リタイアメント・資産の取り崩し

資産運用の旅は、あなたが思う行程の「倍の長さ」になります(なぜなら「資産形成期」+「資産活用期」= 投資であるため)

2023年2月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

例えば、です。

 

 

資産運用は、
資産を増やすだけでなく、

 

増やしたあとに
いかに効果的に資金を取り崩し、
そのお金をどう使っていくかという『技術』も必要!

 

なんて言われると、

 

 

 

 

えっ、
まだ増やしてもいないのに、そんなの関係ないよ・・

 

と思ってしまいますよね。

 

 

『新たな考え方』を提案するとき、
拒絶反応が起こるのは当たり前です。

 

が、
みんなが首を傾げたり、
疑問符が付いたりすることを、

「あえてお伝えする!」というへそ曲がりな気持ち?で、わたしはこの仕事を続けていますw

 

(20年前に
「インデックスファンドって素晴らしい!」を説いていたわたしは、立派に変人だったのです。)

 

 

ところで、書籍『つみたて投資の終わり方』を書いて以来、個人の投資の「全工程」を強く意識するようになりました。

 

それを発展させる形で
以下『新たな考え方』として、
広く啓蒙していきたいと考えています。

 

 

 

 

 

1.エンド(終わり)を意識することで、
長い投資という行いを、効果的に続けられる

 

実は資産の積み上げと同じくらい大切なプロセスが、資産の取り崩しです。

 

「資産形成」プラス「資産活用(使う)」で、個人の投資は完結するのです。

 

そのため、マラソンを走るように、
自身の『折り返し点』を早くから意識しておくことが必要でしょう。

 

 

 

 

「資産形成」→『折り返し点』→「資産活用」
 <積む>     65歳?   <取り崩す>

 

というイメージ。

 

 

前もって
資産積み上げの最終メド(65歳?)を知っておけば、

途中で波乱万丈があっても、
積み上げのゴールは「○○なんだ!」と自分を励ますことも出来ます。

 

 

2.預金(安全資産)には、効果的な『役割』がある

 

現役時代は
預金(安全資産)に重要な役割があるなんて、ほとんど実感しないでしょう。

 

安全資産とリスク資産(投資信託)の「比率」も、「えっ、それって重要?」と疑問符が付いて当然かもしれません。

 

 

現役時代は仕事をこなし、
定期収入があるわけですから、
預金(安全資産)の割合をそんなに意識しなくても、「リスクテイク」が出来る状況にあるわけです。

 

ところが、
『折り返し点』が見えてくれば、話が変わってきます。

 

 

 

 

「資産形成期」→『折り返し点』→「資産活用期」
 <積む>     65歳?     <取り崩す>

 

預金(安全資産)の割合こそが、重要になってくるのです。

 

 

なぜなら・・?


リタイアしてしまえば、
仕事からの収入はなくなり、

誰もが「現存する資産」を管理しながら生活する人、
アセット・マネージャー(資産管理者)になるためです。

 

 

リスク資産(投資信託)が大きく毀損した際、預金(安全資産)だけが資産の名目価値を守ってくれます(『防波堤』の役割を担うわけです。)

 

 

 

 

資産活用期(取崩し期)にこそ、
安全資産とリスク資産の「割合」を決定し、それを堅持することが重要になります。

 

大事なことなのでもう一度言いますね。

 

資産活用期(取崩し期)にこそ、
安全資産とリスク資産の「割合」を堅持することが重要になるのです!

 

 

端的に言って、
老後の生活に入れば、

トータル資産の『半分』くらいは、安全資産(預金や個人向け国債変動10年、円建てMRFなど)で持たれるべきでしょう。

 

 

<ここから話の矛先が変わります。>

 

 

 

 

リタイア後はどうして、
安全資産:リスク資産の『割合』を維持することが大事なのでしょう?

(ここでは
安全資産:リスク資産= 50:50を「具体例」として挙げます)

 

Aのパターン

 

実際に「取り崩し」を実践すると想像してみてください。

 

2033年。
投資信託(リスク資産)の価格が上がりました。

嬉しいです。

 

総資産も増えて、
安全資産:リスク資産= 40:60に変化しましたが、

安全資産:リスク資産= 50:50に戻すべく、

 

投資信託(リスク資産)から多めに取り崩し、その年の「取り崩し金額」を生活費としてもらいながら、一部を預金に戻しました。

 

これが、安全資産:リスク資産の『割合』を維持するということです。

 

 

 

 

ここでのポイントは、
上がったファンド資産は多めに売る。です。

 

 

Bのパターン

 

2034年。

投資信託(リスク資産)の価格が下がってしまいました。

悲しいです。。

 

総資産も減ってしまい、
安全資産:リスク資産= 60:40に変化しました。

が、

安全資産:リスク資産= 50:50に戻すべく、

 

預金(安全資産)から多めに取り崩し、その年の「取り崩し金額」を生活費としてもらいながら、一部資金で投資信託(リスク資産)を買い増しします。

 

 

ここでのポイントは、
下がってしまったファンド資産からは取り崩さない。

逆に、ファンドを買い増しする。です。

 

 

 

 

長い資産活用期(取崩し期)においては、

Aか、Bのパターンを(不規則に)ひたすら繰り返します。

 

ここまでをイメージしながら、
毎月の積立投資を頑張りましょう!ということなのです。

 

 

おそらく、
資産運用の旅は、あなたが思っておられる行程の「倍の長さ」になります。

それも案外、楽しいものです。

 

 

カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し

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