4つの図表から「つみたて投資」のメリット・デメリットを読み取ろう!
2023年8月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日はとにかく『図表』をご覧いただきます。
画像元:『投信フェア2023 in福岡』(YouTube)
A、B、C、D いずれのケースも、
毎月1万円、10年間つみたて投資を継続しています。
(投資元本は120万円です。)
積立投資と比較した場合、
一括投資の効率性が説かれますが、
積立期間中、
あなたが保有するファンド価格が
「右肩上がりで推移した場合」、
―ここでは『Aのケース』―
画像元:『投信フェア2023 in福岡』(YouTube)
まさに、一括投資のほうが優位になります。
なぜなら『Aのケース』では、
120万円の投資元本を一括で投資すれば、
投資信託の価格が2倍になっているため、
10年後、あなたの資産は240万円になるためです。
120万円の元本は、
166万円にしかなりません。
ちょっと残念・・・。
では、次です。
『Bのケース』では、
浮かび上がる景色が違ってきます。
「一度大きく下がって、その後、元の価格に戻った場合」。
画像元:『投信フェア2023 in福岡』(YouTube)
一括投資にとっては
良いことは何もないでしょう。
一括投資では、
投資信託の成績と
あなたの投資の成績はイコールになるため、
10年間頑張って持ち続けても、
結局(あなたの成績は)プラスマイナスゼロ です。
『Bのケース』で積立投資をすると、
投資信託は最初価格1万円ですが、
そこからずるずると価格が下がり続け、
5年目にはついに2000円まで暴落・・(悲)
後半は持ち直したものの、
10年間つみたてを続けて、
投資信託の価格は最初の1万円戻っただけです。
でも安心してください。
つみたて投資では、
投資信託の成績と
あなたの投資の成績は「異なります」。
『Bのケース』では
投資信託の成績はプラスマイナスゼロですが、
あなたのつみたて投資の成績は、
120万円→241万円 になります。
えっ!?
さらに続けます。
『Dのケース』は
一括投資にとっては悪夢に見えます。
画像元:『投信フェア2023 in福岡』(YouTube)
何しろファンド価格はどんどん下がり続け、
最後の3年で多少盛り返したものの、
投資信託の価格は最初の1万円から、
5000円になってしまいました。
マイナス50%の成績 です。
この流れを汲めば、
積立投資でも良いことはなさそう?
(何しろ、
ファンド価格が1万円 → 5000円なのですから。)
でも安心してください。
つみたて投資では、
投資信託の成績と
あなたの投資の成績は「異なります」。
『Dのケース』では、
意外にもつみたて投資の成績は
120万円 → 139万円になります。
要因はふたつあります。
変わらず「つみたて」を続けたため、
同じ積立金額でより多くの口数を貯めることが出来た
一括投資は
一度に投資をするため、
ファンド価格の上昇のみが「頼みの綱」です。
いっぽう積立投資は
投資の時期を分散させるため、
「ファンド価格」が上がる
なお、
一括投資、積立投資共に
『Cのケース』はよくありません。
画像元:『投信フェア2023 in福岡』(YouTube)
一括投資はプラスマイナスゼロ。
積立投資は、
120万円→88万円 になり、マイナスの成績に。
要はつみたて投資においては、
『上がってから・下がる』より、『大いに下がってから・上がってくれた』ほうが良いわけです。
さまざまなケースを述べましたが、
仮にあなたが20年間の積立投資を目指すなら、
240回に分けて毎月「少しずつ」ファンドを買っていくわけですから、2年ほど積立を続けて「うわぁ、マイナスだ!」と落ち込む意味はほとんどありません。
つみたて投資を続ければ、
マーケット(市場)は挑むものではなく、受容するものだと少しずつ実感されていくはずです。
最後に、
日本で「つみたて投資」の理論を初めて体系化されたのが星野泰平さんです。
カテゴリ:つみたて投資