ざっくり8割くらい満足できればOK!という人には、バランスファンドが向いています
2023年6月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以前に比べると熱は冷めましたが、
『セレクトショップ』を覗いて
服や小物やらを物色して回るのが好きでした。
あるショップの店頭で偶然目にした
マネキンの「トータルコーディネート」を見て、
と思ったことは一度や二度ではありません。
全体像を見て、
だいたい自分のイメージに合ってるじゃん!と、感じるからなのでしょうね。
(※ ちなみに「だいたい」とは
75%~80%くらい合っているイメージ。)
上記のような、
「トータルコーディネートされた服」は、
あらかじめ作られた 型(かた)です。
一戸建ての住宅でいえば、『標準プランの間取り』が当てはまるでしょう。
日々忙しく、限られた時間の中で、
そこそこ効率的にモノ(商品)を選びたいという【ニーズ】に対応しているのです。
食べ物でいうところの、あらかじめ作られた 型(かた)とは?
『幕の内弁当』!
そして・・?
『バランスファンド』が挙げられます。
(ようやく本題です(^^)
個々の投資信託を選んで、
自分で組み合わせ、
自分なりの型(かた)
=【ポートフォリオ】を定めるというのも立派なやり方です。
突発的に湧き起こる『感情リスク』を
うまくコントロールしながら、
5年、10年と維持していくのは、
けっこう大変なことかもしれません・・。
なぜかというと、
ヒトは常に、
【動いたほうが、いいんじゃないの?】という誘惑に、駆り立てられるためです。
〇 マーケットの気まぐれな値動き
〇 ネット上での雑多な情報
〇 新しい制度や法改正
あるいは、
〇 政治、経済、自然現象にいたるまで、
『急な変化』が向こうからやってくると【動いたほうが、いいんじゃないの?】と思ってしまう。
→「やっぱ、AファンドからCファンドに乗り換えよう」
新興国株式の割合を上げよう・・」
というふうに、
自分で作った型(かた)をわざと動かしたり、何かを付け加えたくなる生き物が(他ならぬ)人間なのです。
そして、ふと我に返ってみると、
保有する投資信託の数が13本位になってしまっている・・というのはよくある『症例』。
ちょっと「思考のでんぐり返り」を・・。
バランスファンドは(どちらかというと)
バランスファンドという 型(かた)に【自らを合わせる】ことになります。
当然ながら、
そこに100%の満足はありません・・。
自分でいろいろ選んだり、
組み合わせたり、微調整したりという『面白み』も半ば放棄することになります。
「8割がた満足できればOKかな。」
という価値観を持てる人に向いているのです。
人は誰しも、自分の興味がある投資対象は「割合」を多く持ちたいですし、逆になんとなく苦手で関心が薄い投資対象は「割合」がゼロ、もしくは低くなりがちです。
これこそ『感情リスク』?
私たち投資家の【気持ちの偏り】を、
無言のうちに『矯正』してくれるところではないでしょうか。
どんなことが起ころうが、
不特定多数の人のために
『決められた型(かた)』を守り抜くこと。
それがバランスファンドの「使命」です。
たとえば、
『株式50%・債券50%』のバランスファンドは、
景気が過熱し、ほとんどの人がリスクを過小評価するようになっても、『株式50%・債券50%』を頑なに守り続けます。
逆に、
市場に暴落が起こって、なかなかマーケットが回復せず、
周りの景色が真っ暗になっても、
(駅前の書店で
「世界経済崩壊!」みたいな本が平積みになっても、)
『株式50%・債券50%』を必ず守ってくれるわけです。
(これは↑必然的に、
暴落した株式を買っていくことを意味します。)
これから
限られた時間の中で、
そこそこ効率的に金融商品を選びたいという『ニーズ』は増していくと思われます。
【ベスト】を目指すのではなく、
そこそこの【ベター】が続けられればOKと思えるなら、あなたにはバランスファンドが向いていると思いますよ。