確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCoと企業型DCの攻防

2022年10月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

物事には相互作用というものがあります。

同じようなサービスを提供する複数の窓口では、自然と『競争』が起こります。

 

 

 

 

これまで我が春を謳歌し、

 

「この外国株式インデックスファンド、ちょっとコストが高めだけど、まあ、企業型の確定拠出年金なんだし、
導入先の企業も、従業員もあんまりうるさく言わないし、このままでもいいんじゃないの?」

 

 

的な姿勢だった、

企業型DCの運営管理機関(窓口の金融機関)が、ちょっと姿勢を正し始めているのです。

 

 

この10月から
企業型DCの加入者は原則、iDeCo(イデコ)にも加入できるようになったためですね。

 

いわば、
自分たちのサービス加入者が、

『自分たちとよく似た、より良い?サービス』= iDeCoを知ってしまう状況がやってきたわけです。

スパイクさんのツイートをどうぞ。

 

 

 

ほぉー。

 

競争原理が働くと、
商品の「新陳代謝」がこんなにも早く起こるものなのですね。

これは良いこと。

 

ただし、

「iDeCo口座も開けるようになったから、
企業型DC加入者の人は必ずイデコも始めましょう!」というわけでもありません。

 

iDeCoでは最低でも月171円、
口座の『維持コスト』がかかります。

 

いっぽう企業型DCでは
掛け金の拠出期間中は
このコストを企業が肩代わりしてくれます。

この「差」は大きいです。

 

現に水瀬ケンイチさんは以下のような選択をされています。

 

 

今現在、
特定口座、NISA、そして企業型DCという3つの窓口で、「つみたて投資」を行っている人が珍しくありません。

企業型DC内の『商品ラインナップ』がそこそこ揃っていれば、資産管理のしやすさを優先させて、あえてiDeCoは開設しないという選択肢もアリでしょう。

 

 

そしてFPの井上ヨウスケさんのご意見を。

 

 

ハイ。

上述の通り、
企業型DC内の『新陳代謝』が少なからず起こってくるなら、様子を見るというのも立派なチョイスです。

 

わたしが企業型DCの加入者なら、
人事なり総務なり「担当部署」に問い合わせてみます。

 

「あのー、企業型の確定拠出年金の商品ラインナップを入れ替える可能性ってないのですか?」と。

 

 

iDeCoの存在がきっかけとなり、
『企業型DC』内で、

 

例えば、
・新興国株式インデックスファンドや、

・時価総額加重平均に則った、
グローバル分散型のバランスファンドや、

・全世界株式型のインデックスファンドや、

・REITのインデックスファンドや、

・より継続コストが低いファンドが

 

整備されてくれば、利用者の「利便性」が高まることは間違いありません。

(今年3月末時点で企業型DC加入者は782万人にも上るのです)

 

 

 

 

また、仮にiDeCo口座も開設するとなった場合、
iDeCo側の「掛金限度額」がいくらになるかは、

2024年の、
制度の二次改正も踏まえて、式がやや複雑になるので注意が必要です。

 

 

画像元:日経新聞『iDeCo会社員「全入」へ 掛け金上限が選択分ける』

 

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