リタイアメント・資産の取り崩し

55歳です。安全資産:リスク資産の「比率」をどんなふうに変えていくべきですか?

2023年7月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ズバリ、
『あなたの疑問に答えます!』コーナー。

 

本日は古川さん(仮名) の以下のご質問から。

 

これから定年・退職期を迎えるにあたり、
『現金』と『投資信託』のバランスを、
どのように維持・変化させていくと良いでしょうか?

 

 

現在55歳。
現時点での資産構成は現金25%、投資信託75%の比率です。

 

 

投資信託は全てインデックス型で毎月定額積立てしており、
グローバル株式80%、グローバル債券20%です。

 

 

アンサー!

 

古川さん、
これから10年程度をかけて、
規則的かつ断続的に『安全資産』を増やしましょう。

 

 

 

 

 

仮に古川さんの完全リタイアを65歳としましょう。

仕事を辞め、仕事からの定期収入がなくなる時期が半ば確定しているのなら、

その『地点』に向けて、
現役時代とは異なる資産運用の「骨太方針」、


すなわち、

 

安全資産(現預金):リスク資産(投資信託)の【比率】を再設定する必要があります。

 

 

ざっくり申し上げますと、

 

〇 現役時代の  安全資産:リスク資産の比率
〇 リタイア後の 安全資産:リスク資産の比率

 

実はふたつの型(かた)が存在するわけです。

 


古川さんが完全リタイアされる直後で、
株式市場が暴落しないとは限りません。

(縁起の悪い話で恐縮ですが・・)

 

 

そのとき
「あーあ、こんなに多くのリスクを取るべきではなかった!」と悔恨するのはイヤですよね。

 

 

それよりは、

 

リタイア時に向け、
計画的に『リスクの総量』を減らしておいたほうが賢明ではないでしょうか。

 

わたしも古川さんも、
別に『資産運用★リターン選手権』に参加しているわけではありませんし。

 

 

個人の資産運用とは、
その人の「個人的なニーズ」を満たすために行われる、
きわめて「個人的な作業」であります。

 

 

 

 

以下、わたくしからの『提案』です。

 

古川さんには
65歳の「地点」に向け、

安全資産(現預金):リスク資産(投資信託)= 50:50 の「骨太比率」にシフトされることをお勧めします。

 

毎年毎年、向こう10年、株式市場のアップダウンに関わらず、一定割合ずつリスク資産を減らしていくのです。

 

 

 

 

 

仮に、ですが、
65歳時点トータル資産4000万円で、

 

安全資産 2000万円、
リスク資産 2000万円としましょう。(50:50です)

 

 

今のポートフォリオの「リスク資産」、
グローバル株式80%、グローバル債券20%における
最大損失幅を「40~45%程度」とすると、

 

そのリスク資産を、
「半分」だけ保有される古川さんですから、

 

トータル資産から見れば、
最大の損失幅は「20~22.5%」程度となります。

 

 

ポイントは、
この、最大損失幅「20~22.5%」程度が、
古手川さんの許容範囲かどうか? ということです。

 

もしNOであれば、
安全資産の割合をもっと引き上げましょう。

 

 

 

 

さて、現状は「安全資産25% リスク資産75%」ですから、

 

これから10年をかけて、
「安全資産50% リスク資産50%」に持っていくためには?

 


リスク資産を徐々に売却していく? 

 

 

はい、それもOKですが、

 

まずは、投資信託への『つみたて』を大きく減らすのが先決でしょう。

 

 

毎月、より多くのお金が「安全資産」に残れば、
ストックベースでも安全資産の割合が少しずつ増えていきます。

 

投資信託への『つみたて』をゼロにしても、

なかなか「安全資産」の割合が増えない状況なら、
計画的かつ断続的に、投資信託を解約していきましょう。

ネット証券の「定期売却サービス」を利用しても構いません。

 

 

 

 

そういえば、来年から『シンNISA』が始まりますね。

65歳まで働く前提であれば、
今年55歳の古川さんが特定口座のファンドを『シンNISA』に移すことには賛成です。


仮に55歳時点で、トータル資産が3000万円で、

安全資産(現預金):リスク資産(投資信託)
= 25%(750万円):75%(2250万円)の状態であれば、


5年かけて『シンNISA』に 1800万円分 資金を移しますが、
65歳時(リタイア時)までには、

 

 

つみたて減らす・つみたて休止・特定口座のファンド売却等により、安全資産:リスク資産 = 50:50 に持っていく必要があります。

 

そこには古川さんの堅い意思が求められます。

 

辿り着くべきゴールを明確にするためには、リタイア後の資産取り崩しの「実態」を想起する必要があるでしょう。

 

 

 

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