『オルカン』で定率払い出しコースを作って欲しい
2023年9月30日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「あぁ、資産の取り崩しはむずかしい。」
上記は私のことばではなく、
複数のお客様の「声」です。
何しろこれまで資産を増やすことに邁進してきた人が、
一定の年齢に達するとともに、
急に投資信託を解約し、
お金を『使う』ほうに頑張る?なんて、
「もう、正気の沙汰じゃない。」
と嘆くお客様もおられました。
それだけ『取り崩し』は一筋縄ではいかないのです。
ところで、
投資信託から「お金」をもらう方法はさまざまです。
毎月の「分配金」コースを設けているファンドは多数あります。
(※上記は運用会社が金額ベースで「分配金」を決定します)
あるいは、
自分で投資信託を「部分解約」する手もあります。
また、
SBI証券や楽天証券で実装している
「投資信託・定期売却サービス」もありますね。
自身の感情リスクを発露させず、
なるだけ「取り崩し」を自動化させるという意味では、
「投資信託・定期売却サービス」がもっともストレスがかからない、ファンドからの「お金」の受け取り方といえるでしょう。
例えばeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をSBI証券や楽天証券で保有していれば、この定期売却サービスが使えます。
それでも、
自身で「投資信託・定期売却サービス」の画面に行き、
自分で取り崩し金額、
または取り崩しの%(パーセント)を指定する必要があります。
(ところで、)
それは、
商品を持ち続けるだけで、
自動的にインカム(定期収入)を獲得できるからです。
投資信託でも、それが出来るはず。
いえ、金額ベースの『分配金』ではありません。
『定率の分配金』という概念です。
繰上げ償還が決まってしまったのですが、
「SBI地方創生・世界高配当株式ファンド(為替ヘッジあり)」というファンドがあります。
当該ファンドそのものは、
わたしはまったくお勧めしません。
しかし、
当該ファンドが
『定率の分配金』という概念を実装している点に注目しました。
画像元:SBIアセットマネジメント
そう、
投資信託という「商品」そのものに、
3%や5%といった『定率分配金』が付属しているのです。
画像元:SBIアセットマネジメント
当該ファンドでは
「毎月・定率分配金」という仕組みですが、
わたしは
「年1回・定率分配金」でよいと思います。
投資家にとって、
これほどシンプルで抵抗感の少ない
資産の取り崩し法もないでしょう。
たとえば、ですが、
『オルカン』-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)― で
3%定率「払出し」コース、
4%定率「払出し」コースを作って欲しいというのは大胆なお願いでしょうか?
『オルカン』は
ファミリーファンド方式で運用を行っているため、
定率の分配金(年1回)を払い出すコースは「サブファンド」として複数組成可能であるはずです。
ただし、
『分配方針』として謳っている
分配金額の決定にあたっては、信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針とします。
の部分は変更が必要でしょう。
※引用部分はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)「月報」より。
もちろん、毎年「定率」による分配金を算出し、現金部分を準備するという手間がかかるため「払い出しコース」では(現在のオルカンより)運用管理費用を高めにします。
ポイントは、健全なる潜在需要がある。という点です。
日本の高齢化率と、その進展度合いは、世界に類を見ません。
人が長く生きるという現実は、
より長く運用を続けるということでもあります。
投資信託という商品自体が
定率で規則的な分配機能を持つことは、投資人生の後半部分(取り崩し期)のニーズに応えていくことに他なりません。
最後に、
投資信託の『分配金』と
投資信託の『部分解約』の比較と整理です。
ファンドの「口数」が減ります。
ファンドの「口数」は変わりません。
つまり、ファンド資産の「欠けるところ」が違うだけで、保有するファンド資産が、解約した分だけ、分配金をもらった分だけ「減りますよ」という点では同じなのです。
(部分解約する際に、信託財産留保額がかからないという前提付きです)
『オルカン』4%定率「払出し」コース、ニーズがあると思いますよ。
カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し