FPから見た『熟年離婚』が増えている理由とは?
2023年7月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
まずは誤解がないよう・・。
「離婚」件数そのものは
年々少しずつ減っています。
画像元:日本テレビ『全体では約3組に1組は離婚 大切なのは愛情?お金?』
※注
画像内で『去年』と出ているのは、2021年のことです。
が、
婚姻件数も同様に減っているので、
いわゆる『離婚率』は、
「3組に1組が離婚する。」というように底堅く推移しています。
そして、
離婚でいちばん件数が多いのは
婚姻5年未満の離婚です。
まったくの他人が
生活を共にするわけですから、
ということが分かって関係を解消するのは、
むしろ発展的なことだとわたしは思います。
特に、
金銭感覚という名の「価値観」は、
幼年期からのマネーに対する慣習で醸成される面がありますから、
さて、わたしが注目するのは、
「全離婚」のうち、
婚姻期間20年以上の
いわゆる『熟年離婚』の比率が増えていることです。
画像元:日本テレビ『全体では約3組に1組は離婚 大切なのは愛情?お金?』
FP(ファイナンシャルプランナー)の視点で、
熟年離婚の比率が高くなっている理由を挙げてみましょう。
これは大きいと思います。
寿命が65歳くらいまでなら、
もう55歳まで「一緒」に来たなら、
あと10年くらいの寿命なら仕方ないか・・。
と思えるかもしれませんが、
100年生きる人生なら、
今の配偶者との関係をリセットして、
また「次のステージに移ろう!」と思いやすいはず。
共働きの家庭であれば、
二人の収入を合わせた家計ですから、
また「ひとり」に戻れば、
シングル・インカムに戻るだけです。
むかしは
制度としての結婚や、
女性は家を守るべしという慣習に縛られていました。
また、互いに
世間(会社・友人・互いの家同士など)の眼を気にし、
子どもをもうけて一人前とか、
夫婦はある程度の我慢が必要。みたいな道徳観?もはびこっていました。
熟年離婚の比率が増えているのは、
仮面夫婦であることに
「NO!」と言う元カップルが増えているということでもあります。
(これも発展的・ポジティブに捉えましょう)
わたしはFPとして
お金の相談業を営む中で、
〇 自身の親、パートナーの親を見送ったという「節目」を迎えることで、
最終『離婚』に踏み切られたというケースを何件も見聞きしています。
解放される感覚でしょうか・・。
人と人の関係の根源を掘り下げた場合、
誰かと一緒に居たい。
一緒に暮らしたい。というのは、
あくまで個人の気持ちの発露です。
そもそも、
婚姻制度には
「国家」の思惑が透けて見えます。
結婚してもらって
子どもを作ってもらうことで、
国の経済的繁栄の礎(人口)となる。
さらに勤労意欲が富んで、それが税収確保につながる。
一世帯(家族)の人数が
多くなってくれたほうが、
住宅やクルマや耐久消費財の売上げが伸びる。
そんなん知らんわ。
でよいのでは?
話を元に戻しますと、
『熟年離婚』の増加は
総じて女性の自立的な考えが顕著になり、
男性側が慌てて修復を試みるも、(でも結局、元の鞘には収まらず、)離婚に至るケースが増えていると推察します。
定年に達すれば、
家に居て楽ラクなんて、
ゆめゆめ思わないように・・。
以下、読売新聞のコラムから。
『定年後、行くところがなく妻に依存…「お昼ご飯は外で食べてね」と言われ』
狩野さん:
週に3回、外出して、食事もしてくるので、
妻にも笑顔が少し戻った気がします。
現実、現実、これぞ現実的。
定年までに、
『自分の時間』
『自分の場所』
『やりたいこと』を時間を掛けて育てておかないと、
本当にタイヘンな事になりますよ。
せっかく寿命が長くなったわけですから、パートナー同士、それぞれが好奇心旺盛に、それぞれが自分の「楽しい!」を育てて、10のうち2~3くらいは共通のことで二人が楽しめるかも?くらいでOKと割り切りましょう!
カテゴリ:100年ライフプラン, わたしのFP修行