NISA活用法

どうする?「ジュニアNISA」のその後・・(シンNISAにどう引き継ぐ?)

2023年1月10日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

本年(2023年)の「投資枠」(80万円)をもって、ジュニアNISAは廃止されます。

今般の税制改正大綱で、

従来は必要だったジュニアNISAの『ロールオーバー手続き』が不要となったため、同制度を利用する人には朗報と云えます。

 

でも、廃止は廃止、なのです。

 

まだ小さなお子さんがいる人は、
ジュニアNISA廃止後、
お子さんの『学資』を
どこで運用していけばよいのかお悩みかもしれません。

 

 

 

 

今日はそこをクローズアップします。

 

1.税制優遇はありませんが、
『未成年口座』で積立投資を行うという選択肢アリ。
子どもさん本人名義の口座で積立投資をする意義は大きいです。
(それそのものが、無言の投資教育に。)

 

 

あるいは、

 

2.1年待つ必要はありますが『シンNISA制度』の活用もアリ。

 

ただし・・今日のお話の前提・・。

 

当クリニックでは
お子さんの学資の準備を、
「全額」投資で賄うことはお勧めしません。

 

 

学資は必要になる時期が『確定』しているのに対して、投資のアップダウンは『不確定』であり、損益の見通しが立てにくいためです。

 

 

 

 

あなたの老後のための資産運用より、
学資のための資産運用はより『保守的』に捉える必要があります。

 

仮に月1.5万円とか月2万円、
子どもさんの学資のために「お金」が準備できるなら、

 

1/2 『安全資産』
1/2 『投資信託』で。という「組み合わせ」をお勧めします。

 

 

さて、上記前提条件を踏まえて、

2.『シンNISA制度』の活用。を選ばれた場合のお話です。

 

あなたがあなたの名義で「シンNISA」を用いて積立投資を行う中で、「投資の目的」を複線化させましょう。

 

 

 

<具体例> 以下、すべて仮名です。

米沢翔太さん(40歳)米沢陽菜さん(38歳)

長男さん(7歳)
長女さん(3歳)

 

 

米沢さんの「シンNISA」の利用目的は? 
※注 シンNISAは本年はまだ始動しません。開始は2024年から。)
長男さんの学資準備のため・・ 11年後
長女さんの学資準備のため・・・・・・15年後
ご夫妻の老後の準備のため・・・・・・・・・・・・・・27年後?

 

上記のように
複数の投資目的を「時系列化」してみましょう。

 

シンNISA制度で決まっているのは、
お一人あたり 1800万円 という『生涯投資枠』です。

 

 

 

 

文字通りの枠ですから、

例えば、
長男さん18歳時に、

大学資金用に300万円分「シンNISA」からファンドを解約しても、その元本部分については、翌年以降『投資枠』が復活することになります。

 

あるいは長女さんの18歳時に
300万円分シンNISAからファンドを解約しても、
その元本部分について、翌年以降『投資枠』が復活します。

つまり?

 

つまり「シンNISA」という器は、

 

時期が異なる
複数のライフイベントに対して、
都度「運用資産」を一部解約しつつ、
また新たに投資を行う枠が出来上がるため、家族・人生(繰り返し)投資ができる制度なのです。

 

これが従前のNISA制度にはなかったメリットです!

 

 

 

また、ファンドの使い分けも可能になります。

 

例えば、
長男さんの学資のための投資は
リスクを抑えて「バランスファンド」に。

 

それを300万円分「シンNISA」で解約後は、
元本部分について『投資枠』が復活しますが、

 

その、新たな「投資枠」については
ご夫妻のリタイア準備資金と定め、

より長期で、よりリスクテイク出来ると判断して、
「株式ファンド」に積み立てることも可能です。

 

 

要するに『投資』の複線化・・
『ファンド』の複線化・・がしやすくなるわけです。

 

 

 

 

 

もちろん注意点もあります。

 

米沢さんの「シンNISA」の利用目的
長男さんの学資準備のため・・ 11年後
長女さんの学資準備のため・・・・・・15年後
ご夫妻の老後の準備のため・・・・・・・・・・・・・・27年後?

 

とせっかく骨太方針を固めても、

 

「いつ売却しても非課税だよ・・」

「何度でも投資枠が復活するよ・・」

という誘惑に囚われてしまい、

 

いつの間にか細かい『損益』を気にし出して、

ファンドの解約 → 購入 → ファンドの解約を繰り返していけば、同制度を用いた投資の意味が消失してしまいます。

 

 

資産を大きく育てるコツは、
なるだけ『ファンド解約の機会を減らす』にあります。

 

 

 

ココは、
超便利な制度(誘惑)と、己の自制心の『戦い』になるわけです。

 

シンNISA制度は
あなたのお金の救世主になる可能性がある一方で、あなたのお金の潜在可能性を減じてしまうリスクがあることを、重々承知しておきましょう。

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