企業型DCの古臭い「バランスファンド」を、最先端の「バランスファンド」に生まれ変わらせる方法
2023年2月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
カウンセリング内で
『バランスファンド』について悩んでおられる相談者さまがおられました。
特定口座でも、
つみたてNISA(or シンNISA)でも、
いわゆるグローバル志向のバランスファンドは結構あります。
ところが、
『企業型確定拠出年金(企業型DC)』って、バランスファンドが古臭いんです・・
という声をしばしば耳にします(特に資産配分が。)
たしかに・・。
誤解がないように申し上げると、
企業型DCで「バランスファンド」をラインナップしてくれていること自体、素晴らしいのです。
それに、
企業型DCの商品ラインナップでよく見かける、
例えば(一例ですが、)野村アセットマネジメントの『マイバランスDC30』などは、
運用管理費用も極めて低く、
税込みでナント年0.154%です。
ただ、当該ファンドの
資産配分を見ると・・。
画像元:投資信託説明書
なんで
こんなに「日本の資産割合が多いの?」
(実は)先ほどの相談者さまは、
従前の『確定給付型年金』から、
まとまったお金の【移換金】が 企業型DC に振り込まれ、すでに数百万円単位の運用になっている人です。
このお客様の場合、
「運用資産全体の中で、企業型DCの占める割合がそこそこ高い」のです。
企業型DC内で「どのような資産配分を構築できるのか」が、とても重要ということ。
そこでわたしはこうアドバイスしました。
あくまでひとつの考え方(情報)ですが、
『マイバランスDC30』と、
どの企業型DCでも概ねラインナップされている『外国株式(先進国株式)インデックスファンド』を、「50:50」で組み合わせられてはいかがですか?と。
(もちろんご提案の前にリスク許容度の確認を行っています。)
『外国株式インデックスファンド』は
文字通り外国株式100%(それを半分持つ。)
そこに、
『マイバランスDC30』を、
半分だけブレンドさせる。
すると、
相談者さまの【合成ポートフォリオ】は、
外国株式・・ 55%(50%+5%)
国内債券・・ 27.5%
外国債券・・ 7.5% 【株式65%・債券35%】
となります。
あくまで「一つの事例」として捉えてください。
まだもう少しだけリスクを取れそうだと思ったら、
外国株式インデックスファンド6割、マイバランスDC30を4割、ブレンドさせても良いわけです。
すると【合成ポートフォリオ】の基本比率は
【株式72%・債券28%】となります。
その全体図を描くコツが、
つみたてNISA 資産配分おおよそ○○
イデコ・・ 資産配分おおよそ○○
シンNISA・・ 資産配分おおよそ○○
つまり、企業型DCという入り口で【株式72%・債券28%】にしたのであれば、
『特定口座』や『つみたてNISA(or シンNISA)』でも、
おおよそそれに近い「配分比率」を持つ、
例えば、「楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)」のようなバランスファンドを当てはめる。ということです。
(上記「楽天イ・バランスファンド」は新興国の株式、債券も組み入れます。)
投資の「入り口」が複数になるのは、今日の資産運用では自然な現象です。また、それぞれの入り口で運用資産額が異なるのも自然な現象。
上記のように、異なる「入り口」でおおよそ資産配分を揃えていれば、
便利でしょう?
カテゴリ:バランスファンド, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)