NISA活用法

10年かかって『新NISA』に辿り着いた金融施策は評価しますが、でも、本当にもう二度と制度変更がないようよろしくお願いします

2023年11月2日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

先に『結論』から。

決して少なくない非課税枠と、
非課税期間を無期限化した『新NISA』は素晴らしい制度だと思います。

 

が、

振り返ってみますと、
ここに辿り着くまでに
ちょうど10年かかっています。

 

少し辛口になりますが、

 

度重なる
NISA(少額投資非課税制度)の政策変更で、
個人投資家が翻弄された部分も、決して少なくはありません。

 

 

あるいは、

度重なる
NISA政策の変更で、

銀行、証券会社をはじめとした金融機関は
多大なシステム投資を強いられました。

 

 

 

 

 

いわば、
幾度かの失敗と
小出し小出しの政策運営の反省をもとに、

来年から『新NISA』が始まることを
私たちは忘れるべきではないでしょう。

 

 

そもそも、ですが、

 

どうして2014年に『一般NISA』は
誕生したのでしょうか?

 

それは
2013年末で、
株式・投資信託等の譲渡所得に対する
「軽減税率制度」が終了したからです。

 

(およそ10%の税率だったものが、
2014年からおよそ20%の税率(元の税率)に戻されたのです)

 

この負のインパクトを軽減するため、
『一般NISA』(少額投資非課税制度)はスタートしました。

 

 

 

 

NISAは建前上、
長期の資産形成をサポートするものでしたが、

実態は、
NISA口座開設者の半数以上が60代以上に偏り、

長期でコツコツ資産を積み上げるものではなく、
単なる非課税の制度となってしまいました。

 

 

 

 

 

理由は?

 

非課税期間が『5年間』のみであったため。
あらゆるタイプの金融商品を対象にしたため。

 

 

2016年に始まった『ジュニアNISA』は、
そのアイデアは斬新でしたが、

同じく『5年間』の非課税期間であり、
「長期の」視点が欠けていました。

 

 

 

ようやく2018年に、
これまでの反省も踏まえて
『つみたてNISA』がスタートします。

 

年間投資限度額40万円
非課税期間20年は

個人の資産形成を後押しするという意味では
やはり『前進』でした。

 

そして、対象の金融商品を
長期・分散・積立というコンセプトに合致するものに絞り込んだことも大きいです。

 

 

 

 

冒頭、
『新NISA』到達までに
10年の月日が流れたと記しました。

 

投資のアンテナを張り、
制度の改良があると信じて、

2014年から
「一般NISA」で積立投資を続けてきた人を、
私は仕事柄たくさん知っています。

 

同様に一大決心をして
2018年から「つみたてNISA」を続けている人を、
私はそれ以上にたくさん知っています。

 

 

皮肉なことですが、

 

『NISA制度』に早くから関心を寄せ、
そして果敢に当該制度を利用してきた人ほど、
(来年から始まる『新NISA』に向け、)
自身の投資の「大きな修正」を迫られるわけです。

 

 

 

 

 

特に「つみたてNISA」については、
20年という長い非課税期間を前提に積立投資を始めたのに、

「つみたてNISA」が
積立でなくなってしまう痛手は大きいです。

これは、
個人投資家の、
気持ちの 痛手 です。

 

 

わたしは一投資家として本日、
次のように呟きました。

 

 

 

『NISA制度』を統括する金融庁におかれましては、
個人投資家に修正を強いるという事実を深く受け止めていただき、

この『新NISA制度』を正に推進していくとともに、
中期的には更なる改良を推し進めていただきますよう、お願い致します。

 

 

 

大きくは2点です。

 

〇 生涯投資枠の更なる引き上げ
〇 未成年者への新NISA制度の解放

 

 

そして、

本当にもう二度と
『制度』が変わることがないよう、
何卒よろしくお願い申し上げます。

 

カテゴリ:NISA活用法

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