経済よもやま話

S&P500が20%超マイナスの「ベアマーケット」から、20%超プラスの「ブルマーケット」に転換すればもう大丈夫?

2022年8月15日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

米国市場がじりじり戻してきました。

ちょうど12ヵ月前(21年8月)まで遡ってみても、

すごい上昇↑
   急落↓(弱気市場)
リバウンド↑ と、

目まぐるしい動きです。

 

波乗りの人は、
そこに「波」があるからサーフィンが出来ますよね。

 

 

 

 

波乗り派(トレード派)の人にとってはこの1年ほど、大きな波(アップダウン)が現出したわけで、

これを上手く乗りこなしていれば、
大きなリターンを獲得できたのではないでしょうか。

※注 決してお勧めしているわけではありません。

 

 

いっぽう山登り派(つみたて投資派)の人にとっても、

すごい上昇↑
   急落↓(弱気市場)
リバウンド↑

という中で、

 

 

 

 

しばらく市場が低迷してくれたおかげで、
同じつみたて金額でも
より多くの口数を購入できて、

『口数の貯金』がそこそこ出来た人が多いのでは?

 

 

市場の深遠なる動き、Mr.マーケットは、
波乗り派、山登り派、
果たしてどちらの味方をしているのでしょうか?

 

答え)
どちらの味方もしていません。

 

 

マーケット自体は
誰の味方もしませんが、

その値動きの「あり様」そのものが人に、
収益の機会も損失の機会も与えてしまうわけです。

 

もっと言えば、

たった1週間の値動きでも、
「いつ」「何を買い」「いつ」「何を売るか」で、

それは利益にも損失にもなり得ます。

(Mr.マーケットの1週間の動きは
たったの「ひとつ」しかないにも関わらず。)

 

 

では、株式市場の値動きを作っているのは、
まるで自然の摂理のような『見えざる手』なのでしょうか?

んー、それほど高尚なものではないと思います(笑)

 

 

 

 

市場の値動きを形成するのは、
大小からなる人々の欲や恐れや、

「多くの人はどうしたいのか?」と、
水の流れを読む人々のベット(賭け)であるとわたしは思います。

 

あなたが波乗り派であろうと
山登り派であろうと、

例えば、
米国S&P500の値動きのしかたは「ひとつ」しかありません。

 

 

一度ベアマーケット(弱気相場)入りしたS&P500ですが、
20%を超える上げを現出すれば、
ブルマーケット(強気相場)に戻ってきます。

 

「よし!」とガッツポーズする(気持ちは分かりますが、)
もしかすると、時期尚早なのかもしれません。

 

わたしが時々拝見しているこちらの動画では、
ストラテジストの岡崎良介さんがまず、

過去のS&P500、
20%以上の『下落トレンド例』を挙げています。
(短期間でトレンドが終了したケースを除く)

 

 

 

画像元:Market Deeper

1966年、1968年、1973年、1980年、
2000年、2007年、2022年の7回。

 

その中で、
リリーフ・ラリー(下落相場の中での大きな戻り)が『20%以上』あった過去2回のケースを挙げています。

それが、
ITバブル崩壊時とリーマンショック時です。

 

 

 

画像元:Market Deeper

 

ITバブルの崩壊過程では、
S&P500が20%以上戻す場面がなんと『3回』もあったのだそう。

リーマンショック時も
2008年の11月から12月かけて
S&P500は一度20%以上戻しているのです。← まったく記憶にない。

 

今回の市場の乱高下が
この先どうなるかはわたしには分かりません。

上例で示したように、
20%以上戻してブルマーケットに復帰したあと、そのまま通常モードに戻るかもしれません。はたまたまた下げるかもしれません。

 

今日はわざわざ上例を示したので、
もしかすると、ITバブル崩壊時や
リーマンショック時のようにアップダウンするのでは?と想起しがちですが、

 

Mr.マーケットは生き物ですから、
【過去の単純な繰り返しは現出しない】とわたしは思います。

 

 

「時の流れはしばしば同じ道筋を取るが、
それはいつも新しい方向に進んでいく」。

 

「オンリー・イエスタデイ」F・L・アレン(1931年刊)

カテゴリ:経済よもやま話

おすすめの記事