個人向け国債10年物ってちょっと分かりづらい?
2022年8月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「個人向け国債」(変動10年)は
手を伸ばせば身近な所にあるのに、
中身がイマイチ分かりづらいという話を聞きます。
安全資産として
預貯金の他に
「個人向け国債」(変動10年)は有力な選択肢となるでしょう。
(以下『変動10年』と記します)
「利息」は半年ごとに支払われます。
例えば4月「募集」の変動10年で、
5月に「発行」されたものなら、
11月の15日、次は翌年5月の15日に「利息」が支払われます。
(半年ごと年2回。)
変動10年は1万円以上1万円単位で購入できます。
毎月新規発行がされるため、いつでも買える安心感があります。
(楽天証券やSBI証券でも売っています)
8月募集、9月発行分は
適用利率(税引前)が0.11%です。
変動10年の適応利率は、
長期金利を指標として
一定利率を乗じたものが採用されるため、
長期金利がいくらか上昇した
5月募集、6月発行分は
適用利率(税引前)が0.17%まで上昇しました。
もちろん、
今後日本の長期金利が低下していけば、
変動10年の利率も下がります。
(しかし最低利率『0.05%』は保証されています)
お金の原理原則に従えば、
これを遵守すればよいのです。
逆に(起こる可能性は低いと思いますが、)
日本の長期金利が「3%」を超えて上昇するようなときは、
貯めるお金は?
「変動金利」より「固定金利」のほうが有利になるかもしれません。
はい、そうです。より正確にご説明しましょう。
下図のように、
【1年7ヶ月後に中途解約した場合・・】
『中途換金調整額』、
直近2回分の利息(税引前)相当額 × 0.79685が差し引かれることになります。
画像元:SMBC日興証券
発行から1年間は原則として中途換金できませんが、丸1年以上経てば中途解約ができ、かつ元本割れはしません。
個人向け国債には、
『値動き』というものがありません。
??
そもそも個人向け国債は、
財務省が「個人のみ」に
特別に発行している債券であり、
あなたはそれを「額面金額」で買って
最終「額面金額」で償還されます。
(中途で解約する場合も
「額面金額」が返ってきます。)
ということは、
通常の国債では起こる、
「金利が下がったら」
「国債の価格が上がる」、
「金利が上がったら」
「国債の価格が下がる」という
債券価格のアップダウン現象が生じないわけです。
ココ、伝わっていますか?
変動10年を保有して、
あなたが得るリターンは
純粋に「利息収入(インカム)」のみです。
お金の原理原則に従えば、
長期金利が低いときは、
貯めるお金は?「変動金利」がベターですよ。
どうして個人年金保険や養老保険や終身保険を
「貯蓄型の金融商品」としてお勧めしないかというと、
長期金利が低いときに、
長い年月「固定金利」に拘束されるためです。
カテゴリ:投資の発想法