投資の発想法

パートナーにも投資を始めてもらう方法

2023年9月28日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

標題に、
『パートナーにも投資を始めてもらう方法』と書きましたが、これは簡単なことではありません。

 

自分が興味、関心がないことに
「興味」を抱いてもらうためには、
高めのハードルを越える必要がありますから。

 

 

一方は投資をしている。
もういっぽうは全然興味なし。

 

という事実は、

 

一方は登山をしている。
もういっぽうは全然興味なし。

 

とまったく同じ構図であり、

世間的にはよくあることです。

 

 

 

 

 

ところが、です。

あなた自身は『投資』に習熟しており、
『投資』を行うことのメリットをいくつも身に染みて知っているため、

 

『パートナーにも分かってもらえるはずだ!』とか、『パートナーにもぜひ始めてもらわないと!』と、気持ちが前のめりになってしまいがちです。

 

これは禁物。

 

 

また、
投資とはお金を増やす具体的な方法論のことですが、あなたは、

 

『パートナーも投資をしてくれれば、家庭全体でお金の増え方がぜんぜん違ってくるのに・・』という、ほのかな願望を胸に、
パートナーに対して話を展開しがちになります。

 

これも禁物。

 

 

 

 

 

『あなた目線』で
パートナーに話を持ちかけること自体、残念ながらNGなのです。

 

あなたはすでに『積立投資』を実践していますが、
そんなことは(パートナーには)知ったこっちゃないよ。

という事実をわきまえるべきでしょう。

 

冷めた言い方で恐縮ですが、
パートナーはまったく違う景色を見ています。

具体的には以下『2パターン』が考えられます。

 

 

1.イメージが全く湧かないほど、
投資に興味・関心がない

 

何も珍しいことではありません。

 

ちょうどあなたが
ベンガル湾における回遊魚の実態に、
まったく興味・関心がないのと同じことです。

 

 

2.投資にネガティブなイメージを抱いている

 

これもきわめて普通のことでしょう。

 

投資に対して・・

 

・危なそう
・わたしが近づくものではない
・自分のお金がマイナスになるのは嫌だ
・額に汗しないのにお金が増えるなんて怪しい・・など、

 

 

 

 

 

かつてあなたが投資に対して抱いていた印象を、たまたまパートナーも抱いているだけなのです。

 

まずは『あなた目線』をゴミ箱に捨てましょう。

 

あなた自身を『客観化』しつつ、
あくまで『パートナー目線』に徹するのです。

 

 

興味がないことに、
興味を持ってもらおうとしているわけですから、
その取り組みは『中期的』であるべき。

ズバリ言うと
数年~5年くらいの時間スパンを持つ必要があります。← ホントです!

 

 

パートナーの気持ちに寄り添い、

・すぐに分かってもらおうとせず、
・ごり押しをせず、
・(そして)慌てない姿勢が必要。

 

 

まずは【第一段階】
投資の話をただ短くする。

 

これは登山好きなあなたが
高尾山に登ってきて、

「今日はさ、天気が良くて涼しい風も吹いてて、
鳥の鳴き声が清らかで、ホント気持ちよかったよ」と、

プチ報告するような感じで喋るのと同じこと。

 

 

 

 

 

あなた自身が(たまに)
「つみたて投資」についての話を、

「昨日はさ、急に価格が下がっちゃったよ」とか、

「ヘンな話だけど、円安に振れると、なぜかファンドの価格が上がるんだ。」みたいに、

 

何気なく
何かの話の「ついで」に、
ぼそぼそと呟くのです。

2分、3分くらい。

 

たとえほとんど聞いていないと分かっていても、ぼそぼそ呟くのです。

 

ただし、
くれぐれも熱心に話し過ぎないように。

 

 

そして【第二段階】
晩ご飯のあとの
ちょっとした時間に
(何かの話の「ついで」に、)
あなたの運用の『報告』をする。

 

上記は半年に1回くらいで十分でしょう。これも2、3分くらい。

 

 

ただし報告といっても、
「ざっくり」「おおまか」な感じで。

たとえば、

 

「この6ヶ月は○○万円のマイナスになっちゃった。
やっぱり物価高が進み過ぎると、株式もなかなか上がんないみたい。」とか、
「急に円高に振れると、〇%くらいすぐにマイナスになるみたい。」


などと呟きましょう。

 

 

 

 

 

利益が発生していた6ヶ月間については?

こちらもさらりと、

 

「なんかさ、12万円くらいプラスになってたみたい。」と呟くのです。

 

 

 

この『プチ運用報告』を、
たとえ相手がほとんど聞いていないような素振りでも、根気強く・続けることが大事です。

 

そしてもし、万が一にも、

あなたが積み立てている投資信託や、つみたて投資の仕組みについて何か聞かれたら、簡潔に答えましょう。

(※ 決して熱く語ったりしないように!)

 

 

パートナーは
あなたの『日常』を知っていますから、

 

投資をしているのに
別に忙しそうにはしていない、
根を詰めている様子もない。ということに気づくはずです。

 

つまり、放ったらかし投資の実態は
あなたの毎日の過ごし方で自然と理解されるわけです。

 

とにかく慌てないこと・・。

 

 

(投資に限らず、)新しいことを始める際に重要なのは、

 

(他者に)説得されて始めるのではなく、
(自分が)納得して始めること。

 

そのほうが結局、長続きしやすくなります。

 

 

 

 

 

たまに、

「ほんとシンプルなのよ。長ーい目で見て分散するだけ」
「ほぼ仕組みに任せているよ」
「ズボラなわたしでも、出来てるくらいなんだから・・」

みたいな台詞を吐くことは有効でしょう。

 

そして
パートナーが『その気』になってきたら、

「500円、1000円から積み立てできるから、とりあえず、口座開いてみる?」と聞いてみましょう。

 

 

なかなか埒が明かない場合の対処法。

 

『イデコ』から攻める手法が有効でしょう。

 

私的年金制度などという難しい説明は決してせずに、「節税になるしくみがあるんだ。」と呟いてみるのです。

ふるさと納税に興味がある、やったことがあるパートナーなら、期待度「大」です。

 

 

 

 

『所得税、住民税が軽減されてね・・』
『イデコという口座は作るんだけど、定期預金だけでもいいんだよ』
『最低5,000円からでOKだから』
『最初、書類を出したり、ちょっと手続きがタイヘンだけど、ワタシも手伝うから』と、言い添えることも忘れずに。

 

 

とにかく(イデコにおいては)
口座を開いてもらうことが大事です。


(最初は「定期預金」でもよいのです・・)

 

 

イデコ口座開設後、
価格が変動することや、
投資信託に対して少しずつ理解が深まってくれば、

定期預金の一部を
「投資信託」に預け替える、
あるいは毎月の掛け金の一部を「投資信託」に切り換えることもできるよ。と呟きましょう。

 

 

 

 

決して慌てず。相手の意思を尊重しながら・・。

 

長々と、
かつ偉そうにお話してきたわたしですが、

何を隠そう、
妻に「つみたて投資」を始めてもらうのに10年もかかってしまったくちです。

本日の記事は、私自身の反省も踏まえて書かせていただきました(^^)

 

以下、両学長のお話もとても有益ですよ!

 

 

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