「バランスファンド」の退屈な自動調整機能が脚光を浴びる日
2022年9月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
クルマの運転といえば、
「自分で」するのが
当たり前とされています。
しかしそう遠くない将来、
「自動で」
運転してくれるクルマが登場することでしょう。
自ら運転する車も、
自動運転車も、
「行き先」に到達するという目的は同じです。
投資の世界でも
株式、債券など資産の分散を、
複数のファンドで
「自分で」組み合わせる方法もあれば、
資産の分散などを
「自動で」行ってくれる『バランスファンド』という選択肢もあります。
後者のほうは多少退屈で
面白味には欠けるのですが、
それでも「ああ、なるほど」と
理に適った部分もあります。
仮にあなたが「自分で」
株式ファンド50%:債券ファンド50%という組み合わせを作った場合はどうでしょう。
上記二つのファンドの保有『比率』にズレが生じます。
株式60%:債券40%のように変形したとしましょう。
自分で比率を元に戻す必要があります。
いや、正直に言うと
「株式ファンド」の価格が上昇して資産全体が膨らんでいるわけですから、
「比率を元に戻す必要アリ」に対して、
えっ、でも別に、そのままでもいいんじゃねぇ。という気持ちが湧いてしまったりもするわけで。
60%:40%の『比率』のまま
漫然と二つのファンドを持ち続けたりします。
しかし『バランスファンド』(例えば、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型))で保有していれば、
株式50%:債券50%を維持するのが運用会社の仕事ですから、
株式が上昇するにつれ、
債券の購入割合を増やして『50:50』を堅持してくれます。
「逆の場合」もちょっと想像してみましょう。
自分で二つのファンドを組み合わせるケースですよ。
株式ファンド50%:債券ファンド50%の保有『比率』は、
こちらは、資産全体がどんどん減っている状況ですから、どうしても積極的に行動する意欲に欠けてしまい(= 慣性の法則が働きますから、)
漫然と同じ姿勢を続けてしまったりします。
しかしバランスファンド(株式50%:債券50%)なら、
株式が下落するにつれ、
株式の購入割合を増やして『50:50』を維持してくれます。← それが運用会社の仕事ですから。
つまり?
価格が上昇し続ける資産の購入は控え、
価格が下落し続ける資産の購入を増やすという【自動調整作用】が働くわけです。
この仕組みはREITを加えた
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」などでも同じです。
感情が揺らぐ人間と違って、
バランスファンドは
「鋼のハート」を持って随時補正を行います。
このように随時「リ・バランス」を
自動で行ってくれる特性は、
どのようなマーケット環境でもっとも威力を発揮するのでしょうか。
米ドルベースではありますが、
アメリカの株式市場、債券市場を例に挙げると、
2021年 株式「高騰」 債券「変わらず」ほぼゼロ金利
2022年 株式「急落」 債券「下落」(金利上昇)
株式「上昇」 債券「上昇」(金利低下)
また、 株式「急落」 債券「下落」(金利上昇)
(ジャクソンホール会議の直後。)
そしてまた、株式「上昇」 ← 今、ココ。
というふうに、もうアップダウン、ダウンアップの『連続』です。
そんな市場環境の中でも
「バランスファンド」なら、
価格が上昇する資産の購入は控え、
価格が下落する資産の購入を増やすという「自動調整作業」を行ってくれるわけです。
最後に、
「自分で」組み合わせて投資を行うのも、
「自動で」バランスファンドに組み合わせてもらい投資を行うことも、
資産を増やすという『行き先(目的)』は同じですね。
カテゴリ:バランスファンド