FTSE世界国債インデックスの中身について
2023年9月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資における「主役」は株式です。
債券インデックス(指数)の話が話題に上ることはほとんどありません。
しかし、あなたの周りで
「外国債券インデックスファンド」や
「先進国債券インデックスファンド」はふつうに存在しているはずです。
この二つのファンドはどちらも、
『FTSE世界国債インデックス(除く日本)』との連動を目指します。
あっ、FTSEは「フッチィー」と読みます。
『FTSE世界国債インデックス』は、
世界の主要国の国債を「ワンパッケージ化」した指数です。
(1984年に算出を開始。)
実は株式の指数と同じく、
債券の指数も、組み入れる「構成国」がめまぐるしく変遷しています。
現在、FTSE世界国債インデックスは、日本を含む24の国・地域によって構成されます。
(※上記は「除く日本」のパターンです)
あなたが「外国債券インデックスファンド」をお持ちであれば、分散投資と新陳代謝投資がともに可能になります。
『分散投資』とは・・銘柄の分散(800銘柄以上の国債)
国・地域の分散。そして通貨の分散。
(※上記は「除く日本」のパターンです)
画像元:ニッセイアセットマネジメント(<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド)
『新陳代謝投資』とは・・指数では毎月「リ・バランス」を実施。
また、定期的に構成国の見直しを検討。
上記銘柄入れ替えの項は重要で、
この3年ほど、
北米、欧州の国々の『金利』が急上昇したため、
国債価格は軒並み下落しています。
しかしそれは同時に、
(多少のタイムラグはありながら)
「外国債券インデックスファンド」に組み込んでいくプロセスを踏んでいるという事でもあります。
金利上昇に伴う「先進国債券インデックスファンド」のパフォーマンスの軟調は、この先を見据えれば、逆に投資の『チャンス』と捉えることも可能。
為替の動向が気になる人は、
こちらの記事をチェック。
要は・・・?
「FTSE世界国債インデックス」との連動を目指すファンドを持ち続けるだけで、地政学的に見た『新陳代謝』が定期的に行われ、
マーケットの変化に自然に追随することができるのです。
これこそ、インデックス投資のメリットであり、指数は『生き物』と言われる所以でしょう。
また、格付けについては、先進国債券インデックスファンドでは、
BB格(いわゆる投機的格付け)以下の国債はひとつもありません。
画像元:三菱UFJ国際投信(eMAXIS Slim 先進国債券インデックス)
それもそのはず、
『FTSE世界国債インデックス』の組み入れ基準として
格付けがBBB-以上という縛りがあるためです。
(「ギリシャ」も「南アフリカ」もこの基準に抵触したため、構成国から外されたわけです。)
最後に・・
脇役(債券)が健全に機能するから、主役(株式)が引き立つことをお忘れなきよう。
カテゴリ:指数のお話