インデックス投資全般, 投資家の感情リスク

インデックス投資の『ブーメラン現象』とは?

2022年10月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

もう10年も前のお便りです。

関山さん(仮名)という人に
カウンセリングをお受けいただき、
その後ご丁寧なメールをいただきました。

 

メールの中で関山さんは、
中国人のご友人のお話をされていました。

(その友人とはしばしば投資の話になるのだそう。)

 

 

 

 

以下、関山さん(仮名)のご了解を得て、
転載させていただきます。

※このお話は2012年当時であることをご承知おきください。

 

 

友人は
「円安になっているから、ドルを買った。95円で売るつもり」と言います。

 

彼女は以前から投資に積極的で、株も保有しています。

 

 

ただ、証券マンに勧められて購入したので塩漬け株も多く、
実質的にはマイナスになっていること、

現在は金(ゴールド)も値上がりしているので、金も購入しようか検討中・・と話していて、

 

 

 

「関山さんは数年前から投資をしてるけど、結果はどうなの?」と聞かれました。

 

 

彼女とは、よく投資の話もするのですが、
毎回私が「落ち着いている」のが不思議だったようです(笑)

 

 

私が順調だ、と答えると、
何を購入しているのか聞いてきましたので
「インデックスファンド」と銘柄を伝えました。

 

「ああ、以前貸してもらった本に出ていたアレね・・・」と彼女。

 

 

そうです、私は以前彼女に
カンさんの本を数冊貸したことがあるのです。

 

 

彼女は、中国の大学院を出て、日本の大学も卒業、
現在も大企業の一線で働いているエリートですが、投資となると、その時その時の情報に飛びつくようで・・・

 

 

「儲かった」「損しちゃった」と
一喜一憂していることがよくあります。

 

 

今回、私がまた落ち着いている様子に、
「私がやっていることは投機になっているのかも」と言い出して、「もう一回、本貸して!」と言ってきました(笑)

 

 

 

人それぞれに「スタイル」があるので、
インデックス投資がすべてではないと思いますが、
彼女も忙しく、投資にだけ時間を割いていられないよう・・。

 

 

カンさんの言うとおり
運用を「時間」に委ねるのも一つの手だと思うのです。

 

彼女がこれを機に、インデックス投資家になってくれたら、これまで以上にいろんなことを話せるなあ・・と思っています。

 

 

関山さん、ありがとうございました(^^)

 

 

 

 

 

そうですね。

 

運用を、
自分が必死で操るべきもの。
と捉えるか、
運用を、
長期の時間に委ねるべきもの。
と捉えるかは、
『運命の分かれ道』とでも云うべき大きな違いとなります。

 

 

投資において重要なことは、
投資そのものとの「距離」の取り方なのでしょう。

 

足が早い情報、
短いサイクルの情報は、笑ってゴミ箱に捨ててよいのです。

 

また、スマホにダウンロードしている、
証券会社のアプリや資産管理アプリは
もしかするとあなたにとっては『有害』なのかもしれません。

 

月並みですが、
知識をたくさん得ることが重要なのではなく、

自分が納得のいく投資のやり方と出会い、
感情として「腹落ち」することが重要。

 

 

 

そして実際、
自分が納得する投資スタイルと「出会う」のは、そうそう簡単なことではありません。

多くの人は最初、右も左も分からず、もう闇雲に、実にいろいろな投資を経験するわけです。

 

 

 

 

さまざまな投資法を実践され、
よい思いも、悪い思いも経験し、よくよく逡巡して、

最後に「インデックス投資」に
戻ってこられるというパターンも意外と多いのです。

 

わたしはこれを、
インデックス投資の『ブーメラン現象』と呼んでいます。

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