投資に回せる500万円があるのに、どうして一括投資をお勧めしないのか?(特にビギナーのあなたへ)
2022年9月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は『結論』から・・。
つみたて資産が少しずつ増えていく過程と、
あなたが投資に少しずつ馴染んでいく過程が『シンクロ』すること。
これが「つみたて投資」最大のメリットです。
詳しく見ていきましょう。
以前、フクリさんのブログ記事で
【ドルコスト平均法はリターンを上げるためのものではない!? 】というものがありました。
(残念ながら現在はリンクが見当たらないようです)
つみたて投資は
万能な投資手法ではありません。
(一括投資に比べ)
リターンが高くなるというわけでもありません。
一例ですが、
向こう10年、
投資信託の値動きが
こんな感じになれば、
一括投資のほうが
(つみたてより)有利になります。
たとえば、
『全世界株式インデックスファンド』に投資を行い、
→ 経済のパイが10年で大きくなり、
→『全世界株式インデックスファンド』の
価格が真っすぐ上昇している・・
というのが上記のイメージですね。
この場合、
「まとまった投資元本」を早く入れてしまったほうが、
より「大きな投資元本」で
より「長く(期間)」投資が行えるため有利になります。
もちろん、
向こう10年の
投資信託の値動きが、
こんなふうに推移すれば話は別です。
(上記では、つみたて投資のほうがリターンは高くなります)
巷では
『一括投資』VS.『つみたて投資』がよく議論されます。
しかし、投資家のメンタル面に焦点を当てて、詳細が語られることって少ないのではないでしょうか。
わたしはアドバイザーとして
特に初心者の方には
『一括投資』をお勧めしません。
たとえ手元に「500万円」の投資に回せるお金があっても、です。
(投資ビギナーの場合)
500万円という投資資金の「重さ」が釣り合わないためです。
例えば当クリニックでは
「拡大つみたて」と称して、
500万円の『まとまった資金』を
(わざと、)
「10万円×50ヶ月」とか、
「20万円×25ヶ月」の『つみたて投資』の形にして、
500万円分の投資実行に至るまでに
25ヶ月~50ヶ月の「猶予」を設けることをお勧めします。
(※ 期間はあくまで一例です)
上記を実行して、
たとえ「一括投資」に比べ
リターンが劣ることになっても、
『つみたて形式』をお勧めします。
そこで あなたは疑問に思うかもしれません。
「その、25ヶ月~50ヶ月って
何のための『時間』なの?」
それにお答えする前に、
冒頭のフクリさんの記事内から
少し引用させてください。
インデックス投資家は、
ポートフォリオに悩み、
コストの安いファンドに
乗り換えるべきなのか悩み、
積み立て額に悩み、
悩みながら少しずつ成長してきます。
投資の過程で、
迷いながら成長することが
とても大事なことです。
成長する前に一括投資をすることが
正しいことだとは思えません。
格好いい文章ですね。
生真面目で、
気持ちがふらついてしまう投資ビギナーには『勇気』が湧く言葉ではないでしょうか。
実は上述の25ヶ月~50ヶ月という「時間」は、
あなたが投資家として成長するための『猶予期間』なのです。
あなたもわたしも、
最初は誰もが「超ビギナーの投資家」。
よちよち歩きの個人投資家にとって、
『最初の数年間』ほど
大切な時期はありません。
この時期を
無事乗り越えられるか否かで、
その後10年~20年に及ぶ、長期航海を続けられるか否かが決定します。
投資家としての
もっともセンシティブな時期に、
「拡大つみたて」を実践すれば、
『時間的猶予』が生まれます。
その時間こそ、
あなたが悩みながら
(投資家として)成長していく『とき』なのです。
リスク資産が少しずつ増えていく。
あなたが(投資家として)少しずつ成長していく。
この『同時性』こそ、
つみたて投資最大のメリットと考えます。
カテゴリ:つみたて投資