インデックスファンドがその性能を100%発揮しても、あなたを悲しませる可能性はあります
2023年5月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
まずは
小淵(おぶち)さんのツイートから。
Q「インデックスファンドの長期投資を全否定する事になりますが、仮に80%暴落して30年以上元の株価に戻らなかったらどうしますか?日経平均のように。」
— 小淵(おぶち)🇺🇸VTI長期投資📈 (@obuchi35kara) May 4, 2023
A「どうもしない。市場平均をトレースしたのだからインデックス投資(パッシブ運用)の結果としては成功と言える。」
アンサー(A)のところ、ご注目ください。
市場平均をトレースしたのだから
パッシブ運用の結果としては「成功」と言える。
はい、
それは
その通りなのです。
もしも仮に
「全世界株式のインデックスファンド」を保有していて、
本当に80%もその価値が下がってしまい、その後30年以上元に戻らない状態になったら、あなたの資産運用は『失敗だった』と言わざるを得ません。
インデックスファンドそのものへの評価は?
その「全世界株式インデックスファンド」が、
市場平均を示す『株価指数』、
例えばMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)という指数と連動する『値動き』をきちんと果たせていたら、
金融商品として求められる機能をいかんなく発揮した。
と評されるべきでしょう。
インデックスファンドの弁)
やるべきことはきちんとやったよ。
投資家の弁)
・・いやぁ、酷い成績になってしまったよ。
こういう可能性は決してゼロではないわけです。
私たちは『インデックス投資』をついつい妄信してしまいがちです。
いつも、
どんな時でも、
適切なインデックスファンドを
それなりに長期で持ち続ければ、
隅から隅まで
私たちが望む「結果」を、インデックスファンドはもたらしてくれる・・と信じ切っている側面があります。
しかし、それは違います。
特定の指数(市場平均)と同じ値動きをしてくれる金融商品なのです。
インデックスファンドという商品の目的は、
あなたを儲けさせることではなく、
第一義に、
特定の指数(市場平均)と同じ値動きを目指すことです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
長期的に右肩上がりに推移してくれるような場合に、
あなたやわたしの資産を増やしてくれる『ツール』となります。
(もちろん、当該ファンドを持ち続けておく必要があります。)
※そしてこれまで、
主要な『株価指数』は実際、
紆余曲折はありながらも、
長期的に「右肩上がり」に推移しています。← ココ、重要。
私たちは少しだけ、
「冷静」という名の清涼水を飲んで、
〇 私たちの投資の目的と、
〇 インデックスファンドそのものの効用が、
必ず100%重なるわけではないという「事実」を
知っておく必要があるのかもしれません。
『市場平均』の、
これまでの長期的傾向が未来も続く前提で、
かつわたし自身も長期保有が貫けるという前提で、
インデックスファンドの(わたしにとっての良いほうの性能に)期待して投資を続ける・・。
これくらいの冷静さは
持っておいたほうがよいでしょう。
カテゴリ:インデックス投資全般