リタイアメント・資産の取り崩し

積立投資は「定額」なのに、どうして取り崩しは「定率」にこだわるのか?

2022年11月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

わたしは個別相談などで、

資産の「取り崩し期」を、
資産の『積立期』と同じようにイメージしましょう!と申し上げます。

 

どちらもコツコツ、
規則的に(かつ継続的に)
資産を積んだり、資産を取り崩したりするわけです。

 

 

山を上る道程も、
山を下る道程も、
同じ「登山」のプロセスですよね。

 

 

 

 

 

ところが、
投資信託の「積立」と「取り崩し」では、
その根本部分で『大きな違い』があります。

 

ここを理解することは、

登山(=生涯投資)において、
山の上り方と、山の下り方の「相違点」を理解することにつながります。

 

まず「積立投資」を思い出してみましょう。

 

積立投資とは
「定時・定額」で資産を買っていくことです。

 

(例えば)つみたてNISAなどで、
毎月3万円「インデックスファンド」を積み立てよう!

 

 

では「積立期」は
どうして『定額』でお金を積むのでしょうか?

答えはカンタン。
それが理に適っているためです。

 

毎月3万円の積立投資を続ける中で、
ファンド価格が高い時は?

買える「口数」が減ります。

逆にファンドの価格が下がると、
同じ3万円の積立でも
買える「口数」は増えます。

 

不思議ですね・・。

 

 

 

 

あなたが「定時・定額」の積立を続けるだけで、

 

ファンド価格が高い時は『少なく』買い、
ファンド価格が安い時は『多めに』買うという「自動調整作用」が働くのです。

 

 

考えてみますと誰でも、

資産価格が高いときは少なめに、
資産価格が安くなったときに多めに買いたいですよね。

「定時・定額」の積立投資は、
そもそもが合理的なシステムなのです。

 

長年積立投資を続けてきた人は
この「成功体験」があるため、

取り崩し期でも同じように
「定時・定額」で資産を崩していこうと思ってしまいがちです。

 

 

 

 

仮に毎月3万円分、
「インデックスファンド」を取り崩していくとどうなるのでしょうか?

 

毎月3万円の『取り崩し』ですが、
ファンド価格が高い時は?

受け取る「口数」が減ります。

逆にファンドの価格が下がると、
同じ3万円の取り崩しでも、
受け取る「口数」が増えてしまいます。

 

ん?

 

 

これは言い換えると、

 

同じ「取り崩し金額」でも、
ファンド価格が高い時は少なく解約し、
ファンド価格が安くなると多く解約してしまうことになります。
これこそが「定時・定額」取り崩しの欠点です。

 

 

ズバリ申し上げると、
「積立時」とは逆の効果が生じてしまいます。

 

長い取り崩し期において、もっとも気になることは?

気前よく資産を取り崩し過ぎて、
資産が大きく減ってしまうことです。

 

 

いちばん避けたい『取り崩し』とは?
総資産額がけっこう減ってしまった年に、
前年と同じ「取り崩し額」で資産を崩してしまい、
あちゃー、資産がずいぶん減っちゃったよ。という『事態』ではないでしょうか。

 

 

長い「取り崩し期」では、
なるだけ理に適った『取り崩し』を実施しながら、
かつ、資産の持続率も高めておきたいわけです。

ですよね?

 

 

 

 

そのためには?

ファンド価格が高い時に『多め』に取り崩し、
ファンド価格が安い時は『少なめ』に取り崩す。

これこそ、資産を長持ちさせる「秘訣」ではないでしょうか?

 

 

残念ながら「定時・定額」の取り崩しでは、

ファンド価格が高い時に『少なめ』に取り崩し、
ファンド価格が安い時に『多め』に取り崩してしまいます。

 

そこで・・
『定率』の取り崩し法が登場するわけです。

 

 

「定時・定率」取り崩しを実践すれば、
ファンド価格が高い時に多めに取り崩し、
ファンド価格が安い時は少なめに取り崩す。が、自然に実行できます。

 

今、2000万円分のインデックスファンドを保有しているとしましょう。

3%の取り崩しを実施すると、
取り崩し金額は60万円です。

 

 

 

 

<次の年。>

ファンドの時価が2400万円に増えました。

同じく3%の取り崩しを実施すると、
取り崩し金額は72万円に増えます。

 

 

<ところがその次の年。

株式市場が暴落してしまい、

ファンドの時価が
1700万円にまで減ってしまいました。

同じく3%の取り崩しを実施すると、
取り崩し金額は51万円に減ります。

 

 

すなわち『定率』取り崩しでは、

 

資産が増えた年は『多め』に取り崩し、
資産が減った年は『少なめ』に取り崩すという「自動調整作用」が働くわけです。

 

 

 

 

もちろん「課題」もあります。

 

「定率取り崩し」では必然的に、
毎年毎年の『取り崩し金額』がバラバラになってしまいます。

 

慎ましく、
毎月「定額ベース」で暮らすことが
リタイア後の生活の基本ニーズなのに、

公的年金以外の部分で『もらえるお金』が変動することになります。このアップダウンを暮らしの中で受容し、お金の使い方を創意工夫できるか否かが(意外と)重要になるのです。

 

 

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