ポートフォリオ運用

『リ・バランス』が原因で夫婦喧嘩が起きないよう注意しましょう

2023年8月31日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今日のお話の前提は?

ご夫妻それぞれの名義で投資を行い、
それぞれの名義で安全資産を持ち、
ご一家として『ひとつのポートフォリオ』を構成しているパターンです。

 

(勿論、パートナー同士がそれぞれ別サイフで、それぞれ異なる『ポートフォリオ』を持たれるケースもありますのでご留意を。)

 

(ところで、)ポートフォリオというと、
何やら大げさに聞こえてしまいますが、

スミス夫妻が保有するのは、

 

安全資産(預金・MMF等):リスク資産(全世界株式ファンド)=4:6 のみというシンプルな内容です。

 

 

 

 

 

投資の話では、金融商品を選ぶことや、金融商品を買う行為がクローズアップされがちですが、実のところ、投資という行いの99.9%は・・

 

長大な『メンテナンスの時間』です。

 

 

しかも、投資という行いは
その効用が確認できるまで「タイムラグ」があります。

 

(メンテナンスをきちんと実施しても、その「メンテナンス」にどんな効き目があるかを確認できるまでにもまた「タイムラグ」があるわけです)

 

 

投資のメンテナンス作業のほとんどを占めるのは?
『リ・バランス』と呼ばれる行為です。

 

 

この「リ・バランス」の意味を相互理解しておかないと、『夫婦げんか』のもとになったりします。

 

 

夕食後、スミス夫妻はお茶を飲みながら、来年も酷暑になるって考えただけでイヤになるわね・・と話し合っています。

 


「あっ、そうそう。
あの、儲かっている全世界株式ファンド、売ることにしたわ。ちょうどリ・バランスの時期だから」


「えっ? なんで?
なんで価格が上がって順調なのに売っちゃうの?」

 

安全資産(預金・MMF等):リスク資産(全世界株式ファンド)=4:6 が、

安全資産(預金・MMF等):リスク資産(全世界株式ファンド)=3:7 に。

 

 

 

 

 

また、別の年の夕食後、お茶を飲みながら、スミス夫妻は今年の夏は意外と冷夏だったわねと話をしています。

 


「あっ、そうそう。
損が出てる全世界株式ファンドだけどさ、買い増しすることにしたわ。ちょうどリ・バランスの時期だし」


「えっ? 気でも狂ったの??
どうしてマイナスになっているものを、わざわざ買い増すの?」

 

安全資産(預金・MMF等):リスク資産(全世界株式ファンド)=4:6 が、

安全資産(預金・MMF等):リスク資産(全世界株式ファンド)=5:5 に。

 

 

 

 

さて、あなたは妻と夫
どちらの言い分に【共感】しますか?

 

スミス夫の気持ちも分からないではありません。

 

〇 せっかく利益が出ているのに売る?
⇒ 狂気の沙汰

〇 損が出てるモノを買い増しするの?
⇒ 狂気の沙汰・・。

 

でも、冷静に考えてみますと、
古今東西、昔から「投資」で利益を出してきた人って【投資の本質】をただ実践している人なのです。

 

 

【投資の本質】って?
【安いモノを買って、高いモノを売る。】

 

もう一度言いますよ。

『安いモノを買って、高いモノを売る。』

 

 

 

 

「そんなの当たり前じゃん。」
とあなたは思われるかもしれません。

しかし、この「安いモノを買って、高いモノを売る」を血眼にやろうとすると、あなたはどんどんマーケットに近づいてしまい、

 

〇 細かな値動きが気になり、
〇 そのうち安くないのに我慢しきれず買ってしまい、
〇 逆に大きく値が下がっているのに
(これまた我慢しきれずに)売ってしまう危険性が増します。

 

 


リスク資産と安全資産を組み合わせて「ポートフォリオ」と捉え、

そのポートフォリオのバランスを年に1回、もしくは半年に1回もとに戻すことを、唯一の『メンテナンス作業』と心得ること。このシンプルで単純な繰り返しこそが生涯の資産管理なのです。

 

これは資産の『取崩し期』に入っても同様。

 

 

「リ・バランス」を心得れば、

価格が上がった全世界株式インデックスファンドを一部売り、損が出ている全世界株式インデックスファンドを買い増しすることは立派に『正当化』されます。

 

なぜなら、もとの『資産の割合』(ここでは安全:リスク = 4:6)に戻すだけのことですから。

 

 

 

 

『リ・バランス』とは、
どんな人でも無理なく
【安いモノを買って、高いモノを売れる】方法論のことなのです。

 

当クリニックが推奨する資産管理法はズバリ、
『長期保有、ときどき売買』

 

カテゴリ:ポートフォリオ運用

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