つみたて投資

【パート2】ビギナーの人に一括投資ではなく「積立投資」をお勧めする理由

2023年5月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

パート1】の続きです。

ここからが本題です(笑)

 

昨日の「具体例」で
わたしはこう述べました。

 

2000万円の、
概ね15年超、
投資に回せるお金が手元にあるならば、

 

一括投資
(まさに23年5月に一気に投資する)
40万円×50ヶ月 積立投資
5万円×400ヶ月 積立投資

 

のうち、

 

がもっともお金の増え方が大きくなります、と。

 

 

 

 

 

これは理論的に正しいでしょう。

 

 

それなのに、
あえてこう述べます。

 

 

仮にあなたが
まだ積立投資を始めて日が浅く、

積み上がったリスク資産が
おおむね200万円未満の人であれば、

 

A 一括投資ではなく、

 

40万円×50ヶ月 積立投資
5万円×400ヶ月 積立投資

のほうをお勧めします。

 

 

それはなぜか?

 

 

仮に『一括投資』をしてしまうと、

リスク資産が200万円未満の状態から、
一挙にプラス2000万円も増えてしまうためです。

 

 

 

 

 

例えばこんな「イメージ」。

リスク資産 140万円 ⇒ 2140万円!

 

あまりにも急すぎませんか?

 

投資ビギナーの「リスク耐性」は(まだ)よちよち歩きの状態なのに、

 

 

 

 

(一括投資をすれば、)
準富裕層のごとく、
2000万円超のリスク資産を一挙に保持することになります。

 

 

これだと、

あなたのリスク許容度の大きさと
一気に増えたリスク資産の大きさが、『不釣り合い』になりませんか?

 

 

 

 

 

仮にこのような状態で、

可能性は低いかもしれませんが、
『市場の暴落』が起こってしまった場合、

 

 

リスク耐性があまりにも低いのに、
マイナスになる資産額ベースが大き過ぎて、
果たして平静を保つことができるのか・・、甚だ疑問です。

 

(それに、
暴落した状態の市場が「どのくらいの期間」続くか、分からないのです)

 

 

もしかすると過度な『ストレス』を抱えてしまい、

良くない行動、

たとえば、

 

・積立投資を休止してしまう
・積立金額を減額してしまう
・保有するリスク資産を一部売却してしまう、

 

といった行動を、
起こしてしまったりしないでしょうか。

 

 

 

 

 

わたしが危惧するのは、

あなたのリスク耐性と
リスク資産の「不均衡」が原因で、

 

 

 

 

万が一にも
あなたが投資を『中断』してしまうことです。

 

これは絶対に避けなければなりません。

 

 

そのために、

たとえ合理性では劣っても、
理屈のうえではベストの選択ではなくても、

一括投資より
『積立投資』をお勧めします。

 

 

身も蓋もなく言えば、

 

理論より、
あなたの心情を優先させるわけです。

 

 

かつて、

 

 

カンさん。 40万円×50ヶ月(積立投資)を選んだとしても、

 

50ヶ月が経って、
2000万円分のリスク資産を積み上げたあとに『暴落』が来れば、

 

(一括投資と同じように)
平静を維持するのは難しくなりませんか?

 

というご意見を、

相談者さまからいただいたことがあります。

 

 

でも、そこには『違い』があります。

 

 

例えば、

40万円×50ヶ月 積立投資

ならば、

『時間かせぎ』が出来るのです。

 

 

 

 

今、投資を始めてまだ2年と4ヶ月のあなたが、

 

40万円×50ヶ月 積立投資
のように、

50ヶ月をかけて
毎月40万円ずつ投資をしていく・・

※これも勿論、
相当なリスクを積み上げていく行為に他なりません

 

 

この50ヶ月(4年と2ヶ月)という期間の中で、リスクに対する『耐性』を高めていく 時間的猶予 が生まれます。

 

 

ちょっと深呼吸してもいいですか?

 

 

 

 

投資を理論のみで捉えると、
それは「数字の世界」になるでしょう。

 

例えば、
年率プラス5%の計算で、

毎月3万円積み立てれば、
20年後に資産はいくらになるのか?は、すぐに計算できます。

 

 

しかし上記シミュレーションでは、
理屈として行為の中身は把握できても、

実際に起こるであろう、

 

20年間の、

毎年の、
デコボコの
不規則な投資の『結果リターン』が、

 

「あなた」に与える影響については
スルーしているのです。

 

投資の主体者は
「あなた」であるにも関わらず・・。

 

 

投資の実際は、
「理屈」「感情」のミックスジュースです。

 

 

ときに理屈の正当性というをぶち砕いてまで、あなたの感情が振幅してしまうことがあります・・。

 

それが「投資の恐ろしさ」なのです。

 

 

 

 

 

ほどよい警戒心を持ちながら、
大きな資産は投入していくべきです・・、特にビギナーのあなたは。

 

理論のみに則って
投資の「実行法」を決めるのではなく、

 

あなた(投資のビギナー)という、
あやふやで(しかも)不安定な投資の主体者を、

うまく手懐け、
諭しながら、
いかに投資を続けられるか・・・、

 

そこから、
あなたに合った「投資実行法」を定めるべきです。

 

 

数字として表れる投資の『合理性』に、
あなたの全てを捧げる必要はありません。

 

 

 

 

 

このブログ記事の『例題』でいえば、

投資経験が5年未満の、
保有するリスク資産が200万円未満の人は、

 

2000万円の手元資金を、

「一括投資」ではなく、

 

・40万円×50ヶ月や、
・50万円×40ヶ月や、
・25万円×80ヶ月 などの、

『拡大つみたて投資』を行うことをわたしはお勧めします。

※ここでは『拡大つみたて』も積立投資の一種であると規定します。

 

 

これこそ、投資の『理論』を
あなたの『心情』に寄り添うよう、アレンジさせる具体例のひとつなのです。

 

 

 

 

 

 

積立投資の「特徴」って?

 

規則的に(徐々に)
資金を積み上げるため、

資産が大きくなるまである程度「時間」を要する。

 

積立投資の強みは
時間的猶予 です。

 

 

積立投資で
投資資金が積み上がる『スピード』が、

投資ビギナーのあなたが、
投資に慣れていく『スピード』とシンクロすることで、

 

「投資そのもの」と「あなた自身」が
少しずつ親密になり、
少しずつ強固になっていくことが可能になるのでは?

 

 

『拡大つみたて投資』によって、

あなたが投資に慣れるプロセスと、
元本が積み上がるプロセスが同時進行することを目指す。

これが当クリニックの考え方です。

 

ですので
投資ビギナーのあなたには、

一括投資より
毎月の掛金が多めの『積立投資』をお勧めするわけです。

 

 

 

 

 

最後に、
よくあるご意見として、

 

例えば、

B 40万円×50ヶ月 積立投資

を選んだ場合に、

 

最後の40万円の投資は
50ヵ月目にようやく実行され、

何もしない投資用資金が滞留することで、
ほんらい得られるはずの『利益』を失う可能性がある。というご指摘もいただきますが、

(そしてそれは理論的にはその通りなのですが、)

 

 

それよりも、
投資のビギナーが
大きな投資元本と無難に出会って、

=無理のないスピードで金融商品に転化させて、

 

【自分】の耐性に合った
投資元本の積み上げ方をするほうがより重要とわたしは考えます。

 

 

別に「投資リターン☆獲得選手権」に出場しているわけではなく、シンプルに個人の資産運用なのですから・・。

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