投資信託は最悪の事態になると『何パーセント』くらい下がるのか?(調整と急落と暴落の違い)
2023年1月16日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日のタイトル、
実はリーマンショックが起こる前に、
お客様から質問されたものです。
「カンさん。
投資信託って最悪
何パーセントくらい下がるものなの?」
まだ未熟で、
お客様に対して真摯でなかったわたしは、
お茶を濁すように「20%くらいのものでしょう」と早口で言ってしまいました。
すごく反省しています。
自分の中では、
株式ファンドのリスクの大きさを、
「1標準偏差」程度で捉えておけばよいと安易に考えていたのです。
実際、暴落(リーマンショック)が起こってしまい、
結果として「投資信託って最悪
何パーセントくらい下がるものなのか?」について、
きちんとお話が出来るようになりました。
以下『具体例』です。
例えば「世界経済インデックスファンド」(世界株式50:世界債券50)のようなバランスファンドが、
最悪の1年に遭遇した場合、
(ファンド内では50%の組み入れなので)マイナス25%
世界債券 ⇒ -20%
(ファンド内では50%の組み入れなので)マイナス10%
程度の下落が予想され、
ファンド全体で見たときの損失幅は、
『マイナス35%程度』になると考えておくべきでしょう。
実際、
2008年のグローバル金融危機時には、
『世界株式』は50%超下落しました。
また『世界債券』はゆうに20%は下落しました。
(※当時は円高も同時に起こったため、為替差損という損失が上乗せされました。)
最悪の1年に遭遇した場合、株式ファンドのみを保有していたら?
約半分(マイナス50%)になると心積もりしておきましょう。
正直、この約半分(マイナス50%)という数字を聞かれてどう思われます?
『株式インデックスファンド』の期待リターンが年率5%、6%程度なのに、
起こる確率は少ないとはいえ、
最悪の1年(暴落)に遭遇してしまえば、その価値が『半分』になる可能性もある金融商品(株式インデックスファンド)を持つというのは、
正直、
割に合わないなぁ・・・
と感じてしまいませんか?
しかしながら、
これが投資信託を用いた運用の現実なのです。
投資のアップダウンは、
私たちの側ではコントロールできません。
縁起の悪い話で恐縮ですが、
最悪の1年がやって来たら、
「マイナス50%」(株式インデックスファンド)
「マイナス35%」(株式50:債券50のインデックス型バランスファンド)という数字を、胸に刻んでおくことは重要です。
パニックにならずに済みます。
参考までに・・
バランスファンドの価格が5%程度下がる、
株式ファンドの価格が10%程度下がるということは、
「しばしば」起こります。
この現象を単に『調整』といいます。
バランスファンドが10%程度下がっても、
株式ファンドが15~20%程度下がっても、
この現象はただの『急落』です。
『暴落』ではありません。
この時点で、
世界の終わりが来たかのように騒いでいては、心身が持ちません。
慌てず騒がず、仕事や家庭に時間を注いで、うまくやり過ごしましょう。
『暴落』とは
バランスファンドが20%超下がって、
株式ファンドも30%超下がって、
はじめて「暴落」と呼ぶのです。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資の発想法