インデックス投資全般, 投資家の感情リスク

インデックス投資家は『思考停止』している?

2023年11月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

俳優の綾野剛さんが
そろそろ似合うのではないかと思うのが「探偵の役」です。

ブリムハットを被った綾野さんが
夜の六本木の裏道で、
こんなセリフを吐くのです。

 

『真実なんて、退屈なものさ。』

 

 

資産形成という行いも
まさに
『退屈そのもの』です。

 

 

 

 

特に面白くもなければ、
ドラマ性もない。

マーケットが急変しない限り、
別段なんの変化もありません。

 

少し大括りに云えば、
世の中の営みの大半が
淡々とした『退屈』の積み重ねではないでしょうか。

 

最近、X(旧ツイッター)界隈では、

 

インデックス投資って思考停止じゃね?

 

と揶揄する言葉が話題になったりしました。

 

『思考停止』

 

 

たしかにそうです。

これは多くのインデックス投資家が至る
「着地点」なのかもしれません。

 

最初は誰しも
「面白み」や「ワクワク」や
ドラマティックなものを『投資』に求めるわけです。

 

さまざまな「予想」や、
大胆な展開を「妄想」しては独りニヤリとするような経験を、投資家のあなたなら、一度や二度はしたことがあるはず。

 

わたしはあります(^^)

 

 

 

 

 

どうしてインデックス投資家は
結果として『思考停止』に至りやすいかというと、

現実の24時間と
折り合いを付けるようになるからです。

 

 

 

 

あられさん@の上記ツイートは、

 

リアル(今日という24時間)と、
未来(のための行動)を、

 

しっかり分けて捉えているのです。

 

 

ほんとうは
投資という行いは、
『未来のための行動』なのですね。

 

たしかに
ファンドを買付けるという作業は
「今」行うわけですが、

 

それは
今のあなたの生活には、
なんら影響を及ぼしません。

 

 

 

今日、明日という大事な暮らしがあるのに、
その充実を犠牲にして、

仕事から帰ってきて、
アナリストのレポートを3本読んで、
保有する投資信託の『売り時』を熟考することに、どれほどの価値があるでしょうか?

 

という自問を、

わざわざ自問しなくても、
自然に分かっておられるのが
あられさん@ではないでしょうか?

 

 

 

 

 

例えば、です。

 

投資を始めて2年、3年が経って、

「やべえー
これ(資産形成)ってもしかすると、

99%くらい、
何にもしないでじーとしているって事じゃねえの。」

 

ということに気付くあなたは、

マーケットというところの本質を
早くも理解した、

ということになるのでは。

 

 

『マーケットの本質』とは?

 

自分ではコントロール出来ないことがほとんどであり、
その様相は
「他人が行う演技」である。

 

 

 

翻って、


マーケットの本質を、
「自分が行う演技」であると思っているうちは、

 

きょろきょろと
周りを見回し、
いろいろな情報も仕入れて、

あっちにも
そっちにも、
動いてみよう(行動しよう)としてしまいがちなのです。

 

上記はまさに、自負心の高揚であります。

自分が
「マーケットの短期的な動向を読めるかもしれない」と自惚れてしまうのです。

 

 

先ほど『思考停止』ということばが出ましたが、

 

『思考』する という行為の中には

 

相手(マーケット)
自分と対峙する 物体 と捉えて、

それに深入りし、ねじ込もうとする姿がどこか想起されないでしょうか。

 

 

 

 

鍛錬された「インデックス投資家」は、


マーケット(市場)と自分が
同じ「土俵」に上っているなんて、ゆめゆめ思っていないでしょう。

 

マーケットの本質は
『他人の演技』なのですから・・。

 

 

そもそも自分でコントロール出来ないですし、
ましてその動きを予測もできないですし、

動きそのものに「不条理さ」が含まれると感じますし、

 

何より賢明な投資家は
マーケット(市場)を『社会の縮図』と捉えています。

 

 

 

 

 

ですので、
短期的な、細かい視座に立つほど、
「分からない」ということのみが『分かる』と合点します。

 

逆に、長く、全体的な傾向のみが、
時間をかけて『分かってくるのでは』と感じているのではないでしょうか。

 

『思考停止』大いにけっこう。

 

それは、
熟考のすえ、『思考停止』すると決めた思考のことなのです。

 

カテゴリ:インデックス投資全般, 投資家の感情リスク

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