NISA活用法, 金融機関にモノ申す

『新NISA』の普及でファンド運用会社のお尻に火が付く?

2023年10月30日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

来年(2024年)になれば、
世の中に『新NISA』がゆっくり浸透し始めます。

 

投資信託のちょっとした基本情報の中でも、

NISA

というタブが貼られて、

 

このファンドは
NISA適格です、
NISAで購入可です を

 

運用会社自身がアピールするようになるでしょう。

 

 

 

 

 

そして5年、10年ののちには、

 

『NISA』で買える投資信託でないと、
さっぱりお金が集まらない・・。

 

という事態になるとわたしは予想します。

 

それほど、
この制度のインパクトは大きいのです。

 

 

投資信託協会というところが、
公募の投資信託の最新情報として、

今、ファンド(ETF含む)は6000本近くあります。と公表していますが、

 

そこそこ月日はかかっても、川の流れが岩肌をゆっくり削るように、

 

いつか『NISA』で買える投資信託が、
日本の全投資信託の残高の相当部分を占めるようになると思います。

 

 

 

 

 

そして、
先日見つけたウエルスアドバイザーの記事も、
示唆に富んだものでした。

 

 

 

 

 

リストアップされた国内籍の投資信託1,682本のうち、

 

2023年9月末時点で運用している1,672本を対象に集計した。

 

先ずアクティブ、パッシブ別の本数の比率を見ると、

 

アクティブ73.9%(1,236本)、パッシブ26.1%(436本)となった。

 

 

上記が意図しているのは、
新NISAの『成長投資枠』の対象商品のリストアップです。

(計1682本の投資信託。10月2日現在。投資信託協会発表)

 

 

『成長投資枠』とは?
成長投資枠でしか買えないファンドと、
つみたて投資枠でも買えるファンドを合わせたものです。

 

 

したがって、
当然、
アクティブファンドのほうが本数が多くなるわけです。

 

現状、ほとんどのアクティブファンドは、
新NISAにおいて、

「つみたて投資枠」では買えず、
「成長投資枠」のみで買える状況にあるためです。

 

 

さて、
この『成長投資枠』対象の商品リストを、

当該記事は、
運用会社別で比較しています。

再び引用してみましょう。

 

 

また、本数を運用会社別に見ると、

 


トップは三菱UFJアセットマネジメントで157本。

 

うちパッシブファンドの本数は

 

「eMAXISシリーズ」など94本で約6割(59.9%)に達し、

 

本数上位10社の中でパッシブの比率が最も高くなった。

 

 

本数上位10社の中では、三井住友トラスト・アセットマネジメント、

 

SBIアセットマネジメントもパッシブ比率が高く、順に49.1%、45.5%と約半分を占めている。

 

 

上記、
なかなか興味深い「概念」の提示だと思います。

 

 

 

 

 

 

〇 新NISA対象の投資信託が
各運用会社ごとでそれぞれ何本あるのか?

 

〇 そして
その本数から見た『パッシブ比率』が

 

―すなわち、NISA対象ファンドのうち、
インデックスファンドの本数の比率が―

 

どの程度なのか?を算出しているわけです。

 

 

ここから一歩進んで、

来年中には、

 

『NISA購入可ファンドの比率』を出していただきたい。

 

 

すなわち、
各運用会社ごとで、
運用されている全てのファンドのうち、NISA口座で購入可能なファンドの比率を公表するというもの。

 

この『比率』を見れば、
各運用会社が
どれほどNISAに注力しているか否かが一目瞭然です。

 

 

 

 

また、さらに深掘りすれば、
(10年後の時間スパンでみれば)

各運用会社で
運用されている「全てのファンド」のうち、

NISA口座で購入可能なファンドの『時価総額』の比率のもぜひ公表して欲しい。

 

 

冒頭、

 

月日はかかるでしょうが
『NISA』で買える投資信託が、
日本の全投資信託の残高の相当部分を占めるようになる。

 

と述べました。

 

投資信託の運用会社の
熾烈な【生き残り競争】はすでに始まっており、

(証券会社の再編と同様)
運用会社の合併・再編も避けられないと考えます。

 

 

その理由はシンプルです。

 

あなたが今考えている、

『特定口座内のファンドを売って、新NISAに乗り換える』という行動が少しずつ伝播するためです。

 

 

時間をかけながら、

NISAに採用されていないファンドの純資産額はじりじりと下がり、
そのうちの一部は繰り上げ償還の憂き目に遭うかもしれません。


繰り返しですが、NISAに採用されていない投資信託は
(やがて)投資家に見向きされなくなってしまうのです。

 

 

 

 

 

『新NISA』という制度がきっかけとなって、

運用会社はそのサービス提供において
さらに「高み」を目指さざるを得ないわけです。

 

「わが社のファンドが、
個人投資家にどれだけ長く保有され続けているのか、
我が社のファンドのインベスターリターンをご覧いただければ分かります。」

 

「我が社の全ファンドの
平均「運用管理費用」は年0.71%であり、
これは業界平均よりも0.4%も低い数字となっています。」

など、

あの手この手で自社のアピールもするようになることでしょう。

 

 

『健全な競争』だけが
「サービスの質の向上」を促します。

これも新NISAの副次効果なのです。

 

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