上がって売っちゃった、下がって売っちゃったを「経験」して、一人前の投資家に近づくのです
2023年3月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
仕事であれ、趣味であれ、人間関係であれ、
初期の『失敗談』というのは、あなたの暮らしの「物語」にあらかじめ挿入されていると云ってよいでしょう。
誰でも 失敗 はするのです(^^)
投資もまったく同じ。
この3、4年で多くの人が『つみたてNISA』を通じて投資デビューされたはずですが、以下にたいへん興味深いデータがあります。
ニッセイ基礎研究所(前山裕亮 研究員)
『つみたてNISA、意外と多い短期志向? ~積立投資と合わせて長期投資は根付くのか~』
2018年の つみたてNISA口座の買付額が931億円のうち、2019年に158億円は売却されていた。
つまり、買付額に対して17%ほど売却されていたことになる【図表2】。
なるほど・・。
ニッセイ基礎研の記事では年代別の、
2018年「買付額」に対する2019年の「売却額」の『割合』が示されていました。
画像元:ニッセイ基礎研究所
20代の『売却比率』が高いですね。
本当はいちばん『時間』があるのですが、
2019年は株式マーケットがそこそこ好調だったため、
少し利益が出た ⇒ 売却したいよ・・
という気持ちになったのでしょうか。
なにぶん、はじめての経験なわけです。
上図を見て、20代の『売却比率』が高いなぁと嘆くよりは、
そもそも20代で「つみたてNISA」を始めようと思い、
即行動に移している姿にわたしは拍手を送りたいと思います。
・投資の未経験者が、
・資産運用のフィールドにはじめて降り立って、
・しかも20代、30代でまだ若く、
・ちょっと上がったら売っちゃいたくなる、
・ちょっと下がっても売っちゃいたくなる、
という衝動はごく自然なこと。
仮に、26歳の若者が「シンNISA」で24ヶ月間
毎月2万円のつみたて投資を行い、
48万円 ⇒ 62万円くらいに増えたから、
「20万円くらい売っちゃおう」という気持ちが募って、実際20万円くらい売ってしまうという『経験』を、
26歳時点で出来ることは、
そんなに悪い話ではありません。
なぜなら投資とは短距離走ではなく、息の長いマラソンだからです。
(学びを得やすいのも、また若さの本質です)
誤解を恐れずにいえば、シンNISAという長い道のりで、
大きく価格が下がって(我慢できずに)売ってしまうという『間違い』を、『早め』に経験しておいたほうが、
大事なポイントは?
2回目、少しの利益が出たとき、
また2回目、大きく価格が下がったときに、
「おーい、あのとき一回経験しておいて良かったよ。」
なんとか踏ん張れた!
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カテゴリ:投資家の感情リスク