インデックス投資全般, 投資信託あれこれ

三菱UFJ国際投信が野村アセットマネジメントを抜いて投信残高首位になった理由

2022年11月15日

こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

YouTubeなどを観ていますと、

投資の世界では
「何を買うべきか?」という問いに
さまざまな人がエンタメ的に答えてくれています。

 

投資の手法がどんなものであれ、

結局のところあなたのスタイルは、

 

・「何を買うか?」プラス
・「どんなふうに買うのか?」の
『組み合わせ』によって決まります。

 

 

「投資商品そのもの」×「資金の入れ方」で
はじめて『ひとつの投資スタイル』が確定するため、

「何を買うべきか?」は、
(実は)答えの半分しか示していません。

 

 

 

 

この100年近く
日本人の投資家は、

・「日本の資産を買う」と、
・「まとまった資金で一度に買う」というスタイルしか知りませんでした。

 

 

長年それしか選択肢がなく、

未だに、
「日本の資産を買う」×「一度に買う」の、
呪縛に捉われている人が大勢います。

 

わたしの父などそうです(^^)

 

 

今は残念ながらリンク先が見当たらないのですが、
いぬデックスさんの記事
『宇宙人視点で地球に投資』から引用させてください。

 

 

世界経済の中心である
アメリカ合衆国はともかく、

 

その他大勢の一員としては、
まさにインデックスファンドのおかげで世界へと視界が広がったわけです。

 

日本も、外国も、簡単に言えば
「儲かるかどうか」という同じ基準で
投資を考えることができるようになりました。

 

これは大きな変化でしょう。

 

 

 

 

投資の視野が一気にフラットになって、
世界の隅々まで
広く見渡せるようになった感覚です。

 

いぬデックスさんも
書いておられましたが、

一度この「視野」を体感してしまうと、

日本の中だけで個別株やセクターを見たり、
あるいは、
伝統的な売られ方をする投資信託のみを物色する世界には(もう)戻れません・・。

 

 

近年、つみたて投資に参入してきた多くの個人投資家は、そういう意味で、自然に『ホームバイアス現象』を克服できているのです。

 

 

 

 

いまだ決済通貨の縛りや、
税制の縛りなどはありますが、

インデックスファンドやETFを通じて
世界中の個人投資家が、

無国籍人的?なグローバル投資を平然と実践し、
「広く浅く分散投資をすること」が共通言語にまでなっています。

 

メキシコ人のパブロさんも(スペイン語で)VTIについて話しています。

 

 

そして次に
「どう買うのか?」です。

 

 

新たに参入する「投資家」のうち、
多くの割合を占めるのが
毎月サラリーをもらうビジネスマンであるため、

「まとまったお金」で「一度に買う」というよりは、

「定期的に」「一定額で」「けいぞく的に買う」というつみたて投資がマッチするようになります。

 

 

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を例に挙げましょう。

当該ファンドが連動を目指すS&P500指数は、
年初来で見ると
16%ほど「マイナス」になっています。

 

ところが、
当該ファンドには(昨年の11月、12月の頃の勢いはないものの、)毎月コンスタントに400億円超の「純資金流入」が続いているのです。

 

 

 

画像元:モーニングスター

 

米国市場そのものは、
アップダウンの激しい不安定な状況であるにも関わらず、です。

 

上記グラフから、
当該ファンドを保有する人のうち、

相当割合の人が『定時・定額』で資金を投じている・・
即ち、つみたて投資を実践していることが分かります。

 

 

マーケットのボラタイルに関わらず、
腰を据えた中長期のお金が流入し続けている・・
これこそが投信市場における「新たな現象」なのです。

 

 

野村アセットマネジメントをはじめ、
大手の運用会社が、

野村證券をはじめ、
大手の(投信)販売会社が、

長年育てることを怠ってきた「新しい投資家層」が今、育ちつつあります。

 

冒頭、

・「何を買うか」プラス
・「どんなふうに買うのか」がスタイル。と申しましたが、

 

・グローバルな分散を施すインデックスファンド(ETF)を、
・規則的(かつ)けいぞく的に買い付けていく(つみたて投資)

これこそが「新たなスタイル」なのです。

 

 

 

 

そしてこのような投資手法の実践が
世界・同時進行的に起こっているのです。

私的年金制度である
確定拠出年金的な仕組みの普及も、上記を後押ししているでしょう。

 

 

投資家の『主軸』が、
大金を有する富裕層や機関投資家から、
定時・定額のつみたてで
グローバルに投資を行う数多の個人投資家にシフトしているからこそ、

 

 

本年10月末時点で、
ETFを除く公募株式投信の預かり資産残高において、

三菱UFJ国際投信が10兆7000億円と、
野村アセットマネジメント(10兆5900億円)のそれを上回ったのです。

 

 

 

海外株で運用する低コストのインデックス投信が、若者層を中心に積み立て投資の需要をとらえた。

 

もう、
「日本の資産を買う」×「一度に買う」時代に戻ることはないのです。

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