投資の発想法

マンションという資産はこれから初代の寿命を迎えます

2023年10月2日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

結論から言いますと、

 

マンションという資産は、
あなたの『人生時間』に合わせて
渡り歩いていく(買い換えていく)という「発想」を持ったほうが良さそうです。

 

 

これからマンションを購入される人も、
すでにマンションを保有する人も、肝に銘じておきましょう。

 

日本において、
マンションという住宅形態は「新しい」ものです。

 

現在のマンション総戸数は約685.9万戸(2021年末時点)

 

 

全世帯の1割強が
マンションに住んでいると云われます。

 

特に都市部にマンション(共同住宅)は集中しています。

 

 

ところで、こちらのマンションは?

港区青山の「秀和青南レジデンス」です。

 

 

 

 

 

このマンションは
昭和43年(1968年)生まれ。
わたしと同じ「55歳」です。

 

日本で本格的にマンションが建ち出したのが昭和50年代であり、

(今年は昭和98年なので、)
今まさに『築40年以上』のマンションが激増中です。

 

 

朝日新聞のこちらの記事から拾ってみます。

 

国土交通省の調査によると、
築40年超の分譲マンションは2021年末で116万戸あり、
10年後には倍の249万戸が見込まれる。

 

 

築40年超では、世帯主が70歳以上の割合は48%。

 

所有者の所在が不明だったり、所有者に連絡がとれなかったりして、空き室が10%超のケースもあるという。

(太字はカンによる)

 

 

当然のことではありますが、

古いマンションになればなるほど、
所有者も年配の人が多くなる。

この認識は重要でしょう。

 

 

今後も「新築マンション」が継続的に供給されるといっても、すべての新築マンションは1年経てば『中古マンション』になるわけですから、

 

これから劇的に
マンションの『建て替え』が進まない限り、

 

マンションの全戸数に占める
『中古マンションの比率』はどんどん増していくことになります。

 

 

冒頭の「秀和青南レジデンス」(1968年築)を起点にすれば、

あと30年もすれば、
(建て替えが円滑に進まない限り、)

文字通り「朽ちていくマンション」が続出する可能性があります。

 

 

 

 

ところで、

これまでいったい何例ぐらい、
マンションの『建て替え事例』はあるのでしょうか?

 

国土交通省の資料(PDF)、
「マンション建替え等の実施状況」(2023年4月1日時点/2023年8月10日更新)

を見てみましょう。

 

 

 

画像元:国土交通省

 

日本全国でこれまで
マンションの建て替えは累計で282件しかありません。

(少ないと思いませんか?)

 

しかも、
資料にもある通り、
「マンション建替え円滑法」による建替えが増えているのが現状です。

 

同法は、
耐震性不足に該当するマンションを念頭に、

所定の条件を満たした場合に
(建て替え時に)容積率制限を緩和してくれる法律です。

 

 

逆に、
「マンション建替え円滑法」によらない建て替えは、累計で168件に過ぎません。

 

 

 

 

いかにマンション『建て替え』のハードルが高いかが分かります。

 

 

この状況を打開するため、
『区分所有法』の改正が論議され、

 

今のところ、
建て替え決議に所有者の5分の4の賛成が必要とされる規定について、これを4分の3に改める方向となっています。

 

 

が、しかし、

わたしは(たとえ)『2分の1の賛成で建て替えOK』という法律になったとしても、建て替えの促進は難しいと考えます。

 

 

 

 

 

なぜなら、

古いマンションになればなるほど、
所有者も年配の人が多くなる。

 

ためです。

 

 

仮に今、築48年のマンションがあるとしましょう。

 

同マンション所有者の平均年齢が「77歳」とします。

 

・それなりの資産をお持ちの人もいれば、
・年金生活者で余力がそれほどないという人もおられるでしょう。

 

前者は
建て替えに関心を示されるかもしれません。


しかし後者は、
自分が亡くなるまで無事住み続けられればよいと感じるかもしれません。

 

 

 

 

 

また、
資産の多寡は別として、

 

・子どもにマンション資産を遺したいという人は建て替えに興味を示すかもしれません。

 

 

しかし、

 

・シングルの人は
自身が住んで最期、円滑にマンション資産を処分できればよいと思うのではないでしょうか。

 

 

 

上述の朝日新聞の記事で、

 

所有者の所在が不明だったり、所有者に連絡がとれなかったりして、空き室が10%超のケースもあるという。

 

という部分に触れましたが、

 

築48年にもなれば、

相続で『代替わり』が起こり、所有者が居住していなかったり、所有者が認知症になっていたり、長期入院しているケースも考えられます。

 

 

マンション =『共同住宅』であります。

 

何十人という、
生き方、価値観、経済的状況等が異なる人たちが、

「専有部分」「共用部分」(共有持分権)
そして「敷地権」(共有持分権)を合わせた、

マンションの所有権と呼ばれるものを有しているわけです。

 


意見集約が難しくて当たり前です。

 

 

 

 

 

建て替え=『二代目マンション』とするハードルは相当高いものになるでしょう。

 

 

日本では未だ、
ほとんどすべてのマンションが『初代』なのです。

 

わたしはそう遠くない未来、

所有者の意見集約が出来ないまま、
また、修繕積立金のお金も尽きてしまった、

築60年、70年のマンションが
日本全国で増えていくような気がしてなりません。

 

マンションは
複数回『買い換える』ことを前提に、
所有すべき資産とわたしは考えます。

 

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