価格変動の大きさは心配のタネではなく、将来のリターンの源泉(つみたて投資は不思議なとうし)
2023年1月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしは一投資家として
常にコストのことを気にしています。
また、最小のリスクで
一定のリターンを得るには?といつも思案します。
ここでちょっとクイズです!
価格変動の大きさ = リスクと捉えた場合、
あなたなら、
Aファンド、Bファンドどちらを選びますか?
Bファンド 変動の大きさ 17 年率リターン +5.5%
もちろん「Bファンド」を選びますね。
同じ期待リターンなら、
リスク(変動)が小さいほうが賢い選択です。
ん? でも、
上記のような比較は、
Aファンド、Bファンド、
「同時に」
「一括で投資したら」という前提条件があるように思います。
200万円なら200万円、
一括して投資信託を買付け、それをホールドし続けるなら、
同じ期待リターンの場合、
リスク(変動)が小さいほうが合理的でしょう。
「じゃあカンさん。つみたて投資では違うの?」
はい、違ってくるのです。
Bファンド 変動の大きさ 17 年率リターン +5.5%
実は『つみたて投資』では、
Bファンドより、Aファンドのほうが魅力的になったりすることがあります。
えっ!?
抽象論はちょっと部屋の隅に置いておいて、
三井住友DSアセットマネジメントの宗さんが解説されているYouTubeのショート動画を覗いてみましょう。
ご覧になりましたか?
投資信託Aも
投資信託Bも、ファンド価格はともに15000円になりますから、結果リターンは同じです。
ただ、ファンドBのほうは
上がったり下がったりを繰り返しているため、
価格変動の振れ幅(=リスクの大きさ)はより大きくなっています。
実は「つみたて投資」において
運用成果がより大きくなるのは・・
「ファンドB」のほう。
これってヘンですよね。
私たちの「日常感覚」からはズレています。
投資信託そのものの結果リターンはどちらも同じで、
よりリスクが大きいほうが、
つみたて投資のパフォーマンスが「良くなる」なんて。。
でも、
「これ」がつみたて投資の本質なのです。
極端な例を挙げると、
もしも一括投資していれば、
結果リターンが『マイナス』の場合でも、
価格変動の大きさ = ブレの大きさを生かして、
つみたて投資では
運用成果が大きく『プラス』になるケースもあります。
再び、三井住友DSアセットマネジメントの宗さんが解説されているYouTubeのショート動画を覗いてみましょう。
ご覧になりましたか?
1989年から2022年って、壮大な投資期間です。
でも、
驚きです!
一括投資していれば、
結果リターンが『マイナス』の場合でも、
価格変動の大きさを生かしてつみたて投資すれば、運用成果が『プラス』になるなんて・・。
まだ「頭の中で整理し切れないよ」というあなたのお気持ち、よーく分かります。
ココでわたしが申し上げたいのは「ひとつ」だけ!
つみたて投資は、
ファンド価格が下がっても(それを)チカラに換えられる投資手法であるということ。
投資対象の価格が下がる
→「多めの口数が買える」という不思議な貯金感覚が生まれるのです。
ただし、上記日経平均株価と連動するファンドへのつみたて投資のように、その価値がどんどん下がり続ける中で、
万一つみたて投資を止めてしまえば、元も子もありません。
ファンド価格が下がり続けるときは、
「価値」のバーゲンセールで
「口数」を買い溜めしていると解釈しましょう。
苦しいとき。
うまく行かないとき。
膝を抱えて苦悶しているときにこそ、
人としての心の持ち様が問われたりします。
つみたて投資において大きな変動幅は、運用者に不安のみをもたらすのではありません。
将来の利益の源泉を育む場であたったりするのです。
カテゴリ:つみたて投資