指数のお話

S&P500指数を深掘り解析してみよう!

2022年12月1日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今や誰もが知る「S&P500」。
アメリカを代表する株価指数です。

 

S&P500とは、
ニューヨーク証券取引所、
NASDAQ(ナスダック)市場等に上場する銘柄から代表的な500銘柄を抽出し、

(※ REITも含まれます)

浮動株を調整した後の、
500社の株式の、個々の大きさの比率で平均を構成して、それを指数化したものです。
(これを時価総額加重平均と云います)

 

この指数を算出する会社は?
「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」。

(同社は『企業格付け』も行っています)

 

 

 

さらに深掘りすると・・・

 

実際にS&P500という指数の中身を選定し、管理しているのは、実は『U.S. Index Committee.』
米国インデックス委員会と呼ばれるコミッティです。

 

 

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが発行する
S&P 500® The Gauge of the Market Economy』(PDF)より引用してみましょう。

※注 日本語訳はDeepLによる。

 

 

S&P500は米国インデックス委員会によって維持されています。

 

委員会のメンバーは全員、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスのスタッフのうち、常勤の専門家です。委員会は毎月開催されます。

 

 

また、あまり知られていないのですが、

S&P500は単純に
時価総額(会社の規模)が大きな順で500社を並べているわけではありません。

 

複数の「物差し」(スクリーニング条件)を保持し、複眼的に指数に採用する企業を抽出しています。

 

具体的には・・、

時価総額そのもの、
・株式の流動性(売買量)、

・その会社の浮動株の比率、
・企業の収益などが
具体的な「物差し」であり、

 

条件を満たす企業群の中から
セクター(業種)のバランスを加味したうえで、指数への採用が決定されます。

 

 

 

ここの、

 

セクター(業種)のバランスを加味したうえで

 

という部分は重要で、

 

近年はS&P500の中の、
アップルやグーグルやアマゾンなど、
テック企業が注目を浴びていますが(実際、S&P500の組入れ上位に並んでいますが、)

エネルギーや医薬、金融、小売なども
『まんべんなく』組み入れられるのが特徴なのです。

 

また、S&P500の時価総額だけで、
アメリカ株式市場(ニューヨーク証券取引所、NASDAQ市場)に上場する全企業の80%程度を占めており、

おおむね米国株式全体の動向を映しているといえるでしょう。

 

 

で、今日のワタシはこれだけでは終わりません(笑)

 

 

 

 

もっとマニアックに「S&P500」を掘り下げてみましょう。

複数のスクリーニング条件を掲げて、採用銘柄を決定する。
の、

 

『複数のスクリーニング条件』
さらに具体的に述べれば、

 

・米国企業であること
・時価総額が53億ドル以上あること
・四半期連続で利益(黒字)を維持していること
・株式に流動性があって(売買量を指すと思われる)、
浮動株が発行済株式総数の50%以上あること

 

などが挙げられます。

 

 

・米国企業であること

の部分は、
さらに深掘りすることが可能でしょう。

 

 

 

 

S&P 米国株価指数 メソドロジー』(PDF)の中の、

 

「適格性基準」のところで、
次の文言が挙げられています。

 

. 米国における固定資産及び売上が全体の大部分を占めていること。ただし 50%を超えていなくてもよい。

 

 

これらの要素が矛盾している場合は、米国の固定資産が大部分を占めているかによる。資産情報が不完全な場合は、米国の売上が大部分を占めているかによる。

 

 

売上及び固定資産の配分に関する地域別の情報は、企業の年次報告書の内容に基づいて判断される。

 

なんだか細かくてちょっと官僚主義的文章ですw

 

それでも、
事細かく、細心の注意をもって「指数」が管理されていることが分かります。

インデックス投資家の投資は、
『指数』に依っているわけです。

 

〇 関連記事
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