NISA活用法

シンNISA「3つの要素」を理解する

2023年5月28日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

この記事はシリーズもの
『シンNISAの疑問・質問・どんなモン?』の一部となります。

 

さて、
シンNISAの開始まで「あと7ヶ月」です。

今日の結論を先に述べておきましょう。

 

シンNISA『3つの要素』とは?

 

1.特定口座からの『乗り換え』がカギを握る
2.特定口座で保有する「ファンド」を
シンNISAでも買うのか、
それとも「違うファンド」に乗り換えるのかの『選択』
3.特定口座とは一度「別れ」、
(その後)また特定口座に戻ってくるという『自覚』

 

 

一つひとつ見てまいりましょう。

 

今、相談業務の中で続々と
シンNISAに関するご質問をいただいています。

 

 

Q 新NISAを利用するとして、
特定口座で持っている投信を買い直しする場合、

 

元の特定口座で利益が出ていると良くて、損失が出ていると良くない理由ってありますか?

 

 特にありません。

 

 

 

 

特定口座からシンNISAへの乗り換えは、

税制上、長期的に見ればシンNISA内でファンドを保有したほうが有利だから「乗り換える」だけです。

 

やることは
長期・分散・低コストの投資であり、
今までと何ら変わることはありません。

 

長期投資において
利用する器(うつわ)を、

 

当面「シンNISAにシフトさせる」ということ。

 

 

逆に特定口座で含み損を抱えている場合は、
『もう一度、投資の仕切り直し!』を割り切れば、シンNISAへの乗り換えはスムーズに出来るはずです。

 

この際、

 

「損」を確定させるのはやっぱ良くない事では?

 

とか、考えすぎないようにしましょう。

 

 

 

 

そもそもの目的は?

 

利用する器(うつわ)を、
特定口座からシンNISAに『移す』ことであり、その過程で「投資信託を買い直すこと」です。

 

 

特定口座内のファンドを「売る」ことが主目的ではなく、

「売った」ものは、
すぐにシンNISA内で『買い直す』わけですから、

これは資産の『お引っ越し』に他なりません。

 

 

 

 

お引っ越し元がどんな状況であれ、
「引っ越し」が決まったら、

淡々と荷物を運び出して(売って)
引っ越し先に荷物を入れる(買い直し)するだけです。

 

 

むしろ厄介なのは
特定口座で「含み益」が出ている場合でしょう。

 

利益に対して支払う税金の額を気にし出すと、
資産を『移す』ことを躊躇してしまいます。

 

ここはちょっと深呼吸してみましょう。

 

 

 

 

○ 今まで頑張ってきた
・・・・ (特定口座内で。)

 

この「時間的長さ」と、

 

○ これから頑張る
    ・・・・・・・・・・・・(シンNISA内での)

 

「時間的長さ」を比べれば、
どちらのほうがより長いですか?

 

 

後者のほうがうんと長いよ。
という人は、
やっぱり『乗り換える』ほうが合理的です。

 

 

 

 

 

かりに、

今まで頑張ってきた
・・・・ 特定口座内のファンドを、

・・・・・・・・2030年まで、
・・・・・・・・・・・・・・・・2045年までと、

ずっと持ち続けると、

 

 

おそらく「含み益」の金額は
今(2023年)よりもずっと大きくなっているはず。

 

その時に「シンNISAに移そう!」と思っても、
決断のハードルは今よりうんと高くなってしまいます。

 

(そして2045年時点で、
投資信託の譲渡益に対する課税税率が
20.315%である保証はないわけです)

 

 

シンNISAという制度の「一つ目の要素」は、
特定口座からの『乗り換え』なのです。

 

 

 

 

 

では、
シンNISA口座「二つ目の要素」とは?

 

特定口座で保有する「ファンド」を、
シンNISAでも買っていくか、
それとも「違うファンド」に乗り換えるのかの選択です。

 

 

例えば、
特定口座で「オルカン」を持っていれば、

 

資産の『お引っ越し』をしても、
シンNISAで
引き続き「オルカン」を買っていけばよいでしょう。

 

 

投資対象として申し分ないですし、

既存の口座で1本のファンド、
シンNISAでも1本のファンドですから『お引っ越し』は簡単です。

 

 

ところが、
特定口座で800万円、1000万円と
ある程度資産が積み上がっている人ほど、

もしかすると、
シンNISAでは
「違うファンド」に乗り換えることになるかもしれません。

 

 

現状、特定口座で6本も7本も、
少し運用管理費用が高めの、

今の投資方針とは
ちょっとズレてしまっている投資信託を複数お持ちであれば、

 

(実は)シンNISAへの『乗り換え』は、
あなたの投資をシンプルにする「一大チャンス」なのです。

 

これはもしかすると、
Once in a life time(一生に一度の)チャンスかもしれません。

 

 

 

 

そして、
シンNISA3つ目の要素とは?

 

特定口座と一度「別れる」けれど、
特定口座にまた「戻って来る」という自覚です。

 

 

シンNISAの記事では、
とにかく1800万円の投資枠を埋めよう!という点が強調されますが、それが終わったあとは?

投資資金はどこに入れる?

 

 

また『特定口座』に入れていくことになります。←ココ、重要。

 

 

来年から、
「特定口座」⇒「シンNISA」への乗り換えがしばらくの間続いても、

1800万円の『投資枠』が埋まれば、

また、新たな資金の入金先は特定口座に戻ります。

 

「特定口座」⇒「シンNISA」⇒「特定口座」

 

 

 

 

つまり、
あなたの資産運用を長期かつ大枠で捉えれば、

 

シンNISAはもちろん大事。
でも特定口座も(意外と)大事だよ。という帰結になります。

 

このシリーズは不定期で継続してまいります。

カテゴリ:NISA活用法

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