インデックス投資全般

『バロンズ』バンガード創業者が残した成功の秘訣より

2022年8月16日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ウォール・ストリート・ジャーナルに以前掲載されていた、こちらの記事を読みました。

 

 

実はこの記事は、
バンガードの創業者
ジョン・C・ボーグル氏が2007年に執筆した未発表のコンテンツなのです。

 

 

 

 

わたしは氏のことばに触れるたびに、
心が浄化されると感じます。

雑念や、
飾られた雑多な情報がそぎ落とされるのです。

 

「本質とは何か?」の部分に
戻っていく自分を発見します。

たとえば、
ボーグル氏の次のことばです。

 

成功する投資には、
高度な知識や複雑さは必要ない。
必要なのは常識的な見方だ。

 

潔く、完結した言葉だと思いませんか?

 

 

私たちが日常生活の中で培った
「健全な懐疑心」も、

(実は)投資の中で自然に生かされているのです。

「投資」だからといって、
何も『特別なコト』が必要なわけではありません!

 

 

 

 

思い返してみれば、
ジョン・C・ボーグル氏が初めて
個人向けのインデックスファンドを作った頃、

氏は半ば「変人」扱いされていました。

 

ところが、
インデックスファンドの事業が成功を収めると、
一転して「時代の寵児」としてもてはやされ、

そして晩年には
「聖人」にまで祭り上げられました。

 

でも?

 

でも、

ボーグル氏自身が言っていることは、
(若い頃から)一貫しており、
何ひとつ変わっていないのです。

 

変わったのは、
世間の、氏に対する見方のみ。

 

 

 

 

また氏は、既存の金融機関の
惰性、甘えを一喝する姿勢を
(長い時間が経ったあとも)変えていません。

 

たとえば、
上記記事内でも
次のように語っています。

 

ウォール街の金融サービス会社からは、
この自明の理を
少なくとも表立って聞くことはないだろう。

(※ 自明の理とは、投資には
高度な知識や複雑さは必要ないということ。)

 

 

その代わり、
投資は非常に複雑だということや、

自社のアドバイスやマネジャー、
リサーチ、専門性こそがクライアントの投資目標を達成するために必要なのだということを聞かされるだろう。

 

 

資産運用業界の古くて堅固な部分とは、

投資がいかに難しく、
複雑であるかということを、
(これまた)いかにも難しく説くことなのです。

(残念ながら、ココは未だに変わっていませんね)

 

 

 

 

また、ボーグル氏の『ウォール街』に対する批判は、
コスト(手数料)という核心部分を突きます。

 

ところが皮肉なことに、
彼らがサービスにかける経費は、

投資家が最大限にしたい投資収益から
差し引かれることになる。

 

はい、まさにその通り。

 

 

続いてボーグル氏が掲げる
「投資の四つの秘訣」をご紹介しましょう。

 

1. 経費に注目する
2. 広く分散させる
3. 慎重に配分する
4. 振り回されない

 

わたしが特に好きなのは、
「2. 広く分散させる」に関する具体的な言及部分。

 

 

 

株式市場に
明日何が起こるかは誰にも分からない。
来年のことなど言うまでもない。

 

 

どのセクター、投資スタイル、地域が伸び、
どれが遅れをとるのかも分からない。

 

この不確実性を踏まえた上で
もっとも理にかなった戦略は、
できるだけ広く分散して投資を行い、

 

 

米国(そしてグローバルな)企業から、
配当金の再投資を含めた複利の配当利回りや
長期的な利益成長の恩恵を受けることだ。

 

これこそが究極の勝者のゲームとなる。

 

はい、ごもっとも!

 

 

 

 

そして氏は、
「4. 振り回されない」のところで、

自分の感情(心の揺れ)と付き合い、
手なずけ、
それをコントロールすることの重要性を説いています。

 

 

わたしはもちろんボーグル氏に会ったことはありませんが、
氏は資産運用業界の分野ではなくとも、
きっと大成功を収めていただろうと思います。

なぜなら氏は
「消費者にとっての利益とは何なのか?」を真摯に捉えられる人だからです。

 

こちらの本では
氏の生き方の片鱗に触れることが出来ます。

 

 

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