経済よもやま話

S&P500指数が6%アップしても、円高ドル安に振れたら、米国株式インデックスファンドは上がらない?(為替は不条理なリスク)

2022年11月16日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

昔から言います。

 

テキトーに金融商品を買ってしまうと、
テキトーな損しか経験できません。

 

 

あなたが保有する投資信託の価格が
上がっても下がっても、

「どうしてそういう事が起きているのか?」という分析は必要でしょう。

 

 

 

 

今、急に揺り戻しが起こって
ドルに対して「円高」に振れています。

 

 

(直近1ヶ月)

 

1ドル150円の地点から見ると、
7%以上も円が高くなっています。

しかもあっという間に。

 

いっぽうこの1週間ほど、
アメリカ株式市場も急騰しており、

 

仮にS&P500指数が7%上がったとしても、

S&P500インデックスファンドの価格が『ほとんど変わらない。』

という事態は起こり得るわけで。

 

なぜなら、

 

円高ドル安 →  為替差損 -7%
S&P500指数 →   上昇    +7%

 

という事があるためです。

なんだか解せないですね。

 

 

 

 

そもそも、株式市場そのものの値動きが解せない。

理屈で考えても、
株式の動きは理解しづらいことの連続なのに、

「為替」はそれに輪をかけて、
半ば『不条理に』アップダウンします。

 

専門家の間でも、
為替レートの変化は、株価以上に予測が難しいと言われる所以です。

 

為替と株価をマトリックスにすると
以下『4つのパターン』に分類されます。

 

 

円高 円安
株価 ↓ 最悪 そこそこ
株価 ↑ そこそこ 最高

 

 

この数年でつみたて投資を始めた人は、

「最悪」と記される、
『円高』『株安』の状態に(まだ)遭遇していません。

が、それもいつか経験してしまうと思っておいたほうが無難です。

 

 

長く投資を続ければ続けるほど、
上記4つのパターン、すべて経験するのです。

 

 

 

 

ただし、長期投資の本質は、
株式市場が(紆余曲折はありながらも)長期的にその価値が成長することにあります。

 

為替の利益や、
為替の損失は

長期投資における『おまけ』です。

メインではないのです。

 

 

(ついでに申し上げれば、
まだ積み立てを始めて数年の人は、
今まで積んだお金より、
これから先、積んでいく資金のほうが圧倒的に大きいわけですから、
ほんとうは『円高』『株安↓』のほうが 最高!と形容できる状態であるはず。)

 

 

為替レートのアップダウンは「おまけ」であり、
かつ、センチメントに(感情的に)大きく揺れるものですから、

一つの指標として、

 

民放のニュース番組などで、

「円安」⇒「外貨建て預金」に人が殺到!みたいなニュースを流し始めたら、円安のピークと憶えておきましょう。

 

 

 

(上記は10月26日のANNのニュースです)

 

 

ちなみに、
円ドルは値動きが激しいですが、

この1ヶ月間、
「円ポンド」「円ユーロ」は、円ドルほど、大きく動いてはいません。

 

 

 

 

 

 

私たちは、
『銘柄の分散』を行うことに安心感や合理性を感じますが、

それと同じように、
「株式インデックスファンド」に投資を行う際、

 

『通貨の分散』
すなわち、さまざまに異なった通貨建ての株式に投資が行える点に、もっと『安心感』や『合理性』を感じてもよいのではないでしょうか?

 

S&P500インデックスファンドではそれが出来ませんが、全世界株式インデックスファンドなら、それが出来ますよ(^^)

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