

次に、
出口(資産の取り崩し時)に注目してみましょう。

 

NISAの真のメリットは、
将来、売却益に対する「税率」がどのように変化しても、「利益」に対して非課税が約束されている点です。

(より長く、より大きく増やせれば、それだけNISAのメリットは膨らむことになります)

 

 

いっぽう「出口」における
iDeCoの『不安』は?

 

ズバリ、若いiDeCo加入者は、
今と同じボリュームの
「退職所得控除」や「公的年金等控除」は、
自身がiDeCo資産を『受け取る時』に存在するとは思えない点でしょう。

 

長期的に各種「控除」の縮小は避けられそうにありません。

 

 

 

 

 

iDeCoは年金制度ですから、受取額そのものが課税対象である点は抑えておく必要があります。

(控除の大きさが小さくなれば、
それだけ課税対象の資産額が増えることになります。)

 

ざっくり申し上げれば・・、

 

iDeCo(イデコ)
行きは良い良い

終わりは(ちょっと)怖い。

NISAは・・
行きはつらいよー、

(でも)終わりは良い良い。

 

なのです。

 

カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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