【パート1】ビギナーの人に一括投資ではなく「積立投資」をお勧めする理由
2023年5月10日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
少し前にりんりさんが、
ツイッター上で
興味深い『アンケート』を実施されていました。
以下、「質問1」と、
「質問2」があります。
【最終決戦】
— りんり@バンガードS&P500ETF(VOO) (@SandP500ETF) April 20, 2023
質問①
一括投資とドルコスト平均法、数字だけ考えると合理的なのはどっち?
質問②
— りんり@バンガードS&P500ETF(VOO) (@SandP500ETF) April 20, 2023
質問①を踏まえたうえで、メンタル等も考慮して自身が好きなのは(実際にやるなら)どっち?
上記結果を
あなたはどう思われますか?
ドルコスト平均法(積立投資)、どっちがいいの?」
これは投資界隈では
何十回と登場する
『究極のチョイス論争』です。
が、理論的に見た場合、
『答え』はほぼ決まっています。
手元にまとまった投資用資金があれば、
ほとんどの場合、
『一括投資』が「積立投資」に勝ります。
こんな『具体例』を挙げてみましょう。
手元にある2000万円の「まとまった資金」を・・、
(まさに23年5月に一気に投資する)
C 5万円×400ヶ月 で積立投資する
お金の増え方がいちばん大きくなるのは、どの投資実行法でしょうか?
答え)A でしょう。
ただし、
『条件』が2つあります。
まず、投資対象が
「全世界株式インデックス」
「先進国株式インデックス」のような、
銘柄分散、国地域の分散を施した
『株式市場全体』であること。
そして、
投資を続ける期間が15年、20年と『長期』に渡ること。
実際、
銘柄分散、国地域の分散を施した株式市場全体で見れば、
50年単位の時間スパンで、
市場そのものは
見事に「右肩上がり」となっています。
こんな『具体例』を・・。
以下は、
日本株式を加えた『先進国株式インデックス』、
先進国23ヵ国の株価指数である MSCI World(ワールド)指数のおよそ50年間の成長の軌跡です。
(1969年~2020年5月)
いかがでしょうか?
途上で大きなアップダウンを経験しながらも、力強い成長を続けています。
もちろん、
過去の結果リターンが
未来のリターンを保証するわけではありません。
『株式市場』の強みは、
新陳代謝を現出する点にあります。
ちょっと「寄り道」してもいいですか?
あなたもわたしもそうですが、
『市場参加者』は
一体何を考えてリスクマネーを供するのでしょうか?
みな、儲けたい!(笑)
マーケット参加者の原理原則は唯ひとつ。
儲けるために行動(アクション)する!
その結果、
衰えた企業は
(自然に)市場から退場させられます。
衰退した産業も同様です。
またその後を追うように
新たな企業、新種の産業が
次々と株式市場に入場してきます・・。
異なった国・地域を包括する『株価指数』で云えば、
一つひとつの「国」の入場・退場という新陳代謝を促します。
(例えば「MSCI World指数」で云えば、新たにイスラエルが組み入れられたり、ギリシャが除外されたり、といったことです。)
〇 このような『新陳代謝』が今後も機能するであろうこと。
〇 また、自由競争による
人間の『健全な欲』が萎えることはないであろうと推察すれば、
紆余曲折はありながらも、
(今後も)続く公算が高いのではないでしょうか。
であるならば・・、
先ほどの『命題』に戻りますよ!
例えば2000万円の、
概ね15年超、
投資に回せるお金が手元にあるなら、
(まさに23年5月に一気に投資する)
C 5万円×400ヶ月 積立投資
の中では、
「A」が
もっともお金の増え方が大きくなる。
と考えるのが妥当でしょう。
なぜなら、
今まさに2000万円分を投資に回すことで、
2000万円相当のリスク資産を
もっとも『長い期間』保有することが出来るようになるためです。
ちなみに、
お金の増え方の「公式」は以下のように超シンプルです。
投資元本 × 利回り × 投資の期間
↑
なるべく早く「多めの」元本を積んだほうが、お金の増え方は大きくなります。
翻って、
C 5万円×400ヶ月の『積立投資』の場合、
まとまった額の「投資元本」に達するまで時間がかかってしまいます。
1995万円分を投資したあと、
最後の5万円でファンドを購入するのは、
33年と4ヶ月後です・・。
ここまで
理論的に見た
『一括投資』の有利さについてお話しました。
が、
投資ビギナーの人には
わたしは、
「一括投資」ではなく『積立投資』をお勧めしています。
えっ、なんで・・?
続く)
⇒【パート2】ビギナーの人に一括投資ではなく「積立投資」をお勧めする理由
カテゴリ:つみたて投資