投資信託あれこれ

投資信託はかつお節、運用管理費用は削り節

2023年5月20日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

わたしは基本、お金を頂戴してセミナーとか相談業務を行っていますので、説明の仕方というものに心を砕きます。

 

生業(なりわい)であれば、分かりやすい解説ができて当然、なわけです。

 

あなたが投資信託を持ち続けていると、
知らず知らずに削り取られる手数料。

それが『運用管理費用』です。

 

運用管理費用(信託報酬)は、例えば
年率1.46%(税込)などと記されますが、

別に『年に1度』徴収されるわけではありません。

 

365日で割って、
毎日毎日【日割り】で差し引かれています。

 

「えっ、どうやって?」

 

ファンド資産本体からです。

 

 

それはまるで『かつお節』のように、

毎日ほんの少しずつ(少しずつ)、削り取られます。

 

 

 

 

 

恐るべし運用管理費用!

 

たとえば「固定資産税」なら、
請求書が来て、金額を見て、支払い期限を確認して、あなた自身が別途支払います。

 

 

ところが『運用管理費用』では
請求書などは来ません。

 

あなたが持っている
投資信託という「商品」の本体から、『かつお節』のように削られるためです。

 

 

 

上が・・ 『かつお節』 投資信託本体

下が・・ 『削り節』  運用管理費用

 

※ かつお節が成長すれば、同じ「%」の削り節でも、削られる量は増加することになります。

 

 

ところで、運用管理費用は、私たちファンド保有者にとっては「費用」ですが、投資信託に関係する会社にとっては『報酬』です。

基本「現金」でもらうわけです。

 

言い方を換えれば、

 

 

上が・・ 『かつお節』 投資信託本体

下が・・ 『削り節』  運用管理費用

 

毎日削り取る分 = 削り節 とは「現金」そのものです。

 

 

(投資信託においては、その資産が100%株式とか、100%債券というケースはあり得ません。少なくとも『運用管理費用』分は、ファンドはキャッシュ(現金)を保持しておく必要があるためです。)

 

 

 

 

 

ところで、運用管理費用という『報酬』を受け取るのは、販売会社と、運用会社と、受託会社(信託銀行)です。

 

重要なポイントは、私たちが別途お財布から「手数料」を払うのではなく、毎日毎日コストを『現物払い』しているということ。

 

 

こんなスゴ技が出来るのはなぜ?

 

あなたが持っている商品が、


投資信託という、
現金とか株式とか債券からなる「お金」(資産)だからです。

 

 

※ 毎年の「自動車税」を、
クルマのバンパーを少し削って
「はい、これ今年の分です!」と支払うことなど出来ません(-_-;)

 

 

また、毎日毎日ファンド資産から
「運用管理費用」を削り取るのは、

あなた(ファンド保有者)ではなく、
ファンドの『運用会社』です。

 

これなら取りっぱぐれがありません。

 

 

 

 

「日本株式ファンド」を例に挙げてみましょう。


毎日毎日、
日本の『株式市場』が閉じたあとに、

 

今日一日分のかつお節を、
いや『運用管理費用』を、
超薄切りで、削り取っているわけです。

 

そして、
本日分の『運用管理費用』を差し引いたあとに、
本日分の『基準価格 = ファンドの値段』が確定します。

(それがだいたい、夕方6時台です)

 

マーケットが閉じたあと、
その日の「基準価格」が決まるまでは、いわば『空白の時間』であり、

 

その日一日分の運用管理費用を差し引く行為は、なんと云いますか、ちょっとした『秘め事』のような雰囲気があります。

できれば、あなたやわたしのような
ファンド保有者には積極的に知られたくはない、夕方の秘めごと・・。

 

 

 

 

わたしは
運用管理費用の削り取り方を最初に考えた人は『天才』だと思います。

商品の提供側にとって、
これほど理想的な手数料徴収方法はありませんから・・。

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