NISA活用法

NISA解体新書(24年からNISAで買っていく「買い方」はどうすればよい? 一括投資 VS. 積立投資)

2023年8月1日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今日のお話は
NISAでの「買い方」にフォーカスします。

 

それが『乗り換え資金』であれ、
『新規の資金』であれ、

「NISAに1800万円投資ができる状況にある」と仮定しましょう。

 

また「つみたて投資枠」「成長投資枠」を用いて、
「インデックスファンドを買い付ける」と仮定しましょう。

 

NISAでの買っていき方、
その種類は
大きく分けて『ふたつ』です。

 

 年360万円 × 5年
 月30万円 × 60ヵ月

 

 

 

 

 

の考え方は?
年あたりの「一括投資」といえるでしょう。

の考え方は「積立投資」です。

 

あなたなら、どちらを選びますか?

 

 

もしもピュアな意味合いで
1800万円分「一括投資」が出来たなら、
話はもっと単純に終わっていたことでしょう。

 

例えば、特定口座からの
『乗り換え資金』であれば、

1800万円売って、
1800万円買う。

 

これでシンプルに帰結するためです。

 

 

ところが実際は?

『一括投資』を選んでも、ピュアな一括投資はできず、

資金の入金は
最速でも5年(2024年~28年)に及びます。

 

360万円
360万円
360万円
360万円
360万円

 

 

ちょっとAのパターンでやってみましょう。

 

24年1月(成長投資枠)240万円分購入

でも(つみたて投資枠)120万円分は?
基本、定期購入です。

 

つまり、
年360万円の枠でさえ、

 

純粋な意味で、
360万円まるまる『一括投資』は出来ないわけです。

 

ちょっと消化不良・・。

 

 

 

 

 

いっぽう、
(月30万円×60ヵ月)の考え方はどうでしょう?

 

自動引き落としの
積立投資にしてしまえば、

 

(成長投資枠)月20万円
(つみたて投資枠)月10万円 で、
しくみが自動的にインデックスファンドを買ってくれます。

 

 

それでも、です。

 

 

「おおむね一括投資できるAのほうが有利だよ。」という人がいるかもしれません。

 

 

たしかに資金効率という意味では
のほうが多少有利かもしれません。

 

しかし、
月30万円×60ヵ月の入れ方も、

当初5年のみの時限『積立』であります。

 

 

年360万円×5年
月30万円×60ヵ月

 

両者を比べていれば、
1800万円分を入金するのに、
どちらも2024年から28年までかかる。
という点では同じなのです。

 

 

だったら、

月30万円×60ヵ月 のほうが、
悩みのタネが発生しにくく楽に入金が出来そう。

 

 

 

 

ただし、

NISAに入金する元手が、
特定口座からの『乗り換え資金』の場合は、

 

年360万円(ほぼ一括投資)のほうが、

特定口座内のファンド「売る」
NISA口座でファンド「買う」

 

上記の「売り」と「買い」の『タイムラグ』を、より小さくすることが出来るでしょう。

 

 

ココでポイントになるのは、
「つみたて投資枠」で認められる
買付け設定の『柔軟性』です。

 

以下、仮の話です。

 

 

仮に、
以下のような買い付け方法(つみたて投資枠)が認められたとします。

 

〇 24年1月(成長投資枠)240万円分購入
24年1月(つみたて投資枠)60万円購入
〃  2月(つみたて投資枠)60万円購入

 

 

あるいは、

 

〇 24年1月(成長投資枠)240万円分購入
24年(つみたて投資枠)100円×12ヵ月
24年1月(つみたて投資枠)ボーナス設定 119.88万円
※主にSBI証券、楽天証券を想定

 

 

もしも、
上記買い付け方法(つみたて投資枠)がOKになれば、

 

特定口座からの『乗り換え』の場合は、

一括投資(年360万円×5年)のほうが
より公平な乗り換えが可能になるでしょう。

 

すなわち、

 

特定口座(ファンド)売る
→ すぐにNISA口座(ファンド)買付け。
という、
「売り」と「買い」のほぼ同時性の実現です。
より詳しく言えば、24年1月、特定口座(ファンド)を税金の支払い後360万円になるように売却。24年1月、NISA口座(ファンド)を概ね買い付けるイメージです。

 

 

これだと、

安く『ファンド』を売っても
安く『ファンド』を買い付け。

 

そして、

高く『ファンド』を売れれば、
高く『ファンド』を買い付けることになります。

 

 

こうすれば、
『乗り換え作業』に際して、
 無用な「損得感」から解放されることになります。

 

 

 

 

 

今日はあえて『差異』を強調して述べましたが、

年360万円 × 5年
月30万円 × 60ヵ月

どちらを選んでも大差が生じるわけではありません。

その点、どうぞご安心ください。

 

 

また本日は、
年360万円(月30万円)入金する前提のお話でしたが、

 

360万円×5年で
入金し切るのが『唯一の答え』ではありません。

 

 

例えば、年間120万円(月10万円)のペースで、
15年かけてNISAに資金を入れていくことが、
あなたの投資感覚に最も『フィット』するのであれば、そうするべきでしょう。

 

今日の年間360万円のお話は、
あくまで典型例の「ひとつ」とお考えください。

 

カテゴリ:NISA活用法

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