投資家の感情リスク

下落相場のあとにやってくる『やれやれ売り』に要注意!

2021年12月12日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたは投資信託を買いました。
長く持ち続けようと思っています。

最初その投資信託を選ぶときも、
時間と手間をかけて、

ファンドの評価のしかた、
ファンドのメリット・デメリットを丹念に調べ上げたつもりです。

 

そうして『このファンド』を持ち続けようと思っていたのに、

たとえば、の話ですが、
予想外のクラッシュが市場に起こって、

あなたが保有する投資信託の評価額が
予期せず劇的に下がってしまったとしたら・・。

 

 

あなたはこう感じるかもしれません。

 

『どうしてこんな投資信託、選んでしまったのだろう』と。

 

これは自分の選択に対する後悔の念でしょう。

あるいは自分の調査不足?、勉強不足に対する(いわゆる)自責の念も含まれます。

 

でも、ちょっと待ってください!

あなたのファンドが下がったときは、
他のファンドたちも大抵価格が下がっています。

別にあなたが悪いわけではないのです・・。

 

 

わたしにも経験がありますよ。

2000年の5月頃だったと思いますが、
自分で厳選した複数の個別株を買ったとたん、日経平均株価が下がり始めたことがあります。

そのとき思ったのは・・・

 

「なんでや?」 ← 関西弁。

 

まるで自分の株式購入が、
『市場下落装置』を発動させたみたいに、見事に下がり始めてしまったのです。

ああ、嗚呼、ア~。

 

 

あの時は自分の才覚のなさと、
外部要因である市場の無常さを見せつけられたような気持ちになったものです。

 

でも(ここも)ちょっと待ってください!

株式市場は、
あなたやわたしがいつ投資を始めたかなんて気にも留めていません。

 

『下落相場』とは誰もが必ず経験するもので、
それがあなたにとって『いつ?』になるかだけの話です。

 

 

特に超ビギナーの人へ。

あなたが勇んでつみたて投資を始めて間もなく「大きな下落」が起こったからといって、それは不幸でもなんでもありません。

あなたの選択ミスでもありません。

単に「たまたま」「そのとき」「起こった」だけ。
いくつもある『市場のシナリオ』のひとつに過ぎないのです。

 

 

 

 

つみたて投資を始めて最初の4年ほどはファンド価格が順調に上がり、そのあと『クラッシュ』が起こってしまうほうが、もしかすると心理的ダメージは大きいかもしれません。

それでも、
「なぜ、投資を始めて5年目に大きな下落が起こったか?」と問わないこと。

 

 

「理由」はないですから。
「たまたま」そのとき「起こった」だけなのです。

 

諸行無常の話みたいですが、

ここが腹落ちしていないと、
次に困ったことが起こってしまいます。

 

 

 

 

『下落相場』の発生と継続は、自分の非でも金融商品の非でもない。

ここを明確にできないと、

 

マーケットが下がり続ける中、
あなたは後悔の念に苛まれ、

(ただ、怖くてファンドの売却はおそらく出来ません。)

 

その後市場が回復して、
あなたの投資信託の価格が元の値段に戻ったときに、

あなたは保有するファンドを売ってしまうかもしれません。

これを『やれやれ売り』と云います。

 

 

どうしてファンド価格が元に戻ると
売りたくなってしまうのか?

それは自分のミスを帳消しに出来るからです。

 

自分の勝手な物差しで、

 

「どうしてあのとき投資を始めたのか?」
「どうしてあの投資信託を選んでしまったのか?」
「ワタシには才能がない・・」と、

 

必死に自分を責めても意味がありません。

 

『やれやれ売り』とは、
自責の念から起こる投資行動のひとつなのです。

(繰り返しになりますが、本当はあなたのミスではありません。

 

 

 

 

橘玲さんの名言に、
「人は誰でも自分を主人公とする物語を生きている。」があります。

投資においても、ついつい自分を
「主人公」に置いてしまいがち。

 

でも実は、
投資という行いは、

「株式市場」の自律的運動(不規則性が特徴)を利用するだけの行為で、

 

広い意味で捉えれば、
投資という現象の主人公は、マーケットそのものと云えるのです。

 

 

あなたが主人公なのではありません。

なので、あなたのせいではないのです。

 

株式市場は、あなたが保有する投資信託の値段が「もとに戻った」とか「まだ戻らない」とか、そういった知識は持っていませんし、まったく気にも留めていません。

 

 

あなたの望むようにマーケットが動いてくれない・・

それはある意味『当たり前』なのです。

 

わたしもあなたも、
株式市場がアップダウンすることは知っています。

が、

私たちの思惑を超えて、
無慈悲にアップダウンすることを、

私たちは真摯に学ぶ必要があります・・。


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