100年ライフプラン, お金の摩訶不思議

どうして「金銭教育」が重要なのか?

2022年11月17日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今年4月から、
高校3年生の家庭科の授業で、
『金融教育』が始まりました。

公的な機関が主導して、
公的な教育カリキュラムの中に、
『お金のこと』が加わったのは画期的でしょう。

 

カリキュラムの内容は
金融庁のサイトで誰でも見ることが出来ます。
(すべてのスライドを網羅的に確認できます)

 

 

 

 

「金融経済教育」と謳っているため、
家計管理から資産形成にまで内容が及ぶのですが、

わたしは、
家計管理の部分と、
資産運用的な箇所は、

『まったく別物』と考えています。

 

もっとはっきり言いますと、

高校生にとって重要なのは、

「金銭の教育」であり、
「投資の教育」ではありません。

 

 

『金銭教育』こそ、
中立的に
注意深く
(かつ)出来るだけ具体的事象を掘り下げて、
学生の皆さんに伝えるべきと考えます。
(あくまで公の機関が主導して!)

 

 

そういう意味も含めて、
金融庁のカリキュラムはよく出来ていると思います。

何しろ、
1.家計管理とライフプランニングの最初のスライドが、

 

 

 

 

ですから!

 

また、以下も
とても実践的なスライドです。

 

 

 

 

住居費、通信費、食費など
各支出項目で
どの程度お金がかかるものなのか・・

『基準』となる数字を学生時代に知っておくことは、

収入と支出を知り、
収入の範囲内で家計をマネジメントしていく「出発点」となるでしょう。

 

 

お金を「稼ぎ」
お金を「使い」

あなた自身が主導権を握ってお金を「管理」できて初めて、
お金を「貯める」に辿り着けるわけです。

 

この「貯める」を、

ただ技術的に
「どうすれば貯められるようになるのか?」でなく、

 

何のために「貯めるのか?」という視点を、学生諸君に持ってもらうことが「金銭教育」の目的だと思います。

 

 

 

 

よい文章↑ですよね。

 

より良く暮らしのために、
お金のことをしっかり知ることがカギとなる時代です。

 

そのメッセージを
繰り返し(分かりやすく)伝えることが『金銭教育』の目的。

 

 

逆説すれば、
「稼ぎ」「使い」「貯める」の流れの中で、

ブレーキの役を担ってしまう、

『金利の支払い』については深い解説が為されるべきでしょう。

(ここはカリキュラムの「5.借りる」に関連します。)

 

 

わたし自身の苦い記憶でいえば、
最初のクルマをフルローンに近い形で購入し、
(※当時、年9.5%のオートローンでした)

ローンを返済するのに6年もかかったことを思い出します。

 

毎月の返済額のみに注目してしまい、
自分が元本の返済以外に、
金利の支払いを金額ベースでいくらぐらい行っているかに無知であったのです。

(もちろん、これは住宅ローンも同じ仕組み。)

 

 

あるいは、
クレジットカードローン(リボ払いを含む)の金利の高さ、そのコストの大きさについても十分に周知されるべきでしょう。

 

 

『金利』(支払うほう)という用語の意味を習得することはたいへん重要です。
なぜなら、それは(のちのち、)資産形成における『金利』(もらうほう)への入り口となるためです。

 

 

 

 

 

最後に、
公の機関による「金銭教育」がどうして重要なのでしょうか?

 

収入の範囲で支出を行い、
少額でもいいので「貯蓄」の習慣を身に付けましょう、という骨子部分は、もっとも『ビジネス』から遠いトピックであるためです。

 

野村證券や、

 

 

 

青い森信用金庫とマネックス証券や、

 

 

 

その他営利の金融機関が行う『金銭教育』では、
伝えるべきコトの焦点がズレる可能性があります。

(営利の金融機関の「色」は必要なく、かえって有害になり得ます)

 

学生に対して行う「金銭教育」では、

それこそ金融庁が予算を組んで
NHKの『Eテレ』の枠を購入して、
あくまで中立的にそのコンテンツを流し続けるべきだとわたしは思います。

 

ビジネス、経済的利得から、できるだけ距離を離して『金銭教育』は行われるべきでしょう。

 

 

お金についての啓蒙は、
お金(ビジネス的利得)が絡んではダメなのです。

 

 

金融の知識を蓄積することで、
若い人たちがマルチ商法や詐欺まがいの投資話に騙されない効果も期待できるでしょう。

 

ぜひ一度、以下スライドを確認してみてください。

40歳のあなたにも、十分勉強になる内容です(^^)

 

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