投資家の感情リスク

基礎沃野がないまま、YouTube動画を観ると危険です

2023年8月4日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

カウンセリングの余白時間の中で、
稀に世間話的な流れになることがあります。

先日も、

 

お子さんにスマホを持たせたものの、
「本当に大丈夫でしょうか?」というご相談がありました。

 

 

今は「フィルタリングサービス」がありますので、
利用に制限をかけたり、
お子さんの利用状況を家族で共有することも可能です。

 

 

ただ、
13歳のお子さんが
ネットの情報を縦横無尽に見られる『可能性』を考えると、

 

ちょっと恐ろしい気持ちにもなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜなら、ネット空間は
あなたが住む町内とは違って、
秩序が自然に形成されるところではないためです。

 

情報(コンテンツ)そのものは、
人々の欲望がある意味「むき出し」になっています。

 

このような主張が強い情報の渦(うず)に対して、

 

 

あなた自身が
基礎的なオンラインの知識を持ち、
自ら情報を「秩序立てる」チカラを持っていないと、
さまざまな情報に
振り回されることになってしまいます。

 

これって?

 

 

これって

ネット上の投資情報にも「そのまま」云えることです。

 

特にYouTubeは圧倒的な影響力を持ちます。

 

 

 

 

まず「動画」ですから、
取りあえず視聴してみようと
情報収集に着手しやすいです。

 

ひとつ観ると、
関連動画が自動的に表示されるため、

ポテチを食べるみたいに、
際限なく観続けてしまいます。

 

 

以下、あくまでわたしの個人的な意見です。

 

「動画」から得るコンテンツ情報は、
内容を観てはいるのですが、
どちらかというと絵(画像)を捉えており、

 

文脈として深く理解するところまで
なかなか降りてきにくい面があると感じます。

 

 

 

 

 

例えば、投資商品の特徴
投資スタイルの説明、
そのメリットやデメリットも、

どちらかというと
「単色」「鮮明」「簡潔」に伝えようとします。

 

それ自体が悪いというわけではありません。

 

 

ただ、情報の受け手が、
独自に解釈する余白部分(スペース)が生まれにくい構造なのです。

 

 

もちろん、YouTube動画の作り手にも、
事情があります。

 

「鮮明」「簡潔」で
「インパクト」がある動画を作成しないと、
再生回数が稼げず、広告収入が伸びないという事情です。

 

 

 

 

 

総じて動画の情報は、

「AよりはCです。」という、
簡潔な結論を好みます。

 

「Cを選びましょう。」

 

 

フム。 たしかに、

不特定多数の人を対象にした、
最大公約数的な答えとしては
「C」でよいのかもしれませんが、

 

 

そこでは
受け手の『個人的な事情』や、
受け手の『特性』
(例えば、収支の状況や投資に対するクセや、リスクに対する許容度)などは、考慮されていません。

 

 

YouTube動画は
投資の網羅的な情報を仕入れる、
いわゆる『学習』手段としては良いかもしれませんが、

動画を観て、
それを、そのままあなたの投資方針とするのはちょっと危険です。

 

 

不特定多数にとって「よし」とされるその投資商品が、
あなた個人にとって「よし」であるとは限らないためです。

 

 

 

 

 

誤解がないように申し添えると、

 

動画による情報収集が良くない、
という意味では決してありません。

 

あなたの側に、
基礎的な知識(リテラシー)があって、

動画情報の優劣を見極め、
取捨選択をして、

自分仕様に
コンテンツ内容を咀嚼していくチカラがあれば、大いに観てよいと思うのです。

 

情報の受け手に、

基礎的な沃野
= 自分で情報を解釈するスペースがない場合、

YouTube動画は危険になり得ますよ、というお話でした。

 

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

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